週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】リモートハンドとは
2025年8月12日 06:00
データセンター内で稼働・運用している機器に対して、機器所有者に代わってデータセンター内スタッフが各種メンテナンスなどの物理的な実作業を行うこと。遠方のデータセンターへの訪問が難しい場合などに活用されるサービスで、一般的には有償のオプションである。
データセンターのサービス形態はいくつかあるが、「ハウジング」「コロケーション」と呼ばれるものは基本的に「サーバー保管に適した場所の提供」が主眼である。この場合、顧客が実際にどんな機器を運用しているか、機器が正しく動作しているかについては、データセンター側はほとんど関知しない。なお「ホスティング」は、データセンター側が運用しているWebサーバーやメールサーバーを借りるサービスであり、性格が異なる。
ハウジングのサービスでサーバーを稼働させている場合、万一ハードディスクが物理的に故障した際、その修理・交換を行うのは原則として顧客側(機器をデータセンターに預けている側)である。よって異常が検知されたら、まずはネットワーク経由のリモート操作で復旧作業を行う訳だが、機器の物理的故障であったり、ケーブルが意図せず抜け落ちていないかの確認は現地でなければできない。例えば災害対応のために、東日本・西日本でサーバーを分散運用しているようなケースでは、現地に足を運ぶだけでも大変だ。
そこでリモートハンドのサービスが利用される。依頼できるのは、電源ボタンの操作やインジケーターの確認、ケーブルの抜き差しなど、比較的簡単なものに限られる。また、機器を取り違えたりすることのないよう、あらかじめ機器に番号を付っておいたり、作業手順を明確に規定した文書の準備なども必要である。