大河原克行のキーマンウォッチ

NEC・森田隆之社長に聞く、2025中期経営計画の達成に向けた“次の一手”

 「囲碁に例えれば、布石がほぼ終わり、中盤戦に差し掛かるところ。どこで戦うか、どこで攻めを起こすか、終盤に向けて、どこを補強していくかを考えている」――。

 2021年4月に社長に就任した日本電気株式会社(NEC)の森田隆之社長兼CEOは、NECのいまを、こう比喩する。2020年度は2年連続で最終利益の過去最高を更新する一方、新たに2025年度を最終年度とする「2025中期経営計画」を策定。そのなかで、デジタルガバメントおよびデジタルファイナンス市場において、「グローバルトップクラスのバーチカルSaaSベンダー」を目指すことを宣言した。

 森田社長兼CEOに、NECのこれまでといま、そして2025中期経営計画の狙いを聞いた。

NECの森田隆之社長兼CEO

NECにとって意味のある市場領域で、ナンバーワンのポジションを取ることが目標

――2025 中期経営計画では、フォーカスする事業領域として、「デジタルガバメント/デジタルファイナンス」、「グローバル5G」、そして、国内IT事業を“コアDX”としてを挙げました。特に、「デジタルガバメント/デジタルファイナンス」においては、「グローバルトップクラスのバーチカルSaaSベンダーを目指す」と宣言したことが印象的でした。ここでいうグローバルトップクラスとは何を指しますか。

 これは単に市場シェアとはとらえていませんし、また、スタティック(静的)なものではなく、時間とともに変化するものだと思っています。その変化に臨機応変に対応していくことが大切です。例えば、部品やハードウェアなどのビジネスであれば、グローバル市場に対してどれぐらいのシェアを持っているのかといったことが大切になります。

 しかし、デジタルガバメントは国ごとに独立した市場があり、その国のなかで、どれだけ採用してもらうかが重要になります。デジタルガバメントでは、英国、北欧、オーストラリア、シンガポール、台湾、そして日本が得意とする市場です。これらの市場に対して、買収した欧州3社(Northgate Public Services、KMD、Avaloq)のアセットと、NECが持つ生体認証技術やAI技術、セキュリティ、コミュニケーション、エンジニアリング力を組み合わせて、トップのポジションを獲得したいと考えています。

 行政のデジタル化のニーズは、グローバルに確実に広がっていますし、NECは、行政のデジタル化において、優位な要素技術を数多く持っています。リピータブルなプラットフォームによって、共通的に使えるものがあれば、コスト競争力にも差を出すことができます。デジタルガバメント/デジタルファイナンスにおいては、NECにとって意味のある市場領域をセグメントに設定して、そこでナンバーワンのポジションを取ることが目標になります。

――5G市場やコアDXについては、どう考えていますか。

 5Gは、市場そのものがオープン化していくことになります。ここでは、グローバルでOpen RANのリーディングベンダーのポジションを獲得することを目指します。日本とグローバルを分けて考えるのではなく、グローバル対応を前提に取り組んでいきます。

 NTTや楽天との協業による世界初の商用実績も、圧倒的なTCO性能と差別化技術によって、グローバルでのリーディングベンダーを獲得するための取り組みです。この実績をもとにして、アプリケーション領域を含む、エンドトゥエンドのケイパビリティをさらに強化することで、次のステップでは、軸足をソフトウェア、サービス事業へとシフトして、高収益事業に育てていきたいと考えています。

 また、コアDXについては、アビームコンサルティングが持つ国内5000人のコンサルティング力とNECのデリバリー力をつなげ、コンサル人材とDX人材を強化する一方、企業のDXに有効なNECの技術をプラットフォーム化し、リピータブルに活用できる環境を構築したり、ハイパースケーラーとのグローバル協業を強化したり、デジタル庁創設で加速する国や自治体のDX化や、スーパーシティによる都市構築、インフラ協調型モビリティなど、社会変革を後押しするフラッグシッププロジェクトにも積極的に関与していきます。

 ハイパースケーラーとの連携では、2020年11月に、米AWSと日本初となるコーポレートレベルの戦略的協業を締結したのに続き、先ごろ、米Microsoftとの戦略的パートナーシップを拡大することを発表しています。

普通の会社に戻れたという意味は?

――最近、森田社長兼CEOは、NECについて、「普通の会社に戻れた」と表現しています。これは、何を指して、「普通の会社」と言っているのですか。

 会社は生き物と同じです。その点から見ると、これまでのNECは生きることに精いっぱいの状況だったといえます。生きることに精いっぱいだと、そのために後向きの仕事の比重が高くなり、いまのビジネスを将来どうするのか、どう成長させるのか、どうやってより良い会社にしていくのか、そして、社会のなかでどういう存在になるのかといったことを考える時間が作れなくなります。

 いわば、健全な時間の使い方ができないことになる。NECは、しばらくの間、こうした状況のなかにありましたが、そこからは脱却したといえます。ただし、これは、自分や社内への戒めでもありますが、少し良くなると浮かれてしまったり、過去のことを忘れてしまったりして(笑)、足をすくわれてしまうことが起きやすい。NECは、ようやく、普通に物事を考えられる状況になったにすぎない。スタート時点に立ったにすぎない。そう思っています。

――過去の中期経営計画や通期業績見通しの未達が続いていましたが、2020年度業績は、過去最高の最終黒字を達成しました。その点でもNECの変化を感じますが。

 いや、まだまだです。私は、2018年にCFOに就任した際に、投資家に2020中期経営計画を説明したのですが、その途端に、投資家がその資料を投げ散らかして、これまでの中期経営計画の結果を指摘しながら、「どれひとつとして達成していない。どうして信用できるのか」と強い口調で言われたのです。われわれが発信する言葉の大切さ、信用してもらうことの大切さを痛感しました。

 では、なぜ計画を達成できなかったのか。社員は計画の達成に向けた意欲はある。だが、足りないものがある。それは、財務戦略と事業戦略の一体化が徹底されていないことでした。私は社内に対して、「高度な数式は解けるのに、なぜ、足し算、引き算の算数ができないのか」と言っています。

――それはどういう意味なのですか。

 財務や会計、そして、経営というのは、基本的には足し算、引き算の世界なのです。もちろん、掛け算ができた方がもっといいのですが(笑)。

 例えば、市場で勝つためには、どれだけの資金やリソースがいるのか、ということを的確に判断しなくてはなりません。自分たちが戦っている市場はどこなのかということを明確にし、仮に、私たちが日本だけで戦いたいと思っていても、相手がグローバルプレーヤーであれば、グローバルで戦うことも視野に入れなくてはなりません。そして、そのセグメントを構成する要素は何か、そのビジネスがどういったメカニズムで成り立つのかといったことも、しっかりと検証しなくてはいけません。

 NECは、リチウムイオン電池のビジネスに乗り出していた時期がありました。これも、さまざまな要素をとらえ、最も成功するシナリオをシミュレーションすると、ピーク時には累計で1兆円以上のマイナスキャッシュが必要になることがわかりました。そこから徐々に回復し、数年後にブレークイーブンになり、ようやくキャッシュがポジティブになるというシナリオです。しかし、NECの状況を考えると、リチウムイオン電池に対して、合理性を持って投資できる範囲は、累積2000億円のマイナスキャッシュまででした。これでは成功シナリオが成り立たず、競合にも負け、望むポジションを取ることができません。それが事業を売却した理由です。

 また、NECには優れた技術が数多くありますが、それだけを見ていると、あっちも勝てそうだ、こっちも勝てそうだ、あるいは、これもやりたいということになり、結果として全部をやってしまう。これがいままでのNECでした。

 ひとつの技術に対しては、年間500億円の投資が4年間続けて必要であり、もうひとつの技術には、年間1000億円の投資が、より長期間に渡って継続的に行う必要であるといった場合に、いまのNECは、どこまでならば耐えられるのか、ライフサイクルをもとに、いつ、どれぐらいのリターンを得られるのか、この技術はどんなソリューションと組み合わせられるのか、NECの企業価値を上げられる仕組みが作れるのかということを考えないといけません。リソースと時間には限界がありますから、これはやるが、こっちはやめようということを決めなくてはならないのです。やる気や意欲だけがあっても駄目です。そこは、しっかりと算数を行うことが必要です。

 新たに策定した「2025中期経営計画」については、財務戦略と事業戦略の一体化を打ち出しました。これを徹底することが、いまのNECにとって大切なことです。

 NECの強みは、効率がいいR&Dと、日本で長年に渡って、社会インフラやネットワーク基盤を支えてきたクオリティの高い実装力だといえます。この強みを価値に転換するために、自社の強い技術を共通基盤として整備するとともに、M&Aなどにより、適宜、外部補完することで、グローバルと日本で高い収益力とキャッシュ創出力を実現することを目指します。

会計伝票の処理経験はなくとも、読めるし判断できるのが強み

――森田社長兼CEOは、NECとしては、22年ぶりの文系出身社長であり、財務部門の経験者からの社長就任は初めてです。文系出身、財務部門出身ならではの視点のように感じます。

 いや、大学で数年間勉強しただけで、文系とか、理系とかは関係ないですよ(笑)。私はソフトウェアのコードを書くこともできましたし、ネットワークの技術的なことも理解しています。そもそも技術を理解することと、研究開発に携わるのとは別の話であり、技術的な理解については、ハンディキャップを感じたことはありません。

 また財務部門と言っても、私は2018年にCFOに就く前は海外事業などを担当していましたから、会計の伝票は処理したことはありません。ただ、海外事業をはじめとして、M&Aの経験が多く、財務や経営に関することは実戦を通じて理解しています。その経験が生きているといえます。

 M&Aは、あらゆることを短期間で進めなくてはなりません。デューデリジェンスについても、売る場合には、相手から指摘されたことに対して、その健全性などをしっかりと説明しなくてはなりませんし、買う場合には、極論すれば不正会計がないのかということまで含めて、短期間に財務状態の本質を見抜く力が必要です。また、仮に工場を譲渡した際にも、それをいくらで売ったかではなく、その後のサプライ契約はどうなるのか、知財をどうするか、価値をどう計るのかといったところまで見なくてはなりません。

 CFOに就任する前から、コーポレートファイナンスの経験を、OJTで学び、倒産した会社の処理や、破たんしそうな会社もいっぱい見てきました。会計伝票の処理はしたことはありませんが、読めるし、判断ができるのが私の強みです。

低収益性の改善を徹底していく

――2025中期経営計画のなかでは、成長事業以外で構成するベース事業において、収益性の改善に軸足を置き、計画未達の場合にはエグジット戦略も検討することを明言しました。この判断となる基準値は何になりますか。

 ベース事業の低収益性の改善については、担当する役員をアサインし、低収益事業ごとにターンアラウンド計画を策定しました。今後、進捗モニタリングを行い、最長5年間の期間を決めて判断をします。このときに目安になるのが、営業利益率5%だと思っています。ただ、5%のなかには本社費用が入っていません。これに1.5%~2%弱を上乗せしますから、持続的に7%の利益率をあげられるようするのが、最低ラインとなります。

 現時点で、低収益事業としてみなされたすべての事業部門から、改善計画が提出され、その姿の実現に向けて、どうするのかといったことが、定量的、定性的に示されています。定期的にチェックをし、その時点で計画が順調にいっていればいいのですが、駄目であれば、実現に向けた方法を、タブーといえる領域を持たずに考えます。他社やほかの事業と一緒になるという選択肢もありますし、その際には、オーナーシップを取ることにもこだわりません。目的は事業そのものが良くなるということです。そして、5年をかけても、どうしても駄目なものであれば、それはたたむしかありません。

――M&Aを多く経験してきた森田社長兼CEOから見ると、改善計画に甘さを感じるものはありますか。

 正直なところ、いくつかあります。ただ、私は予想屋ではありませんし、いざとなったときには、知恵と工夫が出てくるものです。頭ごなしに「これはできないよ」と否定はしません。やってみないと納得感がありませんし、自らがコミットして5年間でやってもらう。5年という期間があったら、もう言い訳はききません。5年という期間と、その方向は問わないというなかで取り組んでいくことになります。

“言ったもの勝ち”にならなくてはいけない

――ここ数年は、NECの課題は「実行力不足」であるとしてきましたが、それは解消されましたか。

 まだ途上だと感じています。ただ、少しずつ変わってきた手応えは感じています。2020中期経営計画は、過達していますから、その点でも実行力はついてきたといえますね。もちろん、アセットの売却などのプラス要素があり、事業だけをとらえると、数字は足りなかった部分はあります。

 しかし、調整後営業利益では計画に対して100億円以上の過達、最終利益では2年連続で史上最高益を達成している。増配もした。2020中期経営計画は達成したといってもいいと思います。その点では、もう投資家に中期経営計画のペーパーを投げられないですみますね(笑)。

 私は知らなかったのですが、NECには「言ったもの負け」という言葉があるという話を社内から聞きました。問題を指摘したり、改善策を提案したりすると、「それならば、お前がやれ」という話になることが多いという。何が勝ちか、負けかはわかりませんが(笑)、やはり「言ったもの勝ち」にならなくてはいけないと思うのです。

 私自身のやりかたも、言って、それをやってきたわけで、むしろ、それこそがNECのいいところではないかと思っています。

 dotDataの設立や、創薬事業の立ち上げ、NEC Xが取り組んでいる新事業の創出も、言ってやっていることであり、実行力がついてきた証しだといえます。

 「言ったもの負け」という言葉は、なんらかの評価を期待しているから、そういう話になる。お天道様(おてんとさま)は見ていればいいという発想になれば(笑)、誰かに評価されることを考えなくてすみますから、スピードも加速し、行為も積極化します。

 勝ち負けを考えずに、言ったことをやるということが増えてくると、NECはもっと変われると思っています。言ったことをやっている人がキラキラと輝くことが増えれば、もっと楽しい会社になり、さらに、実行力がついていくことになるでしょう。言葉を言っているだけでは駄目で、行為を積み重なることが大切であり、そうしたことができる会社にしたいですね。

パーパスのもとで“文化”を重視する狙い

――2025中期経営計画の発表では、その基本にパーパスを置いていることや、パーパスのもとで、「戦略」と同列に「文化」を置くという姿勢を示しました。NECの過去の中期経営計画のなかに、ここまで「文化」を重視した例はこれまでにありませんでした。この狙いは何でしょうか。

 投資家と話をしているときに、「NECは、何のために存在しているんだ」と言われます。極端な話、「富士通、日立があれば、NECはいらないのではないか」とさえ言われます。それではいけません。「NECはなぜ世の中に必要なのか」ということに対する答えを、私たちがしっかりと持たなくてはなりません。

 私たちが掲げたパーパスは、「NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」というものです。これこそがNECの存在意義です。これによって、自分たちの方向性がぶれなくなり、働く社員にとっても、何のために存在し、何のためにここにいるのか、そして、働く意味も生まれます。

 この言葉に至る検討のプロセスは、2012年にスタートし、その策定には、最初から私も関わっていました。

 パーパスがすべてのスタートであるというのが、2025中期経営計画で最も大事にしていることであり、パーパス経営の実現に向けて戦略と文化を一体にとらえていきます。

 戦略については、財務戦略と事業戦略の一体化ということを打ち出しています。これについては、これまでお話したように、私の体験からも重要な要素であることを強く理解した上で決めました。短期利益の最適化と長期利益の最大化による適切な資本配分によって、成長と企業価値の向上を実現するという姿勢の重要性は、ずっと感じていたことでした。

 しかし、文化という点でいうと、これが本当に「欠くべからざるものである」と痛切に感じたのは、社長に指名されたころでした。

 社長は何をするのか、また、何をしていくべきか、ということを考えたときに、人や文化のとらえ方、パーパスの策定は、社長以外にはできない部分だと感じました。そして、財務戦略と事業戦略の一体化、短期利益の最適化と長期利益の最大化、パーパスの実現を考えた場合に、不可欠なのは人であり、それが企業の競争力の源泉になります。社員がコミットしてくれないとパーパスは達成できません。パーパスが絵に描いた餅になってしまう。ですから、両輪として、戦略と文化が必要なのです。文化の醸成は極めて重要であり、そこに社長が果たす役割が大きいと考えました。

 もしかしたら、NECの問題はここにあったのかもしれません。パーパス経営の実現には、高いモチベーションを持つ社員の存在が必須です。外部人材の採用も加速させていますが、そうしたことを含めて、社員から選ばれる会社への変革を目指していきます。

――もうひとつ、「未来の共感を創る」という表現をしています。これまでにない表現ですが、これはどういうことを指していますか。

 パーパスのなかに、NECは、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造する」会社であることを盛り込んでいます。これを実現するためには、社員を含む多くの人や組織、あるいは社会と共創することが必要です。では、NECと一緒に共創すると、どんないいことがあるのか、NECはどういう世界を目指しているのか。共創してもらうには、NECが目指す未来に対して共感してもらわなくてはなりません。もし、NECの未来に共感できないのであれば、NECの顔認証技術がいくら優れていても、NECには任せたくないということになるでしょう。

 しかし、NECが描いている未来に共感ができれば、そこに参加してくれる人や組織、社会が増え、一緒にやる機会も増加します。個人にとっても、未来の実現を目指している会社のなかや、外からでも連携によって力を発揮すれば、個人の自己実現にもつながります。NECが描いている未来は何か、ということを提示し、それを発信し、そこに共感を得てもらうことが大事です。

 特に、NECが行っている社会価値創造という領域においては、「未来の共感」こそが、重要だといえます。積極的に将来ビジョンを社会に発信し、未来の共感を創ることがNECの責務であり、それによって新たな価値創造に貢献できると思っています。

どこで攻めを起こすか、そして、終盤に向けてどこを補強していくか

――ところで、NECの将棋部部長は続けているのですか。

 そのまま続けていますが、そっちの仕事はまったくしていません(笑)

――いまのNECの状況を、将棋に例えるとどんな局面でしょうか(笑)

 うーん、考えたこともなかったですが(笑)、経営は、どちらかというと、将棋よりも囲碁に例えた方がいいかもしれませんね。

――囲碁もやられるのですね。

 打てることは打てる、という程度です。

――あらためて、囲碁の局面に例えると?

 まだ布石をしなくてはならない部分もありますが、ほぼ布石は終わったという感じでしょうか。局面としては、中盤戦に差し掛かろうとしているところです。どこで戦うか、どこで攻めを起こすか、そして、終盤に向けてどこを補強していくか、といったことを考える場面です。囲碁は1回に一手しか打てませんから、それと同じように、限られた時間とリソースを、どこに効果的に展開していくかが、これから重要ですね。