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「獺祭」を手掛ける旭酒造、Oracle Cloud Infrastructureを採用
BCP対策に加え、グローバル市場拡大に向けた販売管理システム基盤の強化で利用
2019年7月24日 12:22
日本オラクル株式会社は24日、山口県岩国市の酒造会社である旭酒造株式会社が、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用したと発表した。旭酒造では、「獺祭」をはじめとする日本酒販売の事業継続計画(BCP)、およびグローバル市場拡大に向けた販売管理システム基盤強化にOCIを利用しているという。
データを活用した酒造りを行っている旭酒造では、製造や販売に関する全データをオンプレミスで管理していたが、2018年7月に発生した西日本豪雨によって、本社および酒蔵に浸水と停電による被害を受けた。
それらのシステムが稼働するサーバールームは本社上層階にあり、浸水被害は免れたものの、同社では、自然災害などに起因する物理的なシステムへの影響を考慮。BCPの一環として、日本国内および海外の取扱酒量販店や飲食店が利用する販売管理システムの、パブリッククラウドへの移行をまず検討し始めたという。
また同時に、「獺祭」のグローバル市場のさらなる拡大や、米国内に建設した酒蔵での日本酒製造をはじめとする、米国での事業拡大など、同社のグローバル事業の拡大に柔軟に対応する基盤としても、パブリッククラウドの有効性を検討したとのこと。
こうした中で、複数のクラウドサービスを比較検討した結果、可用性に対するSLAだけではなく、可用性、性能、管理という3つの基準を持ったSLAの提供に裏付けられた信頼性、今後の事業拡大にも柔軟かつ安定した性能を提供できる拡張性を評価して、OCIの採用を決めたとした。
また、主要クラウドサービス単体価格での優位性のみならず、データ転送料やサポート費など、IaaSに関連する隠れたコストがなく、日本、米国を含めた世界のリージョンにおいて同一価格で利用できるなど、今後のビジネスの成長やグローバル展開する際にも予測可能なコストで利用していける点も評価している。