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ジュニパー、AI技術を用いたクラウド型Wi-Fi「Mist」をアピール
2種類のネットワーク管理ソリューションやセキュリティソリューションも注目
2019年6月17日 13:14
「Interop Tokyo 2019」のJuniper Networksのブースでは、3月に買収を発表したMist Systemsのクラウド管理型無線LANを大きく展示していた。そのほかにも、ネットワーク管理やセキュリティ管理の製品を中心に展示していた。
AIでログを分析するクラウド型無線LAN「Mist」
Mistは、Cisco MerakiやHPE Arubaなどと同様の、無線LANコントローラをクラウドに置いたクラウド管理型Wi-Fiだ。
その中でも特徴となるのが、クライアントのログをクラウド上で解析し、サービスレベルを保つことだという。要因の分類などに機械学習(AI)を使った機能「MARVIS」を搭載しており、「AIクラウド型Wi-Fi」と名乗っている。なお、Mistは各社の製品を審査する「Best of Show Award」のAI部門でグランプリを受賞した。
ブースでの説明によると、「会社のIT部門に『無線がつながらない』といった漠然としたクレームが入るが、それだけの情報では、ネットワーク管理者は原因がわからない」ため、クライアントのログを記録し、それを基にトラブルを解析することで、状況を把握できるようにするという。
デモでは、「Time to Connect」「Throughput」「Roaming」などの項目ごとのサービスレベルが表示されるところや、そこからワンクリックで起きている失敗の種類ごとに情報を表示できること、その失敗がどのユーザー/どのアクセスポイント/どのアプリケーションで起きたか表示できること、問題が起きた時のパケットキャプチャを確認できることなどが示された。
WAN/LANの一元管理と稼働診断ソリューション
ネットワーク管理の分野では、「Contrail Service Orchestration」がBest of Show AwardのNFV/SDI部門で審査員特別賞を、「Contrail Healthbot」がマネジメント部門で審査員特別賞を受賞していた。
Contrail Service Orchestrationは、SD-WANやLANを一元管理するオーケストレーションプラットフォーム。機器を工場出荷時の状態からゼロタッチでプロビジョニングできるほか、トポロジーを動的に変更して各機器に反映するという。前述したMistによるWi-Fiにも対応する。
Contrail Healthbotは、稼働状況/診断ソリューション。ネットワーク運用で、モニタリングから解析、アクションのループを回すにあたり、一元化と自動化により、人手をかけずに運用できるようにするという。
SIEMを搭載したセキュリティアプライアンス「JATP」
セキュリティ分野では、「JATP400」がBest of Show Awardのセキュリティ部門で審査員特別賞を受賞した。
JATP(Juniper Advanced Threat Prevention)は、脅威検知やSIEMの機能を搭載したアプライアンスだ。脅威を検知して分析し、1カ所で把握できるようにするほか、隔離などを自動的に実行する。ほかのファイアウォールやセキュリティ情報、SIEMとも連携する。
リアルタイムDDoS攻撃対策の「SmartWall TDD(Threat Defense Director)」なども展示されていた。エッジルーターJuniper MXと、CoreroのDDoS検知サービスを連携させるもの。MXでパケットをミラーリングした内容を分析し、DDoS攻撃がなされていればフィルタリング設定を自動でMXに追加する。特に、IPのヘッダーだけでなくペイロードまで見るため、正常な通信を妨げないという。