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オンラインストレージサービスのBox、日本国内だけでデータを管理できる「Box Zones Japan」を提供
2018年3月13日 12:37
株式会社Box Japan(Box)は13日、データ保管先を世界中から選択できる「Box Zones」において、日本国内ですべてのデータ保管とバックアップが可能になる「Box Zones Japan」をラインアップに追加し、同日よりサービスを開始すると発表した。なお、販売は10ライセンス以上となる。
Box Zonesは、世界のさまざまな地域のクラウドストレージ事業者やデータセンター事業者が提供するストレージに、ユーザー企業のコンテンツなどを暗号化して保管できるサービス。国際的なデータ保護とプライバシーを実現するための強固な基盤で構築されており、管理コストを強いることなく、ユーザーに対して透明性を保証できるほか、ユーザー自身が暗号化キーを独立して管理できるオプションも提供されている。
Boxでは、拘束的企業準則(BCR)や国境を越えて移転する個人情報を適切に保護するAPEC越境プライバシールール(CBPR)、クラウドコンピューティングコンプライアンスコントロールカタログ(C5)、EU一般データ保護規則(GDPR)など、各国の企業に求められるデータ保存の法規制やデータプライバシーの保護に対応しながら、世界の各地域からBoxサービスを利用することができるようにしており、今回のBox Zones Japanは、そうした動きに対応する取り組みのひとつに位置づけている。
「任意の地域内にデータを保管することで、パフォーマンス、データレジデンシー(データの保管場所)、データプライバシーの懸念への一部対応が可能になるサービス」(Box Japan 代表取締役社長の古市克典氏)としている。
2016年6月から、米国以外に、アジア(東京、シンガポール)、ドイツ(フランクフルト)、アイルランド(ダブリン)を選択できる形でサービス提供を開始。その後、英国(ロンドン)、カナダ(モントリオール、トロント)、オーストラリア(シドニー、ビクトリア)を追加してきた。
古市氏は、「Box Japanは、日本で4年半にわたって展開しており、毎年倍増以上で新規ユーザーの年間受注高が増加。幅広い業種において、大手企業が大規模にBoxを活用しはじめている。だが、米国では、米司法省、米国防省などで利用されており、官公庁および金融機関、病院が大きな顧客セグメントになっているが、日本ではこれらのユーザーが少なく、大手製造業での利用も少ない。これらの業種においては、日本国内にデータを置きたいというニーズが強いことがその背景にある」と、これまでの状況を説明する。日本の金融機関では常陽銀行が活用しているに過ぎず、大手製造業では、トヨタUSAは利用しているが、日本のトヨタでは利用していないという状況だ。
というのも、これまでのBox Zonesのサービスでは、データのプライマリは東京だが、セカンダリはシンガポールであり、アジアという枠で提供されていたからだ。しかしBox Zones Japanでは、セカンダリを大阪に設置することで、日本だけの域内でサービスを提供できる(シンガポールをセカンダリとするサービスも継続)。
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「今回のBox Zones Japanは、データを国内に置いてBoxのサービスを提供できるため、機密情報や個人情報を取り扱う際にも安心して利用できるようになる。今後、官公庁、金融、病院、大手製造業などへの利用提案を加速したい。いよいよBoxが日本の域内だけで利用できるようになるという期待の声もある。すでに商談も進んでおり、かなりのユーザーが移行すると考えている。日本における受注高をさらに拡大し、気持ちとしては、新規獲得を前年比3倍以上にしていきたい」とした。
また、「域内処理が行えることから、アップロードやダウンロードのパフォーマンスが改善され、処理速度や体感速度も速くなる」としたほか、「地域内では暗号化されたファイルで保管。数々のワールドクラスのコンプライアンスセキュリティ基準に準拠しており、エンタープライズユーザーにも安心して利用してもらうことができる」とアピールした。
東京のデータセンターはAmazon Web Services(AWS)を活用し、大阪のデータセンターはMicrosoft Azureを活用することになるという。「AWSやAzureを利用することで、Box Zonesのサービスを短期間で立ち上げることができるほか、すでに、AWSやAzureを利用しているユーザーが多いこともメリットにつながる」(古市氏)。
ちなみに、グローバルではAWSに加えてIBM Cloudも活用しているが、今後はMicrosoft Azureの活用が増えていくことになるとのこと。なお、米国では自社データセンターを活用している。
一方、Boxでは、さまざまなパートナーとともに連携サービスを提供しており、100社から、セキュリティや認証、業務、グループウェアなど、134のソリューションが提供されているという。
「Boxは、1社ですべてをやるのでなく、自らが得意なところに注力。トップベンダーと連携してサービス提供を行う。日本のパートナーのソリューションと組み合わせることで、日本のユーザーになじんでもらえるようになっている。また、AzureやAWSのデータセンターを活用することで、国内市場向けて、安く、迅速に提供できる環境を整えている。従来は、サイバー攻撃への対策や情報漏えい対策といったセキュリティニーズによって導入が進んだが、ここにきて、働き方改革をきっかけにしたBoxの導入が進んでいる」。