大河原克行のキーマンウォッチ

SIerとともにGoogleの最新技術を日本企業へ――、平手智行代表が目指すグーグル・クラウドの姿を聞く

「パートナーとして安心してつき合える会社になった」と言われたい

――2020年は、グーグル・クラウド・ジャパンにとって、どんな1年になりますか。

 グーグル・クラウド・ジャパンにとって、2020年は大切な1年になります。新たなテクノロジーを価値として提供する体制は、一朝一夕にはできあがりません。しかし、それを実現する上で、社内の人員とスキルの大幅な拡張、パートナーとのエコシステムの構築を進めていきます。

 そして、これは大きな絵を描くというレベルの話ではなく、具体的なレベルの話として進めていきます。インダストリー別体制やソリューション別体制を作り上げ、すべての法人のお客さまから、「パートナーとして、安心してつき合える会社になった」といってもらえるようにしたいですね。

 DXのどの段階にいるのかは、お客さまごとに大きく異なります。かなり進んでいるお客さまもいれば、これからというお客さまもいます。いま、お客さまがどこにいて、どこからどこに変革を進めようとしているのかをしっかりととらえて、成熟度にあわせて、そこに最適な製品やソリューションをご提案したいと思っています。また、グローバルでは、かなり進んでいるお客さまの事例もあり、こうした実績もご紹介できます。

 これだけの優れた技術を持っているGoogleですが、発明した技術をイノベーションに変えてこそ、初めてエンドユーザーに使ってもらえるようになります。それをしっかりとやりたい。それによって日本のお客さまの競争力を高めたいと思っています。

 日本中のパートナーの力を借りて、日本のお客さまのデジタル変革を支援する。「がんばれ日本!」をデジタルの力を実現する。これが私の役目です。そして、それを一緒にやれる仲間が日本中にいます。地球規模でサービスを提供できるテクノロジーを持っているGoogleと、日本のお客さまのために努力しているパートナーが一緒になれば、イノベーティブな化学反応を起こせると思っています。

 Google1社だけではできないことがたくさんありますが、私は、一緒にやれば、日本の企業を元気にできる人たちを知っています。これまでにも、お客さまの役に立つために、パートナーの力を借りてきました。グーグル・クラウド・ジャパンでも、また、パートナーの力を借りたいと思っています。

――ちなみに、グーグルは、六本木ヒルズから渋谷ストリームに本社を移転しましたが、グーグル・クラウド・ジャパンはどうなりますか。

 渋谷には行きません。六本木ヒルズに残ります。その理由は、これから陣容を大幅に拡張するからです。グーグル・クラウドの拡張に向けて、すでに場所を確保できているということもできます。デルのときには、陣容を3倍にしましたが、それとは比べものにならない拡張をしていきます。これにより、日本でのビジネスを加速させていきます。ぜひ、グーグル・クラウド・ジャパンに注目をしていてください。