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NEC、さまざまな用途で顔認証を利用できるオフィス向けソリューション

 日本電気株式会社(以下、NEC)は25日、顔認証AIエンジン「NeoFace」を用いた商品群を連携させ、オフィス内における働き方の効率化や利便性の向上を図る「顔認証ソリューション for オフィス」を発表した。

 「顔認証ソリューション for オフィス」は、NeoFaceを利用したさまざまな製品・サービスを利用し、オフィス向けに特化したソリューションとして提供するもの。PCセキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor」、出入り口のセキュリティゲートの解錠を行う「NeoFace Access Control」、顔認証システムを容易に導入可能な「NeoFace 顔認証システム導入セット」などを組み合わせて提供する。

 これにより、端末のログイン、プリンタ/複合機での認証印刷、ビルやフロアへの入退など、オフィス内における認証を顔情報にまとめることができ、ユーザーの利便性が向上するとのこと。

顔情報を共通利用できるサービスを提供

 また、NECの顔認証製品・サービスでは従来、照合用の顔画像や個人を識別するIDなどの情報(顔情報)をそれぞれ独自のデータベースを用いて管理していたが、複数用途での顔認証の活用を促進するために「NeoFace顔情報マネジメントサービス」をラインアップした。

 このサービスは、顔情報をクラウド上にて一元管理できるようにするもので、自社の認証システムで顔情報のリモート管理や、複数の地点/用途の顔認証システム間で顔情報の共通利用が可能になるなど、顔情報の登録・管理における利便性が向上するという。

 価格は月額5万円(税別、登録人数1000人)からで、10月25日より提供を開始する。

 さらに、「顔認証ソリューション for オフィス 構築支援サービス」として、NECの各種顔認証ソリューションの連携導入に関するコンサルティングやシステム運用開始後の保守サービスなどをメニュー化し、顔認証の迅速かつ容易な導入を支援するとしている。提供開始は12月下旬の予定。

 このほかNECでは、パートナー企業との協業により顔認証連携ソリューションを推進してきているが、今回のオフィス向けの取り組みについても連携ソリューションを提供するとのこと。

 具体的には、フォトシンスとの協業によるスマートロック解錠ソリューションや、リコーとの協業による認証印刷システムなどが提供されている。

リコーとの協業では、顔認証による認証印刷システムを提供する

既存製品の強化を順次実施

 また、既存製品もさまざまな強化を行っている。

 PC向けセキュリティソフトのNeoFace Monitorでは、従来、顔認証によるPCログイン機能を提供していたが、アプリケーションへのログインにも顔認証を利用可能となり、アプリケーションを立ち上げるごとにID/パスワードを入力する手間を省けるという。

 価格は1万6800円(税別)からで、機能強化版は12月12日の提供開始を予定する。

 ビルなどにおいて、出入り口のセキュリティゲートの解錠を行うNeoFace Access Controlでは、API連携をサポート。外部認証システムと連携した入退場の制御や、外部管理システムから入退者情報の取得や登録などを行えるようにしている。あわせて、冷却ファンを内蔵したモデルをラインアップし、設置の自由度を向上させた。

 価格は120万円(税別)からで、12月27日の提供開始を予定する。

ゲートへの設置イメージ

 顔認証ソフトウェアをプリインストールしたアプライアンスと導入サービスをセットにしたNeoFace顔認証システム導入セットでは、フロアや会議室などの入退室時にドア解錠ができる「入退室機能モデル」を強化。利用者の顔認証画像の自動更新による経年変化への対応、なりすましを防ぐ記録対応など、入退室時の顔認証の正確さや信頼性向上を図った。

 価格は最小構成で48万6000円(税別)から。12月27日の提供開始を予定する。

フォトシンスとの協業によるスマートロック解錠システムも提供する。スマートロックは後付け型の「Akerun」を利用

 顔認証エンジンをクラウドサービス型で提供するNeoFace Cloudについても、本人確認と位置情報管理が可能な「NeoFace Cloud GPS連携サービス」をラインアップした。スマートデバイスのアプリとカメラを用いて、任意の勤務場所で、「誰が」「いつ」「どこに」いたかを正確に記録することが可能とのこと。

 NeoFace Cloud GPS連携サービスの価格は、月額2520円(税別、登録人数10人)から。サービスは10月30日より提供する。