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STT GDC、同社国内初のデータセンター「STT Tokyo 1」を運用開始
2025年7月8日 06:30
シンガポールのSTTelemedia Global Data Centers(以下、STT GDC)は6月25日、日本国内初となるデータセンター「STT Tokyo 1」の運用開始を正式に発表した。千葉県印西市に開設した同施設は、戦略的な立地を生かし、STT GDCの北東アジアにおけるプレゼンスを強化するとともに、同社のグローバルな事業拡大戦略において重要な節目を示すものだとしている。
STT Tokyo 1は、グッドマンビジネスパーク内に位置するSTT GDCの2棟のデータセンターキャンパスの1棟目となり、12のデータホールを持ち、最大ラック数は339ラック、全面稼働時には最大32MWを供給する計画。電力密度は、空冷で1ラックあたり平均7.96kW、最大20kWで、水冷であれば1ラックあたり最大100kWにも対応可能だという。
さらに、隣接地に2棟目となるSTT Tokyo 2を2027年11月にサービスイン予定で、データセンター2棟の延べ床面積は合計6万㎡、合計で70MWのIT容量をサポートする計画としている。
STT GDC Japan代表取締役社長の前田潔氏は、STT GDCはグローバルにデータセンターを展開しており、英国では17カ所、ロンドンではおそらく最大規模のデータセンター事業者になり、インドでも合弁により30カ所を展開予定で、インド最大のデータセンター事業者になると説明。また、「グリーンエナジーはシンガポールの国策でもあり、STT GDCのデータセンターでもかなり挑戦的な取り組みを行っている」として、データセンター事業におけるカーボンニュートラル率は78%となり、2030年までに100%を達成する予定だとした。
STT Tokyo 1は、建設にあたって30m以上の杭を90本打ち込み、最新の球面滑り免震を採用するなどの堅牢性を備えるとともに、4方向からの独立した回線引き込み経路を持つなど、ハイパースケーラー向けデータセンターでも珍しい施設となっていると説明。運用についても、外部に委託せず、自社の社員を行っており、これも同様のデータセンター事業者の中では珍しい方だとした。
また、厳格な国際規格にも準拠し、2024年半ばにはTIA-942-C認証を取得した世界初のデータセンターとなっており、堅牢な冗長性、高い可用性、強固な物理セキュリティが確保されているとした。
STT Tokyo 1内には、12のデータホールがあるが、既にほぼ満床状態とのことで、複数のデータホールを利用する企業が契約していると説明。顧客は主にグローバルなIT企業で、業種としては他のデータセンターも含めるとハイパースケーラーが6割程度になるという。
前田氏は、「肌感では、昨年後半からAIの需要が爆発的に増えている」として、STT Tokyo 1でも水冷サーバーに対応しているが、さらに対応を進めていくと説明。日本の事業は今回のSTT Tokyo 1がはじまりとなり、ここから展開を考えていくが、場所などについてはニーズを見つつ判断していきたいとした。