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HPEがNetworking事業戦略を発表、Juniper統合後の国内組織体制やビジネス展開など説明
2026年2月20日 11:17
日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)は19日、同社最大の年次イベント「HPE Discover More AI東京 2026」において、HPE Networking事業戦略に関する説明会を開催した。説明会では、HPEがネットワーキング事業への投資を強化している背景や、Juniper Networksとの統合による事業強化ポイント、日本市場でのビジネス展開などについて解説した。
米HPE(Hewlett Packard Enterprise)は、昨年7月にJuniper Networksの統合を完了し、ネットワーキングソリューションの強化をさらに加速している。AIネイティブなネットワーキングソリューションによって、人・デバイス・エッジ・データセンター・クラウドを堅牢なセキュリティでつなぎ、データの保護と可視化を実現することで、顧客の運用負荷の大幅軽減や、迅速な展開・安定運用によるユーザー体験、運用体験の向上に寄与するべくネットワーキング事業を推進しているという。
説明会に登壇した米HPE エグゼクティブバイスプレジデント、プレジデント兼ゼネラルマネージャーのラミ・ラヒム氏は、「現在のITにおける重要な要素として、『AI』『ハイブリッドクラウド』『ネットワーキング』の3つが挙げられる。この中でも、AIとハイブリッドクラウドの展開に、なくてはならない要素がネットワーキングであり、HPEとJuniper Networksが統合したことには大きな意義があると考えている。これから迎えるAI時代は、過去のどの時代よりもネットワーキングの重要性が高くなるだろう」と指摘。
グローバルのHPE Networking事業戦略について、「従来のネットワーキングは、速度や帯域などパフォーマンスが重視されていたが、次世代のネットワーキングではそれだけでなく、人やAIエージェント、GPU、IoTなどネットワークにつながるすべてのものに最高のエクスペリエンスを提供することが求められる。そのためJuniper Networksと統合したHPE Networking事業では、“Self-Driving Network”をコンセプトに、人を介さず自己修復ができ、あらゆる接続に最適化できる自律型ネットワークの実現を目指す。これに向けて、『キャンパス&ブランチ』『ルーティング』『データセンター』『SASE&セキュリティ』の4つの領域で幅広いプロダクトを展開し、エンタープライズやサービスプロバイダーなど、市場のニーズに適したソリューションを提供していく。特に日本市場は、この戦略において非常に重要な市場であると位置付けている」と述べた。
続いて、HPE 執行役員 HPE Networking 事業統括本部長の本田昌和氏が登壇し、国内での戦略と取り組みについて説明した。「昨年11月にHPEとJuniper Networksの日本法人の企業統合が完了し、今年1月からは営業組織も一つに統合した。新たな体制では、サービスプロバイダー、エンタープライズ、パブリックセクター、コマーシャルの4つのセグメント別に組織を再編し、国内におけるHPE Networking事業を推進していく。特に、エンタープライズとパブリックセクターは、成長セグメントと位置付けている。また、すべてのセグメントにおいて、引き続きパートナーと連携して顧客へのアプローチを行い、パートナーのチャネルを通じてJuniper Networks製品の拡販を図る」との方針を示した。
具体的な施策としては、パブリックセクターのセグメントでは、教育DX推進(Next GIGA)への取り組みを強化し、HPE Networkingの幅広いネットワークソリューションを提案する。例えば、教育機関における1人1台の端末保護には「HPE Juniper Networking SRX」、ネットワーク運用の効率化には「HPE Aruba Central」や「HPE Mist」、校務DXゼロトラストの実現には「HPE Aruba Networking Unified SASE」、端末の積極的な活用に向けては、パートナーとの協業による「HPE Networking Solution」などを提供していく。
エンタープライズのセグメントでは、Networks for AIの取り組みとして、CyberAgentの導入事例を紹介。「CyberAgentでは、AIのGPU間のネットワーク接続にロスレス・高性能・低遅延な『QFX5240』スイッチを導入し、最先端の800GbEネットワークをいち早く構築した。これにより、GPU基盤を3倍に拡張するとともに、密度の向上で消費電力などトータルコストの大幅削減も実現した」という。今後は、データセンター内だけでなく、データセンター間をまたいでAIが学習・推論を行うネットワークニーズに向けてもビジネスを拡大していく考え。
もう一つ、エンタープライズでのAIによるミッションクリティカルなネットワーク構築の取り組みとして、ジャパネットホールディングスの事例を紹介。この取り組みでは、ジャパネットグループが運営する長崎スタジアムシティのネットワーク基盤として、AIネイティブネットワーク「Mist」を全面導入。サッカースタジアムを中心にアリーナ、ホテル、オフィス、商業施設からなる長崎スタジアムシティにおいて、移動中も途切れない高速ローミングを実現した。また、試合のある日は約2万人が集まるスタジアムで、多数の観客が同時に快適にWi-Fiを使える強固なインフラを構築。安定した通信環境でキャッシュレス決済や公式アプリなどの独自サービスを提供している。
サービスプロバイダーの取り組みでは、NTTグループとのテクノロジー協業について説明。「IOWN APNを活用した実証実験で、HPEのAI-Native Networkingソリューションを使用し、分散データセンター環境における高速データ転送を実現した。具体的には、NTTドコモビジネスの実証実験では、800G-ZRによるデータセンター間の長距離接続を世界で初めて成功。また、NTT西日本では、分散データセンター環境での次世代オートメーションの学習・推論実験に成功した。この成功事例を踏まえて、サービスプロバイダーとの協業展開を今後さらに拡大していく」と意欲を見せた。




