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Box Japan、さらなる事業拡大に向けて東京オフィスを拡充

ユーザー企業と協力して日本企業の働き方改革を推進へ

 株式会社Box Japanは、事業規模の拡大に伴ってオフィススペースを拡充し、顧客へのアクセスに便利な東京駅隣接の鉄鋼ビルディング15階に、東京オフィスを新設した。

 9日にはプレス向けに新オフィスのお披露目会が開催され、グローバルおよび国内のビジネス概況、国内での大規模導入事例について紹介するとともに、新設した東京オフィスが公開された。

新オフィスのお披露目会で握手するBox Japan 代表取締役社長の古市克典氏(左)と、米Box 共同創業者・最高財務責任者(CFO)のディラン・スミス氏

 Box Japanは、2013年に初めて東京にオフィスを開設して以来、パートナーシップとさまざまなセクターの顧客を拡充し続けてきた。現在、東京オフィスの従業員は約100人にまで達し、今後1年でさらに増員していく予定だという。

 そこで今回、急速な事業規模の拡大に対応するべく、鉄鋼ビルディング15階に東京オフィスを新設した。新オフィスは2万1000平方フィート(約2000平方メートル)のスペースがあり、約200人の従業員が収容可能となっている。

 この新オフィスのお披露目会に、米Box 共同創業者・最高財務責任者(CFO)のディラン・スミス氏が登壇。

 「当社は、クラウドコンテンツマネジメントのリーダーとして年々成長を続けており、昨年度はグローバルで5億ドルの売り上げを実現した。また、サービスの解約率は5%を下回っている状況で、安定したビジネスモデルを継続している。顧客数は、グローバルで8万5000社を突破し、フォーチュン500の69%の企業にBoxが導入されている。今後は、年間収益10億ドル達成に向けて、日本市場を成長戦略地域と位置付け、積極的な投資を行っていく」と、グローバルでのビジネスが好調に推移していることを強調した。

米Box 共同創業者・最高財務責任者(CFO)のディラン・スミス氏

 続いて、日本市場のビジネス概況について、Box Japan 代表取締役社長の古市克典氏が説明。

 「日本では現在、デジタルトランスフォーメーションの進展、ピラミッド組織からフラット組織への企業構造の変化、人生100年時代、2025年問題といったトレンドを受け、新しい働き方の基盤づくりが急務となっている。その中で、Boxは、リモートワークに必須となる強固なセキュリティ機能を備えるとともに、利用者・管理者向けに最適な各種サービスを用意している。さらに、豊富な業務アプリとエコシステムを構築しており、柔軟なクラウドコンテンツマネジメントを実現する。こうした点からBoxは、働き方改革に向けた新しい基盤に最適なソリューションであると確信している」との考えを述べた。

Box Japan 代表取締役社長の古市克典氏

 また、「Box Japanは2013年に設立し、現在では、公式代理店が約200社、エコパートナー企業が147社、社員数は約100人の規模にまで拡大している。今回の新オフィスは、200人までキャパシティがあるため、まずは社員200人体制を目指して、引き続き採用活動を進めていく」という。

 今後のマーケット戦略については、(1)業界リーダーへの導入推進・関連企業への伝播、(2)パートナー協業によるカスタマーベースの拡大、(3)金融、自治体、官公庁、病院などの新市場開拓――、の3点を挙げ、「現在、Boxを導入・活用している企業と協力し、さまざまな業界・業種に適したユースケースの作成を進めている。このユースケースを幅広い企業に展開していくことで、日本企業の働き方改革とデジタルトランスフォーメーションを推進していく」と意欲を見せた。

大規模な導入事例2例を紹介

 国内の代表的な大規模導入事例としては、井村屋グループと三菱地所の事例が紹介された。

 井村屋グループでは、約1年前にBoxを導入し、現在は約530ユーザーを全社展開しているという。井村屋グループ システム部 部長の岡田浩平氏は、「単なるオンラインストレージではなく、安心・安全な井村屋グループ全体の情報共有基盤としてBoxを活用している。また、Boxの導入を機に、工場における見える化や教育、ペーパーレス化の促進、外部コラボレーションの活用による生産性向上など、働き方改革にも取り組んでいる。今後は、Boxを生かした社内託児所での新たな取り組みや、原価情報システムにおけるテクニカルプラットフォームの活用など、さらなる『NEXT NEW』にチャレンジしていく」と語った。

井村屋グループ システム部 部長の岡田浩平氏

 三菱地所 xTECH(クロステック)営業部 運営・ビジネス開発支援ユニット 統括 ユニットリーダーの島田映子氏は、「2014年に、私の所属していた部署でBoxを導入したのが最初だった。これにより、容量を気にせず社外とのコラボレーションがやりやすくなった。その後、2017年に三菱地所の全部署での導入が実現し、社内におけるコラボレーションも容易になった」という。

 「そして今年、新本社に移転し、モバイルPCや共用モニターを導入したことで、Boxを活用したリモートワークが可能となり、本格的なペーパーレス化を図ることができた。今後は、社内外のさまざまな人とのコラボレーションをはぐくむツールとしてBoxを活用し、社員が働きやすいクリエーティブな環境創りを目指していく」と、Boxの導入メリットをアピールした。

三菱地所 xTECH(クロステック)営業部 運営・ビジネス開発支援ユニット 統括 ユニットリーダーの島田映子氏

 井村屋グループと三菱地所の事例紹介を受けて、Box Japan 執行役員 アライアンス・開発部長の安達徹也氏は、「Boxユーザー企業とクラウドサービス非導入企業(Nonクラウド企業)を対象に、当社が実施したアンケート調査によると、『社外でもオフィスと同じように仕事ができる、または社外からでも必要なファイルにアクセスできる』と回答したのは、Nonクラウド企業が19%であるのに対し、Boxユーザーは85%に達していた。また、『テレワークを導入している』との回答も、Nonクラウド企業の30%に対して、Boxユーザー企業は93%を占めた」と、Box導入企業の多くが柔軟な働き方を実現していると強調。

 「当社では、“BRING YOUR(__)SELF TO WORK EVERY DAY.”を社是の一つに掲げ、自分らしく働くことを推進している。そのために、Boxを活用して働き方の多様性を支える『デジタルワークプレイス』と、新オフィスによってさらに仕事の質を高めていく『リアルワークプレイス』の両立を目指していく」と、同社が取り組む働き方改革の方向性を示した。

Box Japan 執行役員 アライアンス・開発部長の安達徹也氏

 なお、公開された新オフィスは、コラボレーションを念頭に設計されており、社員が働きやすいよう配慮したファーニチャーを採用。オフィス内には、複数の会議室や共同ワークスペースに加えて、ウェルビーイング(心身の健康)を推進する禅ルームや、小さな子供を持つ親のためのマザーズルーム、健全な労働環境を奨励する広い共有空間、イベントにも使えるキッチンスペース「ランチボックス」も備えている。さらに、外部とのコラボレーションやプレゼンテーションなどで活用する特別な会議室として「エグゼクティブイノベーションセンター(EIC)」も設置されていた。

新設した東京オフィスのエントランス
キッチンスペース「ランチボックス」