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Box Japan、現場主導でワークフローを導入できるBox Relayをアピール
Boxの活用でコンテンツ中心のプロセスへの移行を支援
2020年9月28日 06:00
株式会社Box Japanは25日、オンラインで記者説明会を開催。同社が提供するクラウドコンテンツ管理ソリューション「Box」の、国内での利用企業が増加していることを示す一方、コロナ禍において、ワークフローの自動化を支援するオプション製品の「Box Relay」に、高い関心が集まっていることを紹介した。
また、国内向けに新たな機能を追加したことを発表。Box Japan 執行役員 マーケティング部の三原茂部長は、「日本の企業の多様な働き方を支援し、日本の企業を元気にしたい」と述べている。
コロナ禍による働き方の変化で利用が増加
Box Japanによると、現在、国内の7300社以上でBoxが導入されており、日経225のうち50%の企業、攻めのIT経営銘柄2019のうち、65%の企業でBoxが採用されているという。また、全世界では10万社以上が利用しているという。
三原部長は、「国内におけるBoxの導入企業数は、2020年2月~4月は前四半期比で12%増、5~7月は11%増となっている。大手企業でも利用されており、製薬、建設、メディア/エンターテインメントなど、幅広い業種に導入されている状況だ。新型コロナウイルスの感染拡大による働き方の変化によって、Boxの認知度が高まり、利用が増加した。在宅勤務が開始され、社内の情報にアクセスできない、セキュリティを担保したなかでコンテンツを利用したい、といった課題を持つ企業の利用が増えている」とする。
同社では、従業員100名以下の国内企業を対象に、Boxのライセンスを90日間無償で提供する支援策を実施したが、これをきっかけにBoxを導入する中小企業も多かったという。
デロイトトーマツコンサルティングの調査によると、最も検討した働き方改革施策では、長時間労働の是正が一番多いが、次いで、業務プロセスおよびルールの見直し、業務標準化に取り組む企業が多いとのこと。
「業務プロセスおよびルールの見直しでは、半数以上の企業が効果を感じているという。新たな働き方において、ワークフローや承認プロセスの見直しは重要な課題であり、セルフサービスで策定し、さまざまなプロセスを組み合わせて効果を実現できるツールが求められている。情報システム部を巻き込まずに、短期間で利用でき、日々行っているプロセスを標準化し、コンテンツを中心にしたプロセスへ移行することが求められており、そこにBoxが貢献できる」とする。
一方、「企業が求めているものは、簡単に作成できて、把握でき、効率が上がる仕組みである。またコンテンツ管理において、セキュリティを保ち効率良く仕事をするためには、これまでのようにメールにコンテンツを添付するといったように、人から人へとコンテンツを動かすのではなく、コンテンツは動かさずに、人やアプリがコンテンツにアクセスする仕組みが望ましい。Boxであればそれが実現できる」と述べた。
利用が広がるBox Relayに新機能を追加
Box Relayは、コンテンツ中心のビジネスプロセスを自動化する製品で、ワークフローをユーザーサイドでコーディングなしで簡単に作成できること、トリガーやアクションなどなどの機能を備えており、幅広いプロセスに対応できる柔軟性を持つこと、ワークフローの進ちょく状況を追跡し、レポートとして出力できる透明性と管理性の高さが特徴だ。
Boxのオプションとして、2019年6月に発表して以来、毎月のように新たな機能をリリースしており、今後も新機能を追加していくことになるという。
今回、新たに国内提供を開始したBox Relayの新機能は、ファイルやフォルダ、メタデータ、タクスに加えて、新たに手動でトリガーを開始した際にも、イベントの結果を指定することができる機能を追加した。
Box Japan 執行役員 ソリューションエンジニアリング部の西秀夫部長は、「非常事態宣言化で在宅勤務が始まって以降、Box Relayの活用が大幅に進んでいる。3000人の従業員を持つある製造業では、3月までは月初にBox Relayが少し動く程度だったが、4月以降、Box Relayのアクティブ数は急激に増加。Box Relayでワークフローを回すことにより在宅勤務を実現している。こうした例が相次いでいる」と語る。
例えば、上長決裁が必要な文書のフロー、上長確認後には部門長が決裁することが必要な文書のフロー、開発依頼書など部門間に渡る文書のフローなどにBox Relayを活用しているようで、「特に、ハンコリレーが必要な文書をBox Relay上に切り替えて実行している。ハンコを押すために出社するということがなくなり、在宅勤務への切り替えがスムーズに実現できている。また、部内での文書の回覧や外部企業とのやり取りを行うという場合にも、Box Relayが有効である」と述べた。
現場主導でワークフローを導入できる強み
ここで同社が強調するのが、Box Relayはこれまでのワークフロー製品とは大きく異なり、現場主導で導入できるという点だ。
「これまでのワークフロー製品では、情報システム部門がユーザー部門の要件のヒアリングを行い、要件定義を行うことになる。だが、要件がまとまらないと開発できず、開発後も実装やテストを行う必要があるため、利用開始までに時間がかかる。半年や1年という期間がかかってしまう。だがBox Relayでは、情報システム部門がBoxの管理コンソール上で機能を解放すれば、あとはユーザー部門がテンプレートを活用してフローを作成し、実装を行えるため、すぐに利用が開始できる。緊急事態宣言のような突発的な出来事が発生してもすぐに業務の切り替えが行え、業務を回せる」とした。
ある企業では、履歴書の処理フローにBox Relayを活用しているという。Boxの基本機能のひとつであるFile Requestで、履歴書を受け取るとそれをトリガーにして、営業や技術といった応募職種ごとに履歴書を振り分けて保存。採用担当者のアサインも行うという仕組みを構築した。
「振り分け業務を自動化することで人事部門の工数を削減するだけでなく、応募者がスマホを通じて撮影した自分の動画を添付することもできるようにしており、こうしたコンテンツも人材採用に生かしている」という。
さらに承認フローを利用して、外部とコンテンツを共有化した事例も紹介した。Box Relayとセキュリティ強化ツールのBox Shieldを連携させることで、外部の関係者に共有する前に承認を得るフローを構築し、公開可能な文書だけ外部からのアクセスを可能にする、といった活用を行っているという。
ここでは、取引先のA社は閲覧できるがB社は閲覧できないといった制御を行えるほか、コンテンツが別のところに移動してもアクセス制御を行えるなど、セキュリティ面でも強固な環境を実現しているとのこと。
また、Box Relayを利用した契約書にかかわるワークフローについてもデモンストレーションを行ってみせた。外部企業との契約書を担当者が確認し、法務部門が法令面での対応を確認。メタデータの適用や電子すかしの適用を行うほか、上長の承認には、DocuSignによる電子署名を行うといったように、他社のソリューションとも連携が可能。さらに、Box上で任意の保管期間を設定し、それによって保管と廃棄が行えるようにできるという。
「紙を使わず、契約書を処理し、保管できる。サードパーティ製品との連携や、コンテンツに対するセキュリティも強化できる。どのような環境下においても、コンテンツに関する仕事を支えることができる」などとした。