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アライドテレシス、手軽に無線LAN APを増設できる「AWC-SC」技術をデモ

ネットワーク管理技術「AMF」の“進化”も展示

 「Interop Tokyo 2019」のアライドテレシスのブースでは、自律型無線LAN技術「AWC」の最新技術「AWC-SC」などについて、デモをまじえて展示していた。そのほか、ネットワーク管理技術「AMF」の進化形の構想や、サービス事業などについても展示していた。

新しい無線技術「AWC-SC」をロボット掃除機でデモ

 アライドテレシスの中央部では、新しい無線LAN技術「AWC-SC(Smart Connect)」のデモをしていた。2019年の秋口にリリース予定という。

 AWC-SCは、同社製品の無線LANアクセスポイントがすでに設置されていれば、追加のアクセスポイントを置いて電源を入れるだけで、まるで有線LANの“ダムHUB”を設置するかのように、手軽にアクセスポイントを増設できるというものだ。追加のアクセスポイントは有線LANにつなぐ必要がなく、既設のアクセスポイントと無線LANで接続される。

 類似の技術と異なる点として、アクセスポイントを追加した時にも、アクセスポイントの通信状態から自律的にトポロジーを構築するという特徴がある。例えば、オフィス内のレイアウト変更で電波状況が変わった時や、接続していた親アクセスポイント(ルート)が故障した時などには、子アクセスポイント(ターミネータ)が自動的につなぎ先を変更する。

 デモではこれを示すために、ターミネータをロボット掃除機に乗せた状態で、2つのルートの間をうろつかせて、場所に応じて電波状態の良いルートにつながる様子を見せた。さらに、その周囲を回る模型電車に乗ったスマートフォンが、これらのアクセスポイントで構築されるネットワークに対して接続を保っていた。

AWC-SCのデモ。ロボット掃除機に乗ったターミネータ(子アクセスポイント)が、場所に応じて2つのルート(親アクセスポイント)につなぎ変わる。写真より右側にもう1つのルートがある

移動しても切れない「AWC-CB」の応用例を展示

 AWC-SCのベースにもなっている無線LAN技術「AWC-CB(Channel Blanket)」関連も展示されていた。AWC-CBは、アクセスポイントごとに、チャンネルが異なるセル方式と、すべてのアクセスポイントが同一チャンネルとなるブランケット方式の両方に対応したハイブリッド型無線LAN。このコーナーでは、関連するパートナー製品との連携ソリューションが展示されている。

 キーエンスは、倉庫や工場などで使うハンディターミナルを用いて、AWC-CBとの組み合わせにより、電波が切れないことを実験した結果を展示していた。

 また日立システムズは、PHSからの移行として、AWC-CBの無線LANを使った電話機やスマートフォンによる「移動しながれでも途切れない内線電話」を展示していた。

 そのほか、前年のInterop Tokyo 2018でもデモした、AWC-CBの複数のアクセスポイントにつながったセキドのドローンが、接続が切れずにつなぎかわる実験についても展示されていた。

キーエンスのハンディターミナルとAWC-CBの実験。AT-TQ5403のエントリーモデル「AT-TQm5403」も
日立システムズの、AWC-CBによる内線電話
ドローンが複数のアクセスポイントを切り替わりながら接続し続ける実験

ネットワーク管理技術「AMF」の進化形

 スイッチやルータなど通常のネットワーク機器の展示にあわせて、同社のネットワーク管理技術「AMF」を「Artificial Intelligence Management Framework」に進化させるという構想も展示されていた。

 AMFはもともと、Allied Telesis Management Frameworkの略称としてスタートしたが、その後Autonomous Management Frameworkへと進化。今回のArtificial Intelligence Management Frameworkではさらに、管理者がインテント(意思)を入力するだけで、AMFが最適なネットワーク設定をしてくれるようになるという。

スイッチやルータなどのネットワーク機器
AMFを「Artificial Intelligence Management Framework」に進化させる構想

 また、回線から保守サポート、運用支援、セキュリティまでワンストップで提供するサービス事業「Net.Service」についても展示していた。

サービス事業「Net.Service」の展示