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Sansanが法人ビジネス拡大へ、“名刺管理”から企業のプラットフォームへの拡張を図る

 Sansan株式会社は13日、法人向けビジネス拡大に向け、法人向けの名刺管理サービス「Sansan」の最新状況を解説する説明会を開催した。

 名刺管理機能「AI名刺管理」、同僚との連携を強化する「同僚コラボレーション」、名刺データを社内の顧客データなどと連携する「顧客データHub」の各機能を提供。名刺管理にとどまらない、企業がビジネスとなるためのプラットフォームとして活用を推進する。

 これにより、スタート時点では営業担当者が中心だった顧客層を、全職種にまで拡大して、より広く利用してもらえるサービスを目指すとした。

単なる名刺管理サービスではなく、企業のプラットフォームとして活用を推進できるようにしていくという

 なお、新たな展開を図るにあたって社内体制も強化する。営業部門については現在80人の体制から、2020年には230人まで拡大。大手企業に加え、地方の中堅企業などにもユーザーを広げていく。また開発体制についても強化を行い、技術の方向を決めるCTO室、プロダクトの質を上げるCPO室を設け、プロダクト開発のスピードアップを進める。

ビジネスが始まらない3つの理由を解消

 3月13日に行われた記者向けの発表会では、俳優・松重豊さん演じる会社員の「それ、早く言ってよ~」の台詞で有名になった自社CMをもじりながら、企業のビジネスが始まらない原因を紹介。それぞれを解消するための機能を説明した。

ビジネスが始まらない理由を、3つの機能で解消するとした

 CMでは、自社が狙っている企業のキーマンと面識がある同僚が社内にいるにもかかわらず、その情報が社内で共有されていなかったが、これについてはAI名刺管理で対応。精度99.9%のAI名刺管理機能により、出会った人の名刺を正確にデータ化し、社内で共有する。

 「高度なAI技術によって名刺を人物単位で管理し、その人物が異動しても1人の人間として管理する。さらに、異動の情報や最新ニュース、社内議事録やメモなどの情報を共有していく。また2018年の発表会では、スマートフォンを使ってオフィス内だけでなく外出先でも活用できる環境を提供するが、個人情報などをセキュアに管理していけると紹介した。すでに、当社のサービスはメガバンクでも採用されており、セキュリティが高いものであることが裏付けられたと感じている」(Sansan 執行役員 CPO プロダクト開発部長の大津裕史氏)。

Sansan 執行役員 CPO プロダクト開発部長の大津裕史氏
名刺を人物単位で管理する

 2つ目の同僚コラボレーションでは、CMで部下を演じる満島真之介さんが、後から「僕、面識がありまして」と言い出してくる場面を挙げ、「社内コミュニケーションがうまく取れていない状況で、同僚を頼ることができていないことが問題点だ」と指摘。それを解消するために、メッセージ機能に加えて社内電話帳機能を新たに提供し、社内外どこでもスムーズに連絡を取ることができる環境を整備するという。

 また、欲しい情報があっても、誰がその情報を知っているのかがわからないケースが多いことから、社員の強みを可視化する。こうして可視化された情報をもとに、部署をまたいだ同僚コラボレーションが可能となると説明した。

 「知りたい情報に行き着くため、誰が、どんな情報に強いのかを可視化して、これまでのように同じ部署の上司だけでなく、部署をまたいだコラボレーションを実現する」(大津氏)。

従来のメッセージ機能に加え、社内電話帳機能を提供
同僚の強みも可視化する

 最後の顧客データHubは、CMで社長役の俳優・岩松了さんが、ターゲットとなる企業のキーマンからゴルフボールをプレゼントされているにもかかわらず、その重要性に気付かず、松重豊さんがボールを見て、「社長、このボールは!」と驚く場面を挙げた。

 こうした、ビジネスにつながる出会いがあったにもかかわらず、その重要性に気がついていないという問題を解消するために顧客データHubを利用する。

 名刺データだけでなく、SFAやCRM、ERP、MA(マーケティングオートメーション)など、社内にはさまざまなデータベースが存在しているものの、データが連係されないままになっている状況が多い。顧客データHubは文字通り、これらのデータのハブとして機能することを目指したものだ。

 異なるデータベースでは同一人物が別々に登録されていることもあるが、それぞれを名寄せし、Sansanの画面上で一元管理する。なお、企業情報については帝国データバンクの情報をもとにしている。

 「さまざまなシステムとは、当社が実施しているSansanオープンAPIなどを利用して連携していく」(大津氏)。

顧客データHubで社内のデータを統合
サービスをまたいでも名寄せの心配がない

 このほか、4月をめどに、社内で利用しやすいように画面デザインも白を基調としたものにリニューアルしていくことも計画しているとした。

 こうした取り組みによって、現在6000社を超える登録企業数を、2020年には1万社まで拡大することを目指す。事業展開も、日本に加え、オフィスを置いたシンガポールを拠点にアジア各国に拡大していく。

新デザインへのリニューアルを予定