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パナソニック コネクト、図面/設計仕様の照合業務に独自開発の「Manufacturing AIエージェント」を利用開始

 パナソニック コネクト株式会社は19日、設計・開発部門における図面/設計仕様の照合業務を高度化するため、「ConnectAI」における業務AIの「Manufacturing AIエージェント」の社内展開を発表した。

 パナソニック コネクトは、AIとデータを活用した業務の最適化と事業競争力の強化のため、IT戦略の柱の一つとして、AI/Data基盤(コネクトコーパス)の構築を進めている。コネクトコーパスとは、社内のあらゆるデータを一元的に集約・活用するためのAI/Data基盤を指す。

 具体的には、売り上げや生産実績といった数値データ(構造化データ)に加え、これまでAIでの活用が困難であった図面、仕様書、議事録などの文書データ(非構造化データ)も対象としている。これらの多様なデータをコネクトコーパスに集約し、データ品質を向上させる戦略のもと、AIとデータを活用した業務の最適化と事業競争力の強化を目指し、業務プロセスの変革を推進している。

 今回のManufacturing AIエージェントは、このコネクトコーパスを具現化する取り組みの一つで、図面や設計仕様書といった非構造化データをAIで解析し、照合業務を支援することで、コネクトコーパスの具体的な活用事例となる。

 製造業の設計・開発プロセスでは、製品図面、部品図面、技術仕様書など、複数のドキュメントに記載された仕様が一致しているかを確認する照合業務が、製品の品質を担保する上で不可欠となる。

 しかし、従来、この業務は担当者による手作業と目視確認に依存し、膨大な工数がかかるだけでなく、確認漏れといった人為的ミスが発生するリスクを常に抱えていた。こうした確認漏れは、後工程での手戻り、製品回収、検査のやり直しといった事態を引き起こし、多大な経済的損失やブランド毀損のリスクを伴うため、経営上の重要な課題となっていた。特に、照合対象がPDF形式の図面というAIでの自動化が難しい非構造化データであったため、既存のソリューションでは解決できないという壁に直面していたという。

 この課題を解決するため、パナソニック コネクトはSnowflakeのデータクラウドプラットフォーム上で、照合業務を支援するAIアプリケーションとなるManufacturing AIエージェントを内製開発した。

 Manufacturing AIエージェントは、SnowflakeのAI機能である「Cortex AI」を活用し、複数のPDF図面からテキスト情報を自動で抽出することで、AIが製品図面と部品図面、あるいは技術仕様書との間で材質や仕上げなどの項目を自動で照合し、結果を一覧で表示する。これにより、担当者は複数のドキュメントを見比べる必要がなくなり、AIの支援のもとで、迅速かつ正確に確認作業を完了できる。

 Manufacturing AIにより、従来、目視確認により50分~340分かかっていた照合業務が、わずか10分に短縮(80~97%削減)され、さらに作業の標準化により、担当者による品質のばらつきも抑制できたという。

 パナソニック コネクトでは、コネクトコーパスの目指す展望は、単なるデータ集約にとどまらず、事業や地域、さらにはバリューチェーン全体といった多角的な視点からの分析を推進し、データに基づいた意思決定を可能にすることで、業務プロセス全体の変革と、より高い次元での事業競争力強化を実現していくことだと説明する。

 まずはパナソニック コネクトの事業における規格の照合業務と外装部品の照合業務から適用を開始し、今後は他の照合業務へも水平展開することで、設計・開発領域全体の生産性向上を目指すとしている。