大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ

パナソニックグループが成長分野として注力する、3つのデジタル領域への取り組み

 パナソニックグループは、先ごろ発表した2024年度上期決算において、2024年度通期(2024年4月~2025年3月)業績見通しを据え置いた。だが、その一方で、3つの好調な事業を挙げてみせた。それが、Blue YonderによるSaaS販売の拡大、生成AIサーバー向け事業の伸長、データセンター向け蓄電システムの成長である。

 これらの事業でなにが起きているのか。パナソニック コネクトによるSCM事業への取り組みのほか、パナソニック インダストリーによる生成AI関連事業への取り組み、そして、パナソニック エナジーによるデータセンター関連事業への取り組みについてまとめてみた。

Blue Yonderの最新動向

 パナソニック コネクト傘下のBlue Yonderは、2024年度第2四半期(2024年7月~9月)の売上高が前年同期比10%増の3億5500万ドル、そのうちSaaSの売上高は同16%増の1億7700万ドルとなり、SaaSの売上構成比が50%にまで高まってきたことを明らかにした。また、SaaS ARR(Annual Recurring Revenue)は前年同期比16%増の7億3600万ドル、SaaS NRR(Net Revenue Retention)は103%、リカーリング比率は71%となっている。SaaS ARRはBlue Yonderの買収以降、1.6倍に拡大しているという勢いだ。

Blue Yonderの経営指標

 Blue Yonderが好調な理由について、パナソニックホールディングス 代表取締役 副社長執行役員 グループCFOの梅田博和氏は、「買収したOne Networkが、2024年8月から連結対象となったことに加えて、Blue Yonderの営業部門の戦力化がSaaS ARRの高い成長に貢献している。いまは投資フェーズにあるが、第3四半期以降もシナジーを速く取り込むことで、SaaS ARRは引き続き高い伸びを示すと見ている」と語る。

パナソニックホールディングス 代表取締役 副社長執行役員 グループCFOの梅田博和氏

 2024年度通期見通しは、Blue Yonderのスタンドアローンでの調整後営業利益が前年から64億円増の56億円と黒字転換を見込んでいるが、連結ベースの調整後営業利益は同41億円増のマイナス201億円の赤字を想定している。だが、これは投資フェーズであることの裏返しでもあり、戦略投資およびシナジー投資を除く、実力値ベースの調整後営業利益では、前年から133億円増の252億円の黒字を見込んでいる。

 パナソニック コネクトの樋口泰行プレジデント・CEOは、「Blue Yonderは、一連の事業買収を通じて、着実に成長モメンタムを強化している。2025年はさらにこれを加速できる」と自信をみせる。

パナソニック コネクトの樋口泰行プレジデント・CEO

 エンドトゥエンドソリューションの提案に向けて、英Doddleの買収により返品管理機能を強化し、独Flexisの買収によって生産計画および輸送計画、実行の最適化を実現。さらに、米One Networkの買収で、複数企業間のサプライチェーンエコシステムの構築を可能にしており、M&Aによるシナジーによって、グローバルでの競争力強化や、成長戦略を加速しているところだ。

Blue YonderによるSCMソリューション

 具体的な取り組みのひとつが、「Blue Yonder Joint ソリューション」である。

 北米の20社のユーザー企業にヒアリングして60件のユースケースを洗い出し、それをもとに、店舗を賢くする「Intelligent Store」、倉庫のデジタル化を図る「Digital Warehouse」、物流を進化させる「Connected Logistics」の3つのカテゴリーに分類。ユースケースの実装を進めている段階にあるという。

 また、買収したOne Networkでは、サプライチェーンに関わる複数企業が同一ネットワーク上で需要や売買、物流、在庫といった情報をリアルタイムに共有、可視化、活用できるソリューションを提供。より多くのデータを利用することで、Blue Yonderを活用した全体最適化ソリューションの精度を高めることができる点も強調した。

 パナソニック コネクトでは、過去7年間に渡り、「カルチャー改革」、「事業立地改革」、「専鋭化オペレーション改革」の3点から大規模な事業改革を推進。特に、事業立地改革では、4事業の売却、9事業の終息、5拠点の工場閉鎖、約30%の人員削減に取り組む一方、2021年のBlue Yonderの買収、2017年のZetesの買収に加えて、2023年には、Blue YonderによるDoddleの買収、2024年には同じくBlue YonderによるOne NetworkおよびFlexisの買収、ZetesによるRobotizeの買収を行い、大胆な選択と集中によって、事業ポートフォリオを大きく変化させてきた。

 「典型的なJTC(Japanese Traditional Company)である100年企業のパナソニックを、強い会社にすることを目指して変革してきた。すべての基本は、健全なカルチャーへの改革である。その上で、事業の選択と集中を行い、やると決めた事業については専鋭化を図った」と、これまでの取り組みを振り返る。

 理論企業価値連動型役員報酬制度や、社員に対するEBITDA連動型賞与原資の確保など、報酬制制度を改革することで、事業再生や価値創出が困難な事業は撤退および終息の意思決定を後押しするとともに、メリハリの利いた投資に対して支援する仕組みを構築することで、JTCにありがちな「事業をやめられない」という課題の解決につなげている。

 現在、パナソニック コネクトでは、ソリューション、システム、ソフトウェア、リカーリング、クラウドサービスへの事業シフトを加速しているところだ。

 パナソニック コネクトにおける、ソリューション比率は2017年度の49%から、2023年度には63%へと拡大し、リカーリング比率は16%であったものが、32%に拡大。ソリューション人員は52%に達しており、全体の23%の人員をBlue Yonderが占めている。

 また、2024年度を最終年度とする中期計画についても、売上高の1兆1700億円に対して、1兆2800億円と上回っている。EBITDAは当初計画の1500億円に対して、1300億円の見通しとしているが、イメージング事業をパナソニックエンターテインメント&コミュニケーションに移管したことや、Blue Yonder買収時の一時的な会計処理の影響を含めると、ほぼ計画通りに推移しているという。

 また、2027年度を最終年度とする次期中期計画では、EBITDAで2000 億円、EBITDA率は15%以上を掲げており、そのうち、高収益事業と位置づけるBlue Yonderおよびアビオニクスで1000億円、その他事業で1000億円を目指している。

 なお、パナソニックホールディングスでは、SCM事業の株式上場を目指していることを、2022年5月に公表しており、今後はその動きにも注目が集まる。

新規事業の探索を行うTechnology Product Line

 パナソニック コネクトの2024年度の取り組みのなかで注目しておきたいのが、2024年4月に発足したSaaSビジネスユニットの存在である。SaaSプロダクトに関する事業開発および事業推進を担う組織であり、同社のクラウドエンジニアリングセンターおよび技術研究開発本部とも連携し、Technology Product Line(TPL)を構成。新規事業の探索を行うことを視野に入れたプロフィットセンターに位置づけている。

 SaaSビジネスユニットと連携する技術研究開発本部は、モバイルやメディア、回路などのコア技術の研究、プロダクトの方向性を描く役割などを担っており、クラウドエンジニアリングセンターでは、事業部横断で利用するクラウドインフラを開発。このクラウドインフラは、アプリケーションをスケールし、強固なセキュリティ環境を整えたプラットフォームになるという。

Technology Product Line(TPL)による事業探索

 パナソニック コネクトの榊原彰シニア・ヴァイス・プレジデント・CTOは、「これまでにも研究開発部門の強化を図ってきたが、古い体質を持った社内には、こんなことをやっては駄目だろうという意識や、一度始めたら、なかなかやめられないという文化があり、これを打破する必要があった。TPLはその役割を担うものである」とコメント。

 「パナソニック コネクトでは、研究開発プロジェクトの数を3分の1にまで減らした。目的を絞り、長期および短期戦略、イシュードリブンの戦略、オープン戦略という象限に分類した。最大のフォーカスエリアは、SCMであり、Blue Yonderを活用し、柔軟で賢く、自律性があるクラウドソリューションを構築することになる。データをセンシングし、現場の状況を理解し、デジタルツインのなかでAIによって解釈し、分析、シミュレーションをした結果をもとに、現場でのロボットを動かすというループを回していくことを目指す」と述べた。

 パナソニック コネクトは、本社のほかに、国内3拠点(横浜・佐江戸、大阪・京橋、福岡・美野島)、海外4拠点のR&Dセンターを持ち、国内では400人規模のR&D体制を敷いている。新たに「Think Big, Act First and Fail Fast」、「Repeat above till success」をポリシーとして掲げ、このメッセージを描いたTシャツを配布し、社員と方針を共有する取り組みも進めた。

 「大きく考えて、まずは手を動かす。目に見えるものとして説明すること、早く失敗し、学びとして生かすことを徹底した。また、成功するまで続けることも徹底した。失敗を認めることで、エンジニアの心理的な安全性を担保し、新たなことに挑戦できる風土づくりを進めている」と述べた。

Customer Experience Centerのリニューアルにより物流ソリューションを強化

 なおパナソニック コネクトでは、東京・浜離宮の同社本社内に、Customer Experience Center(CXC)を2019年から開設しており、2024年には2度目の大幅リニューアルを行った。

リニューアルしたCustomer Experience Center

 エバンジェリストによるプレゼンテーションやコンセプト動画、デジタル化された等身大の樋口プレジデント・CEOが登場する「Presentation」、最新技術やソリューションをデモンストレーションで体感できるショールーム「Exhibition」、来場者とのディスカッションやワークショップ、イベントなどが開催できる「Discussion」で構成。先に触れた「Blue Yonder Jointソリューション」のほか、大阪府にあるパナソニック コネクトの彩都パーツセンターでの実証を通じて、ロボット制御や動線分析、充填率などを組み合わせた提案を行う「ウェアハウスソリューション」、パブリック領域を中心に提案を進めている世界最高水準の顔認証技術を用いた「顔認証ソリューション」などを体験することができる。

Customer Experience Center(CXC)の概要

 例えば、ウェアハウスソリューションでは、独自のアルゴリズムによって最適化した在庫配置や人の配置を提案し、倉庫の収容力や生産性を向上するSlotting Solution、ラピュタロボティクスをはじめとしたさまざまなロボットパートナーとの共創により、自動倉庫から効率的に商品を取り出して、トラックの待機時間を減らす「ロボット・ヒトの協同による倉庫最適化」を提案可能。

 さらに、Zetesによる出荷管理ソリューションでは、入荷から保管、ピッキング、検品、出荷、配送までをフルパッケージとして提案している。CYTIS Shiftにより、業務量の予測データをもとに、人員計画と勤務作業計画の作成を行い、限られた人員で最適な倉庫作業を行えるといったことが可能になるという。

 また、V-SLAMによって、倉庫内のようなGPSが使えない場所でも、ARマーカーやセンサー、カメラ、車載機などからリアルタイムで取得したデータをもとに、人とフォークリフトの作業を最適化することも可能になる。

ラピュタロボティクスの自動倉庫

 パナソニック コネクトのエバンジェリストである一力知一氏は、Customer Experience Centerの新たなリニューアルにおいては、物流ソリューションの展示を強化したことに触れながら、「工場、倉庫、店舗のあらゆるところに関わるのが物流ソリューションである。物流領域からアプローチすることで、サプライチェーン全体を最適化することができる」とする。

 また、一力氏は、「パナソニック コネクトのサプライチェーン最適化のアプローチは、業務の標準化と改善を行うインダストリアルエンジニアリング、Blue Yonderを中心に作業計画を最適化するサイクルを提供する計画・実行ソフトウェア、人とロボットが協働するロボティクスの組み合わせによって実現する。これにより、データを活用し、変化に追随し、高効率な物流を実現することができる」と語る。

 業務量が少ない時間帯はロボットによって作業を行い、出荷締め切り時間が近くなり、作業量が増えたときに、人が共同で作業するといった運用なども、パナソニック コネクトが開発したロボティクス制御プラットフォームとタスク最適化エンジンなどによって実現できる。

 さらに、AIを導入する際にも、学習が完了した段階では、刻々と変化する現場では、使いにくいものになってしまうという実態も指摘。「予測と計画、評価分析のサイクルを回すことで、AIを最適に活用できる環境を提案している」とした。

 加えて、一力氏は、「Blue Yonderは、サプライチェーンの統合データプラットフォームの役割を担う。海外ではデジタル化を先行させ、デジタルの指示によって、人が作業をするという仕組みから入るが、日本の現場は、デジタル化が遅れていても、世界で最も高い生産性を実現している。デジタル化を段階的に進め、ここで徐々に収集したデータをBlue Yonderでつなぎ、統合していくというアプローチが、日本では適している」とも語った。

 Blue Yonderの日本における展開は、まだ本格化していない。2025年から、日本におけるBlue Yonderの提案活動が、どんな形で動き出すのかが注目される。

生成AI/データセンター関連事業で大きく成長

 一方、生成AI関連事業およびデータセンター関連事業でも、パナソニックグループは大きな成長を遂げている。2024年度上期業績の発表の際に、パナソニックホールディングスの梅田グループCFOは、「いずれの事業も、年間見通しは期初想定を大きく上回る。下期も高い伸びが期待され、旺盛な需要をしっかりと取り込むべく、対応の強化を図っていく」と、事業成長に力強い手応えを示している。

パナソニックグループ 2024年度の年間業績見通し

 背景にあるのは、データセンターおよび生成AIに対する旺盛な需要だ。

 データセンターは、通信のハブ機能からAIの頭脳を担う役割へと進化。重要度は飛躍的に増大しており、それにあわせて、ハイパースケーラーによるグローバル投資が拡大している。

 だが、その一方で、消費電力の増加、発熱への対応、データの信頼性や可用性の確保といった課題が生まれており、そこにパナソニック インダストリーやパナソニック エナジーの技術や製品が活用できると見ている。

 具体的には、電力マネジメントにおいては、コンデンサやリチウムイオン電池(LiB)、処理能力の高速化ではコンデンサおよび基板材料、冗長性の確保ではLiBが貢献できる商材になるというわけだ。

 パナソニック インダストリーによる生成AI関連事業では、生成AIサーバー向け導電性高分子コンデンサや多層基板材料が好調であり、これら事業の2024年度通期見通しは、期初に掲げた270億円を、350億円へと大幅に上方修正。前年比1.8倍を見込んでいるところだ。2025年度は、さらに100億円の増収を想定しているという。

 同社によると、生成AIサーバーのコンデンサ需要は、一般サーバーに比べて、員数で22倍、需要額で30倍以上が見込まれており、今後、大電流化が進展するのに伴い、さらなる員数の拡大が想定されている。

ハイパースケーラー向けなど、成長性が高く、強みが生きる領域に向き合う

 その一方で、発熱による高温環境、部品点数増大によるスペースの逼迫、高速化による伝送損失の影響増大などの課題もあり、ここにもパナソニックインダストリーが強みを発揮できる部分があるとする。

 パナソニック インダストリーでは、車載で培った小型大容量、高耐熱性を実現する導電性高分子コンデンサである「SP-Cap」や「POSCAP」、業界ナンバーワンの低伝送損失を実現する高機能多層基板材料「MEGTRON」により、市場から高い評価を獲得。今後は、次世代コンデンサや新たな基板材料の開発、電力供給を安定化するコンデンサの製品化、AIの進化に対応するラインアップの拡充などを進め、2030年度には売上高1000億円以上を目指し、2桁の営業利益率を確保する考えだ。

車載で培った商品力など、パナソニックの強みを生かす

 パナソニック インダストリーの坂本真治社長兼CEOは、「MEGTRONは、この種の基板材料では、グローバルトップシェアだが、生成AIサーバー市場では2番手。しかし、悲観はしていない。できるだけ早い時期に、MEGTRONも業界ナンバーワンにしたい」と発言。

 「3年ぐらいのタームで、シェアが変わることになる。特に、CPUやGPUが変化するタイミングはビジネスチャンスでありながら、脅威にもなる。そこで差が出るのは、どれだけマテリアルズ・インフォマティクス(MI)をうまく使い、開発スピードを上げていけるかという点だ。伝送損失をより小さくし、その材料の組成を、安定的に、安価なものに仕上げることで、性能とコストを両立させることが鍵になる」とする。

パナソニック インダストリーの坂本真治社長兼CEO

 パナソニックインダストリーでは、スマートラボの自動実験で開発効率を25倍に高めることができており、「従来5カ月かかっていたものが1週間ぐらいで結果が出る」としている。これも、同社が高機能多層基板材料やコンデンサで高い競争力を維持する武器のひとつになりそうだ。

 パナソニック エナジーによるデータセンター関連事業では、データセンター向け蓄電システムが好調だ。同社のデータセンター向け事業の2024年度通期見通しは、売上高では前年比1.8倍を見込み、期初見通しの約1000億円の売上高を大幅に上回り、1000億円台半ばを想定。さらなる上振れに向けて具体的な案件もあることを明かす。

今後の事業展望

 生成AIの急速な進化を背景に、データセンター領域におけるパナソニック エナジーの有効需要が拡大。特に、生成AI向け分散型電源がビジネスを牽引しているという。

 従来のデータセンターでは、UPS(無停電電源装置)により、電源は別室で集中管理することが多かったが、昨今のハイパースケーラーにおけるデータセンターでは、高出力および省スペースが必須となっており、電源はラックごとに分散するBBU(バックアップ電池)へのニーズが高まっている。それにあわせて、パナソニック エナジーが持つ高出力および高耐久の円筒セルと、垂直統合型のシステム開発力によって電源構成を最適化し、エネルギー効率を高めることができる技術とノウハウに関心が集まっているという。

 市場全体では、集中型と分散型が5対5となっているが、集中型が数%の市場成長であるのに対して、分散型は数十%の高い成長率となっており、分散型に特化したビジネスに特化しているパナソニック エナジーの事業は、好立地にあるともいえる。

 パナソニックホールディングスの梅田グループCEOは、「データセンター向け蓄電システムは、モジュール化したことによる耐熱性や高容量性が評価されている」という。

 また、パナソニック エナジーの只信一生社長兼CEOは、「パナソニック エナジーの強みは、熱環境に対して安定した材料技術を持ったセルにより、高耐熱による高い信頼性を実現している点にある。GPU の進化によって増大する負荷の解決に、マッチングした技術であるといえる。セルとモジュールを垂直統合で事業を行っている企業が比較的少なく、電池の特性や材料技術をよく知っているからこそ、高い信頼性と性能を出せる強みも発揮できる。ターンキーで納めたり、ハイパースケーラーと一緒に設計を行ったりできる点も当社の特徴になる。お客さまからは、より効率的な設計を一緒にやりたいという声も増えている」と語り、「いまは極めて高いシェアを維持している」と胸を張る。

パナソニック エナジーの只信一生社長兼CEO

 今後は、パナソニック エナジーが持つ強いセルとシステムを武器に、北米市場での供給体制を強化。高出力および高耐久性を持ったデータセンター向け専用セルを開発し、強い電池技術を核にしたシステムによって、「統合型パワーソリューションプロバイダ」を目指す考えを示している。そして、「次世代セルや専用セルの開発を進めており、ほぼ完成している」とも語る。

データセンター事業の目指す姿

 2024年度は、2022年度の3倍以上の事業規模に到達する見込みであり、2030年度までに年平均成長率(CAGR)20%以上の伸びを見込んでいるという。

年平均成長率(CAGR)20%以上の伸びを見込む

 このように、パナソニックグループにとって、SCM、データセンター、生成AIといった3つのデジタル領域への取り組みは、新たな成長分野となっている。

 2025年は、これらの領域での事業成長が加速することで、パナソニックグループのポートフォリオ戦略にも影響を及ぼすことになりそうだ。