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NEC、AIエージェントの活用促進に向け生成AI「cotomi」を強化

 日本電気株式会社(以下、NEC)は8日、生成AI「cotomi(コトミ)」の性能を強化したと発表した。高速性と高い推論能力を維持しつつ、エージェント性能の向上やコンテキスト長の拡大を実現したという。また、AIエージェントのプロトコル「MCP(Model Context Protocol)」仕様に準拠させることで、さまざまなAIや外部サービスとの連携を強化するとしている。

 今回のcotomiの強化では、問題解決の過程に着目した学習を強化して推論性能を高めた結果、タスクプランニングやタスク遂行における適切なツール選択能力が強化され、Agentic AIのタスク処理能力および処理速度が向上した。また、タスクを適切な粒度で分解し、最適なツールを選択できるようにすることで、出力内容の誤りが減少し、回答品質と速度の両面でいっそうの向上を実現したとのこと。

 さらに、最大コンテキスト長(入出力トークン長)を128Kへと拡大したことで、日本語で20万文字を超える長文にも対応可能となり、AIエージェントに対して複雑な業務指示や複数の制約条件を同時に伝えられるようになった。NECでは、より的確かつ柔軟な業務対応が可能となり、幅広い領域でAgentic AIの活用が可能になったと、その効果を説明している。

 加えて、AIエージェントによる業務自動化に必要な、さまざまなAIや外部サービスとの連携を実現するためのMCP仕様に準拠したことにより、企業内で利用されているサービス群との連携が容易になるという。

今後のAIエージェント活用においては、このようなエコシステムへの対応が重要になるとのことで、MCPを活用した外部サービス連携強化の一環として、Boxが提供するBox MCPサーバーのベータプログラムに国内ISVパートナーとして初めて参画するなど、他社との取り組みを推進していると、NECはアピールしている。