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グーグル・クラウド・ジャパンが事業戦略説明会、日本-カナダ間の海底ケーブルの計画も発表

 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社は6日、事業戦略説明会を開催した。その中で同社代表の平手智行氏は、日本とカナダを結ぶ海底ケーブル「Topaz」の建設を開始することを発表した。

 Topazは、カナダのバンクーバーから日本の三重県および茨城県までをつなぐ光ファイバーケーブルで、2023年に開通する予定。これにより、Googleのさまざまなサービスへのアクセスが高速化されるほか、両国のネットワーク事業者への伝送容量も拡大することになる。ケーブルの建設はGoogleが主導し、日本とカナダ両国のさまざまなパートナーと共に海底ケーブルシステム全体を構築する。

海底ケーブルTopazの建設を発表

 2022年度の同社の方向性について平手氏は、「データとAIの民主化で顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を支援するとともに、SDGsの推進も加速すること」「パートナー企業との協力を拡大すること」「デベロッパー、スタートアップへの支援を継続すること」を挙げている。新たな海底ケーブルの建設というインフラへの投資は、クラウドの信頼性を高め、DXの加速に結びつけることを視野に入れたものだ。

 事業戦略の中で平手氏は、同社のサステナビリティへの取り組みについても言及。「この分野は今後の企業価値や成長に直結するもので、企業経営にとっての最重要課題だ」と述べ、「Google Cloudでは2007年にカーボンニュートラルをすでに達成しており、2030年までにカーボンフリーを実現すると発表している。顧客が二酸化炭素の排出量を測定し、追跡、報告できるツール、Carbon Footprintも用意している」とした。

グーグル・クラウド・ジャパン 代表 平手智行氏
サステナビリティへの取り組み

パートナー施策の強化

 パートナーについては、「SIパートナー、ISVパートナー、リセールパートナーそれぞれに対する施策を強化する」と、グーグル・クラウド・ジャパン 上級執行役員 パートナー事業本部の石積尚幸氏が説明した。

 SIパートナーに対しては、「教育やPoCの支援と、エンジニアリングリソースの提供や費用の一部負担とを組み合わせて提供する。また、業界特化型ソリューションのパッケージを用意し、SIを通じて提供してもらう予定だ」(石積氏)としている。

 ISVパートナーに対しては、Marketplaceを介したパートナーサービスの販売を推進しているが、日本では登録しているISVの数がまだ約10社と少ないことから、「今年はより多くのISVに登録してもらうよう計画中だ」という。

 リセールパートナーに対しては、「魅力的なインセンティブプログラムを継続して検討する」と石積氏。また、今年からはリセールパートナーがMarketplaceの仕組みを利用して製品を顧客に届けられるようになったことから、「パートナーが売買契約を結んでいない製品でも、Marketplace経由でリセールできることになる。新たな商材やソリューションを顧客に届ける際に活用してもらいたい」としている。

SIパートナーへの施策
ISVパートナーへの施策
リセールパートナーへの施策

スタートアップとデベロッパーも支援

 スタートアップの支援策としては、すでにGoogle for Startupsクラウドプログラムとして、シリーズAラウンドまでの投資家支援を受けているスタートアップ企業を対象にサポートしてきた内容を強化する。

 これまでの内容は、1年目にGoogle Cloudの利用料を最大10万ドルまで免除するというものだったが、「今年から2年目もサポートし、利用料の20%分までをクレジットとして付与する」(平手氏)という。

 デベロッパーおよびエンジニア向けには、Google Cloud Innovatorsというメンバーシッププログラムを開始した。今年から、メンバー限定の特典やコミュニティイベントを提供開始するという。

 このほかにも平手氏は、「スキルアップを支援するCloud Learnや、16の新しいラーニングパスにそって700以上のハンズオンラボや学習コースなどにアクセスできるCloud Skills Boostも好評で、業種や職種別の個社別トレーニングプログラムも定期的に開催している」と述べ、さまざまなプログラムで開発者への支援を継続する考えを示した。

スタートアップの支援について
開発者向けの新プログラム