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サイバートラスト、RHEL 8.4クローンの最新Linux「MIRACLE LINUX 8.4」を無償提供

有償サポートを別途提供

 サイバートラスト株式会社は16日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 8.4をベースに開発され、CentOS 8とのバイナリ互換を維持している国産Linux OS「MIRACLE LINUX 8.4」を、10月4日より提供開始すると発表した。なお、従来は有償で提供していたOSライセンスを無償で公開するという。

 RHELの代表的なクローンとして、企業システムでも多くの用途で利用されているCentOSだが、開発元のCentOS Projectからは、CentOS 8を最後にRHELクローンのCentOS新版は提供されないことが2020年12月に発表されている。

 サイバートラストでは、CentOSを利用中の企業ユーザーに向けてシステムの運用継続を支援する方針のもと、延長サポートの提供やMIRACLE LINUX 8 Asianux Insideへの移行支援などを行うと発表してきたが、今回はMIRACLE LINUX 8.4をライセンスフリーとして公開し、安定して長期利用できるOSへの移行を支援するとした。

 無償公開するMIRACLE LINUX 8.4とCentOS 8からの移行ツールを利用することで、CentOS 8ユーザーは、OSのインストールし直しや最新版へのアップデートを行うことなく、MIRACLE LINUXへスムーズに移行できるとのこと。

 MIRACLE LINUX 8.4はRHEL 8.4クローンであることから、CentOS 8のソフトウェアの構成を含め、同等の運用を継続可能。また、希望する利用企業には有償サポートサービスを提供し、長期にわたるLinuxシステム環境の運用を支援するとしている。

 有償のサポートサービスについては、障害解析や技術問い合わせ対応、CentOSからMIRACLE LINUXへの移行に関するQA対応と日本語によるエラッタ情報サイトなどを提供する標準メニューを用意する。

 価格(税別)は、1台/2VMで1年:5万7000円、3年:11万7000円、5年:15万9000円。仮想基盤(1台)の場合は、1年:14万7000円、3年:34万5000円、5年:49万5000円、クラウド利用は個別見積もりとなる。

 さらに、CentOSベースで製品を開発する企業や、大規模システムでCentOSを利用する企業を対象に、アプライアンス製品向け個別メニューや、数千台規模で利用するLinuxサーバー全体の保守・サポート向け個別メニューも提供するとのことだ。