NEC、顔認証AIエンジンをクラウドサービスとして提供する「NeoFace Cloud」

　日本電気株式会社（以下、NEC）は17日、顔認証AIエンジン「NeoFace」を用いた製品・サービス群を強化すると発表した。

顔認証関連ソリューション概念図

顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud」

　従来、NeoFaceを利用するには顔認証用サーバー環境を構築する必要があったが、今回、顔認証機能をクラウドサービスとして利用できる「NeoFace Cloud」を新たにラインアップした。これを利用すると、サーバー環境の設置およびメンテナンス、セキュリティ対策が不要になるだけでなく、登録情報はNECが代行して安全に管理するため、さまざまな場所や用途で安心して利用できるという。

　NECでは、NeoFace Cloudの提供によって、さまざまな端末、機器への導入を促進するとともに、サーバー設置が難しい屋外や介護施設での活用なども推進したい考え。また、登録情報を保持したまま一時的な利用停止もできるので、イベントや工事現場での本人確認といった、短期間の利用用途においても効率的に費用を管理できるとしている。

　価格は、端末1台、対象者1人あたり月額5265円（税別）から。なお、数量が100以上の場合はボリュームディスカウントも設定されており、規模に応じて割安な価格で提供するとのこと。

NeoFace Cloudの活用例。徳島県三好市で行われたラフティング世界選手権2017において、顔認証エンジンを活用したスタンプラリーサービスを提供した

PC向けのセキュリティソフト「NeoFace Monitor V3」など

　新製品の2つ目は、約500社への導入実績を持つPC向け認証セキュリティソフト「NeoFace Monitor」の新版、「同 V3」。

　NeoFace Monitorを利用すると、顔認証によるPCログオンや、ログオン中の利用者の常時監視を行えるが、今回のNeoFace Monitor V3では、写真や動画によるなりすまし対策の防止機能を搭載した。視線の検知や、正面以外の角度からの顔の検知でも認証が可能になったため、ログオンやロック解除の際に、顔や目の動きをランダムに指示することにより、写真や動画によるログオンを防止できるという。

認証を試みるユーザーにまばたきなどを指示し、写真や動画によるログオンを防止

　さらにAPI連携に対応し、システム起動時にID/パスワード入力が必要なアプリケーションについて、顔認証によるログオンを可能にした。なお今回はその1例として、NECネクサソリューションズがこのAPI連携機能を利用し、OBCの業務ソフト「奉行シリーズ」への顔認証ログオンを実現している。

　NeoFace Monitor V3の価格は、1ライセンスあたり1万6800円（税別）。

　3つ目は、顔認証ソフトウェアをプリインストールしたアプライアンスと、導入サービスをセットにした「NeoFace 顔認証システム導入セット」の強化で、新モデルでは、システム本体にUPSを内蔵し、落雷などによる瞬電への対策を強化した。

　また、タブレットに搭載したカメラを利用する際の対応数を、最大16台まで追加できるようにしている。

　価格は65万7000円（税別）から。

NeoFace 顔認証システム導入セット

パートナー連携を強化し、新ソリューション創出を推進

　なお、今回は同時に、顔認証製品と連携した新規ソリューションを生み出すための「ソリューション開発プログラム/顔認証」拡充による、パートナー連携強化も行っている。

　対象製品に「NeoFace Cloud」「NeoFace Monitor」を追加したほか、ソフトウェアメーカーやハードウェアメーカーだけでなく、アプリケーションベンダーやSaaS事業者との協業も推進する考えで、NeoFace Monitorの奉行シリーズ連携も、このプログラム強化の一環とのことだ。