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パナソニック、性能などを向上させた「顔認証APIエンタープライズエディション」を提供

SaaSプラットフォームも用意

 パナソニック株式会社は4日、顔認証APIサービスを拡充すると発表した。「顔認証APIエンタープライズエディション」(以下、エンタープライズエディション)に加えて、「SaaSプラットフォーム」の提供を開始する。なおSaaSプラットフォームでは、需要の多い「点呼・勤怠」向けアプリケーションから提供を開始するという。

 パナソニックでは、2019年11月25日に顔認証APIサービス(顔認証APIスタンダードエディション、以下スタンダードエディション)を提供しているが、今回発表した「顔認証APIエンタープライズエディション」は、同サービスを機能強化したもの。

 まずエンジンの性能が向上しており、顔認証速度を同社従来比で最大10倍高速化した。これにより、1時間あたりの照合回数が10万回以上になるようなアプリにも対応可能になったという。また、マスク着用時の顔検出率を従来比で3.1倍、顔認証率を2.2倍向上させたとのことだ。

 また「スタンダードエディション」では、利用者の顔画像を保持したい場合に、その保管場所をパートナー企業が準備する必要があった。これに対してエンタープライズエディションでは、顔画像を個人情報の1つとして管理したいパートナー企業は、自社でサーバーやストレージを調達することなく、パナソニックのクラウドストレージに保存できるようになる。

 なおパートナー企業は、例えばAPIを通じて顔画像と住所、メールアドレス、氏名、年齢などの個人情報とひも付け、パナソニックのクラウド上で一元管理可能になるため、さまざまな用途に向けてアプリケーションをすばやく開発できるとしている。

 さらに「エンタープライズエディション」では、顔画像の登録時に、角度が悪かったり、向きが不適切だったり、まばたきをしているなどを検知して、その情報をAPIのレスポンスで返す「品質チェック」機能を実装した。

 パートナー企業がこの機能を利用して、アプリケーション側で顔画像の再登録をユーザーに促すなどの拡張機能を追加することで、登録画像を高品質に保てるようになるとのことだ。

 「エンタープライズエディション」は、登録人数料金+認証回数料金を月額サービス料金(以下、すべて税別)として支払う仕組みで、登録人数料金が8円/1人、認証回数料金が1円/回。別途、月額手数料が必要になる。

 一方のSaaSプラットフォームは、ニューノーマル時代に対応した顔認証サービスをクラウドで提供するもの。第1弾として提供される「点呼・勤怠」管理用アプリケーションでは、パートナー企業のさまざまなサービスに、顔認証を用いた「点呼・勤怠」サービスを容易に組み込み可能になる。

 加えて、アプリケーション開発パートナー向けに顔認証管理ポータルも提供する。このポータルを通じて、各ソフトウェアの登録、更新、削除、課金情報などを管理可能になり、APIを通じた開発の利便性を向上できる。

 このほか、顔照合用のハードウェアを提供するパートナー企業向けには、端末用の専用アプリケーションも用意するとした。

 価格例は、登録人数300人まで、照合回数上限1万8000回までの場合で月額3万円(税別)。

SaaSプラットフォーム構成
「点呼・勤怠」管理用SaaSプラットフォーム 利用イメージ(点呼利用の場合)