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電通とSnowflake、セキュアな企業間データ連携を実現する基盤「Tobiras Shared Garden」を提供

 株式会社電通とSnowflake合同会社は8日、顧客が保有する1st Partyデータの企業間連携、およびクラウド基盤構築に関する戦略的パートナーシップに関して合意したと発表した。これに伴い両社は、企業グループ内・他企業間のデータ連携を促進し、マーケティングROI(mROI)の最大化を支援するプラットフォーム「Tobiras Shared Garden(TSG)」を、同日より提供を開始する。

 近年、1st Partyデータの取得範囲と深度が拡大する中、企業にはこれらのデータを利活用することによるmROIの向上が期待されているものの、プライバシーポリシーに基づく同意範囲の管理や、システムの安全性確保といった課題により、企業グループ内であってもデータ連携が難しいケースが多く見られるとのこと。

 特に、複数のデータソースを活用する際には、それぞれ異なるプライバシーポリシーに対応する必要があり、それぞれのデータソースから提供される個人データの同意範囲を適切に管理するには多大な労力を要する。また、一度データを送付すると、送付先のデータを更新できないうえ、無断コピーや目的外利用を防ぐ手段も限られていることがデータ連携上の障壁となっているという。

 今回提供される「TSG」は、既存のシステム環境に依存せず、マルチクラウド(クラウドフリー)で柔軟かつ安全なデータ連携を実現するプラットフォームで、電通が年間1000件以上(累積3000件以上)運用してきたデータクリーンルームの知見を生かして設計されており、こうした課題を解決するための3つの機能を備えているとした。

 1つ目は、連携データに関連する複数のプライバシーポリシーを読み込み、同意内容と一致する表現を抽出・リスト化して、プライバシーポリシーの確認を支援する「Consent Matching Support AI」。2つ目は、データ連携における安全管理措置を支援し、基本クエリを用意することで、非エンジニアでも分析を可能にする「Interoperable DCR」。また3つ目は、分析結果に基づき、目的に応じた広告やCRMの施策実施を支援する機能「Intelligent Activation」である。

 これらの機能を生かすことで、利用企業は、企業グループ内・他企業間や、電通がアライアンスを構築したデータホルダー、プラットフォーム企業とのデータ連携が可能になるとのこと。

 加えて、Snowflakeのマルチクラウド対応のプラットフォーム上に構築されているので、企業は自社環境内で効率よく安全に1st Partyデータを管理・連携・分析でき、広告施策やCRM(顧客関係管理)の効率化を実現するとした。

 なお料金体系は「固定費+従量課金制」を採用しているため、初期コストを抑えたスモールスタートにも対応するとしている。