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弁護士ドットコム、「クラウドサイン」の2021年機能開発ロードマップを発表
次の100年の電子契約インフラに向けてタグラインも刷新
2021年1月22日 11:00
弁護士ドットコム株式会社は21日、同社が提供するWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」について、2021年機能開発ロードマップを策定するとともに、タグラインを「これからの100年、あたらしい契約のかたち。」に刷新し、公開した。
同日には、「クラウドサイン」のビジネス概況および今年開発予定の新機能についてオンライン発表会が行われた。
今回のタグライン刷新の背景について、弁護士ドットコム 代表取締役社長の内田陽介氏は、「新型コロナウイルスの影響で在宅ワークの定着化・効率化が求められている一方で、契約書の受け取りや押印のために出社する必要があるなど、契約締結業務で課題を抱える企業が増えている。そこで、こうした課題を解決するツールとして、『クラウドサイン』の導入が拡大している。2020年9月には、総務省・法務省・経済産業省から、電子署名法第3条に『クラウドサイン』の規格が法的に有効とされる基準が示された。このことは、『クラウドサイン』が多くの企業で活用され、その利便性と機能性が評価された結果であると考えている。当社では、この大きな社会変革の波をさらに推進していくために、タグラインを刷新し、昨年以上に力強い投資を実行していく」と語った。
「クラウドサイン」は、「紙と印鑑」を「クラウド」に置き換え、契約作業をパソコンだけで完結できるWeb完結型クラウド契約サービス。すべてがクラウド上で完結するため、契約締結のスピード化とコスト削減を実現できる。電子契約機能には、「いつ・誰が・どの契約に合意したか」を証明する電子署名とタイムスタンプを付与している。また、リモートワークの環境下でも契約書の証拠力を担保しながら、事業活動に重要となる円滑な契約業務が可能となる。
弁護士ドットコム 取締役 クラウドサイン事業本部長の橘大地氏は、「印鑑制度は明治時代に制定されたもので、紙による契約業務に2週間もかかっていた。当社では、この業務を効率化するため2015年10月に『クラウドサイン』をリリースした。同サービスでは、電子署名法の規格である『当事者署名型電子署名』にはあえて準拠せず、事業者署名型(立会人型)電子署名を採用することで、2週間かかる契約業務を1分間にまで大幅短縮した。電子署名法に準拠しないのは挑戦でもあったが、現在『クラウドサイン』の導入社数は10万社を突破し、電子契約サービスの国内シェアは80%を超えている」という。
「その中で、昨年9月に電子署名法第3条Q&Aが発出され、一定の要件を満たすことで、『クラウドサイン』の規格が法的に有効となりうる見解が示された。これを受けて、昨年11月から、電子署名法第3条Q&Aに対応する2要素認証機能を提供開始した。そして今回、印鑑制度に代わる、次の100年の電子契約インフラを担うべく、ユーザーから寄せられた意見も踏まえながら、今年新たに開発する機能のロードマップを策定した。このロードマップにより、主に『契約管理』『契約決裁』『実印』の3つの機能を再発明していく」(橘氏)と、2021年の機能開発ロードマップを明らかにした。
具体的には、「契約管理」の再発明として、契約書類の閲覧権限を高度に管理する「キャビネット機能」を3月に提供開始する。従来はデータの管理と閲覧者が階層構造になっていたが、「キャビネット機能」では、データの管理と閲覧者はフラットにひもづけられ、閲覧権限を適切に管理することが可能となる。
「契約決裁」の再発明では、契約書類を受信した時の“無権代理”承認を防止する「受信時承認ワークフロー機能」を今年中に提供開始する予定。これによって、決裁権のないメンバーによる同意を防止し、無権代理による契約の成立を防ぐことができる。
「実印」の再発明では、年内に「マイナンバーカードを活用した当事者署名型電子署名機能」を提供する予定。マイナンバーカードに内蔵された電子証明書による電子署名に対応することで、印鑑証明など公的機関の証明や実印が必要な個人との契約締結を、「クラウドサイン」により電子化することが可能となる。
なお、今回のロードマップでは、この3つの新機能を含め、エンタープライズ企業の契約業務のデジタル化を推進し、組織ごとの社内決裁フローや部署や役職に応じた権限管理などを柔軟にコントロールすることが可能となる全15の機能実装を予定している。