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OracleとAWS、Oracle DatabaseサービスをAWS内で利用できる「Oracle Database@AWS」を一般提供開始
2025年7月11日 06:30
米OracleとAmazon Web Services(AWS)は現地時間8日、「Oracle Database@AWS」の一般提供を発表した。ユーザーは、AWS内の「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上の専用インフラストラクチャを用いて、「Oracle Exadata Database Service」および「Oracle Autonomous Database」を実行できるようになった。
Oracleでは、ユーザーは「Oracle Real Application Clusters(RAC)」および組み込みのAIベクトル機能を備えた最新の「Oracle Database 23ai」を活用しながら、Oracle Databaseのワークロードを、AWSのOCI上で実行されるOracle Database@AWSに簡単に移行できると説明。Oracle Database@AWSには、ゼロETL(抽出、変換、読み込み)統合が含まれており、エンタープライズ向けOracle DatabaseサービスとAWS Analyticsサービス間のデータ統合を簡素化し、複雑なデータパイプラインの構築と管理の必要性を排除するとしている。
また、これにより、Oracle DatabaseサービスとAWSサービス間におけるシームレスなデータフローを実現し、ユーザーは自社のデータをAWSの分析、機械学習、生成AIサービスと組み合わせることで、アプリケーションをさらに強化できると説明。これらの機能により、ユーザーがクラウドでデータベースを実行するための選択肢が広がり、さらに、AWS内でOracle Databaseワークロードを実行するための既存のオプションが補完されるとしている。
Oracle Database@AWSは、OCIとAWS全体で統合されたエクスペリエンスを提供。両社による完全に統合されたサポートにより、顧客の最も信頼できるエンタープライズアプリケーション向けに設計されたリファレンスアーキテクチャとランディングゾーンを通じて、データベースの管理、購入、導入を簡素化する。
顧客にもたらされるメリットとしては、「Oracle Zero Downtime Migration」などの実績のある移行ツールとの互換性など、Oracle Databaseのクラウドへの移行を簡素化および高速化が実現できると説明。また、Oracle RAC、複数のAWS可用性ゾーン、およびデータベースのバックアップとディザスタリカバリ向けのAmazon S3 により、耐障害性とスケーラビリティに優れたワークロードを実現するとしている。
AWS Marketplaceを介したシンプルな調達エクスペリエンスにより、顧客は既存のAWSコミットメントおよびOracle Database@AWSによるライセンス持ち込み(BYOL)や、「Oracle Support Rewards(OSR)」などの割引プログラムを含む、オラクルライセンスの特典を利用できる。
Amazon EC2、Amazon EKS、Amazon ECSを、AIベクトル検索などのOracle Database機能と組み合わせることで、スケーラブルな新しいマイクロサービスアプリケーションの構築、アプリケーションのインテリジェンス強化、新機能の市場投入期間短縮を実現する。
Oracle Database@AWSは、組み込みの「Oracle AI Vector Search」をサポートするOracle Database 23aiを提供し、顧客は特定の単語、ピクセル、データ値ではなく、概念的なコンテンツに基づくドキュメント、画像、リレーショナルデータを簡単に検索できる。
AWSマネジメントコンソール、AWSコマンドラインインターフェイス(CLI)、API、モニタリングなどの使い慣れたツールを使用して、ワークロードを簡単に管理しながら、高度な分析、機械学習、生成AIサービスで使用するためのデータを作成でき、またAWS Identity and Access Management(IAM)、AWS CloudFormation、Amazon CloudWatch、Amazon VPC Lattice、Amazon EventBridgeなどのAWSサービスと統合できる。
「Oracle E-Business Suite」「PeopleSoft」「JD Edwards EnterpriseOne」「Oracle Enterprise Performance Management」「Oracle Retail Applications」などのオラクルのアプリケーションもサポートする。
Oracle Database@AWSは、AWSの米国東部(バージニア州北部)および米国西部(オレゴン州)リージョンで利用が可能になった。さらに、カナダ(セントラル)、フランクフルト、ハイデラバード、アイルランド、ロンドン、メルボルン、ミラノ、ムンバイ、大阪、パリ、サンパウロ、ソウル、シンガポール、スペイン、ストックホルム、シドニー、東京、米国東部(オハイオ州)、米国西部(北カリフォルニア州)、チューリッヒの、20のAWSリージョンで利用可能になる予定としている。