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日本オラクル、「Oracle Cloud」の東京リージョンを開設

 日本オラクル株式会社は8日、パブリッククラウド「Oracle Cloud」の次世代サービス「Generation 2 Cloud(以下、Gen 2 Cloud)」を提供するデータセンターとして、東京リージョンを開設したと発表した。また、今後6カ月以内に大阪リージョンも開設予定であることも合わせて発表した。

 Gen 2 Cloudは、基幹システムの利用を前提として新たなアーキテクチャで構築されたパブリッククラウド「Oracle Cloud Infrastructure」を基盤とした、次世代クラウドサービス。オラクルでは、2018年10月にGen 2 Cloudに対応するデータセンターを世界全体で20に拡張する計画を発表しており、この一環として東京リージョンの開設と大阪リージョンの開設予定を発表した。

日本オラクル取締役社長兼最高経営責任者のフランク・オーバーマイヤー氏

 日本オラクル取締役社長兼最高経営責任者のフランク・オーバーマイヤー氏は、「多くの企業はOracle上で重要なデータを扱っており、そうしたデータの安全なクラウドへの移行を進めていくことが重要だ。一方で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)などのイノベーション領域におけるクラウド活用も、Gen 2 Cloudの提供によって進めていく」と説明。また、東京と大阪リージョンの開設により、日本においてもDRサイトを構築できるようにしていくとした。

日本オラクル執行役員クラウドプラットフォーム戦略統括の竹爪慎治氏

 執行役員クラウドプラットフォーム戦略統括の竹爪慎治氏は、東京リージョン開設における日本のクラウド市場と戦略について、「1つ目はエンタープライズ。基幹システムのクラウド移行はまだ道半ばであり、Gen 2 Cloudによりセキュリティとパフォーマンス、さらに柔軟な拡張性を基幹システムにも提供していく」と説明。「2つ目はイノベーション。DX成功の鍵はクラウドでの迅速なデータ活用にあり、アジリティに使いやすさを加えたデータベースを提供していく」と語った。

東京リージョン開設における日本のクラウド市場と戦略

 また、Gen 2 Cloudではオーバーサブスクリプションなしの高性能なネットワークを提供するとともに、ExadataやReal Application Clusters(RAC)といった、データベースの性能と信頼性のためのオプションを完全に利用可能なインフラを提供。WAFやDNSなどのエッジセキュリティも提供。これらにより、これまでクラウドに移行できなかった、基幹に近いアプリケーションの移行にも対応するとした。

 さらに、Gen 2 Cloudでは、データベースの運用管理やチューニングを自律型で実行できる「Oracle Autonomous Database」も提供。データベースの構築・管理に対する高度な自動化を実現することで、迅速な導入やコストの削減といった効果とともに、これまでそれらの運用に要してきた時間をより付加価値の高いイノベーションに使うことが可能になるとした。

Oracle Gen 2 Cloudの概要
自律型データベース「Oracle Autonomous Database」を提供