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Denodo、生成AIで高度な分析を可能にする新機能「Denodo DeepQuery」を発表

 Denodo Technologies株式会社(以下、Denodo)は8日、生成AIが事実の検索を超え、調査、統合、およびその推論の説明といったより深い分析が可能になる新機能「Denodo DeepQuery」の提供開始を発表した。現在は、プライベートプレビュー版として利用可能で、まもなく一般提供が開始される予定。

 DeepQueryは、複雑かつオープンエンドなビジネス上課題に対処するために設計されており、システム、部門、データ形式を超えて、管理された幅広い企業データへライブアクセスすることでその力を発揮する。従来の生成AIソリューションが、既存のコンテンツの言い換えにとどまるのに対し、DeepQueryは、高度なリサーチ機能として、多角的で複雑な質問を分析し、複数のシステムやソースを検索して、リアルタイムの情報に根ざした構造的かつ説明可能な答えを導き出す。

 さらに、ユーザーが複雑な現状や事象をより深く理解できるように、DeepQueryは外部データソースも活用して、企業データを公開情報や外部アプリケーション、取引先のデータなどを使用して拡張および強化する。

 DeepQueryは、従来の生成AIチャットやRAG(検索拡張生成)では実現できなかった領域に踏み込み、通常であればアナリストが数日を要するような、複雑で部門横断的な質問、例えば「前四半期に資金流出が急増した理由は?」や「地域別の顧客維持率の変化を引き起こしている要因は?」といった質問を、ユーザーが投げかけることを可能にする。レポートやデータを手作業でつなぎ合わせるのではなく、複数のシステム間で管理されたライブデータに接続し、専門家レベルの推論を適用して、数分で明確で構造的な回答を導き出す。

 Denodoでは、DeepQueryは当初、事前構築されたAPIを使用してAIアプリケーション開発を効率化するDenodo AI SDKに組み込まれ、パッケージ化する予定だったが、現在はDenodo Platformの拡張可能なコンポーネントとして開発を進めていると説明。これにより、開発者やAIチームは、独自のエージェント、コパイロット、または特定領域向けのアプリケーションに高度なリサーチ機能を組み込み、実験、開発、統合することが可能になるとしている。

また、Denodoは、Denodo AI SDKの一部として、Model Context Protocol(MCP)への対応も発表した。これにより、Denodo AI SDKを基盤とするすべてのAIエージェントやアプリケーションは、MCP準拠の任意のクライアントと統合でき、オープンスタンダードに基づくエージェント型AIエコシステムに対して、信頼性の高いデータ基盤を顧客に提供することが可能になるとしている。