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NTT東日本、「ひかりクラウド電話」とシスコの「Webex Calling」をワンストップで提供へ

中堅・中小企業におけるハイブリッドワーク環境の整備を支援

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は13日、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)のクラウド統合コミュニケーションサービス「Webex」に対応した「Webex Callingライセンス」および「Webex Calling対応端末」を、10月31日から提供開始すると発表した。対象は東日本エリアとなる。

 これによりNTT東日本は、オフィスの固定電話番号から場所を問わずに発着信ができる「ひかりクラウド電話」と、シスコの「Webex Calling」をワンストップで提供できるようになるとのことで、中堅・中小企業のハイブリッドワークの実現に必要なサービスの導入、運用、問い合わせに一貫して対応し、中堅・中小企業のDX推進の支援につなげるという。

 NTT東日本 ビジネス開発本部 副本部長の長谷部周彦氏は、「地域経済の中心にいる中堅・中小企業のビジネスにおいては、電話による音声コミュニケーションがベースとなっている。また、シスコのWebexはグローバルで磨かれてきたサービスであり、顧客への提案、サポートでも多くのノウハウも蓄積している。今回のパートナーシップにより、NTT東日本が持つ電話のノウハウを組み合わせることができ、地域社会や中堅・中小企業の課題解決と、DXの推進に貢献できる」と述べた。

NTT東日本 ビジネス開発本部 副本部長の長谷部周彦氏

 シスコでは、NTT東日本が提供する「ギガらくWi-Fi」や「ギガらくスイッチ」、「ギガらくVPN」、「Managed SD-WAN」において協業を行ってきた経緯があり、今回の取り組みはこの連携をさらに強化したものと位置づけている。

NTT東日本とシスコのパートナーシップ

 NTT東日本は、2016年から「ひかりクラウドPBX」を、2021年から「ひかりクラウド電話」の提供を開始。コロナ禍における在宅勤務の支援や、場所にとらわれない働き方を目指す企業に対する、リモートワーク環境の整備を支援してきた。

 NTT東日本 ビジネス開発本部 第一部門長の高橋立典氏は、「コロナ禍では、電話番のために出社したり、テレワークでは大切な顧客からの電話が取れなかったりといった課題が発生した。ひかりクラウド電話では、会社の固定電話番号でどこでも発着信ができること、Wi-Fiにより、電話配線が不要になり、フリーアドレスにも対応できること、NTT東日本が提供するプロフェッショナルによる充実のサポート体制により、導入後も安心して利用できることなどがメリットになる」と語る。

会社の固定電話番号でどこでも発着信
仕事もツールもすっきり、オフィスの配線フリーに
充実のサポートで導入後も安心

 なおNTT東日本では2022年6月から、シスコの「Webex Calling」と接続する「ひかりクラウド電話for Webex Calling」を提供してきたが、ひかりクラウド電話はNTT東日本から提供し、Webexはシスコのパートナーから購入する仕組みとなっていた。

 「中堅・中小企業のユーザーからは、別々に購入し、それを設定するのではなく、NTT東日本からワンストップで購入し、設定、運用ができようにしてほしいという要望が多く、このほどWebexもNTT東日本では取り扱いを開始することになった。これにより、クラウド化における課題や抵抗感を解消できる」(NTT東日本の高橋氏)としている。

ワンストップ提供でクラウド化における課題/抵抗感を解消

 NTT東日本が新たに提供するのは、「Webex Callingライセンス」と、「Webex Calling 対応端末」となる。

 Webex Callingライセンスは、「ひかりクラウド電話for Webex Calling」での発着信やWeb会議などを実現するライセンス。受付や会議室、共有スペースなどの共用で使用するIP電話の端末数に応じて適用されるライセンスの「Webex Calling Space」(月額880円)、ひかりクラウド電話 for Webex Callingを使用するユーザーに応じて適用されるライセンスの「Webex Calling Pro」(月額1320円)、オンライン会議を主催するユーザー数に適用されるライセンスである「Webex Meetings」(月額2750円)、オンライン会議に接続するビデオ会議専用機器に応じて適用されるライセンスである「端末登録ライセンス」(月額2640円)を提供する。

 またWebex Calling対応端末は、卓上での発着信を可能とする電話端末として、CP-6821、CP-6841、CP-6861、CP-7821、CP-7861の5機種、Web会議端末としてDesk Camera、Desk Pro、Room USBの3機種を用意している。レンタルと買い上げの設定がある。

 なお、NTT東日本では、ユーザーアカウントの発行や権限付与などの設定代行も用意しており、10ライセンスまでは2万2000円。11ライセンス以降は、10ライセンスあたり1万1000円となっている。

提供内容

 「ひかりクラウド電話と、Webexの購入窓口が一元化し、問い合わせ先にもひとつになる。トラブル発生時の不安を払拭できる点は、中堅・中小企業には、大きなメリットになるだろう」(NTT東日本の高橋氏)としている。

 シスコの中川いち朗社長は、「デジタルの恩恵を受ける人と、受けづらい人の格差を解消し、誰一人取り残されない日本の社会をつくることが大切であり、それがシスコシステムズのパーパスの実現にもつながる」としながら、「ハイブリッドワークはシスコジャパンの注力分野のひとつではあるが、日本は世界的にも遅れている分野である。中堅・中小企業における働き方改革こそが急務である」と指摘。

 「より多くのお客さまにデジタル変革の恩恵を届けるには、NTT東日本が持つ広範なサービスケーパビリティが必須である。中堅・中小企業が中心となる地域市場に対して、NTT東日本が持つ地域に根ざした営業網と、ブランドの信頼感を通じて、シスコの最新テクノロジーを届けることができる。両社の強みを組み合わせることで、顧客に寄り添ったエンドトゥエンドのワンストップソリューションを提供できる」と述べた。

 また、「今回のNTT東日本との協業は、全世界のCiscoが注目しているものであり、中堅・中小企業へのWebexの提案において、リファレンスになるものと考えている。日本から発信し、グローバルに展開していくきっかけにしたい」としている。

シスコシステムズ 代表執行役員社長の中川いち朗氏

 Webexは、クラウドを活用したミーティングや音声コミュニケーション、対応デバイス、コンタクトセンター向けソリューションなど、対応するコミュニケーション環境を拡大。さらに、既存システムも生かしながら、ハイブリッド環境で運用できる点も特徴となっている。

 クラウド電話サービスであるWebex Callingは、全世界85カ国で、600万人以上が利用。前年比で218%という高い成長を遂げているという。発着信呼数は月間80億回となっているほか、Webexの会議参加者数は月間6億5000万回、対応デバイスは1億台以上を出荷している。

クラウドコミュニケーション基盤 Webex
Webex CallingとWebexの利用状況(全世界)

 シスコ 執行役員 SMB・デジタル事業統括の石黒圭祐氏は、「安心安全なアクセスを実現していることに加えて、今回の協業によって、柔軟なコラボレーションが実現できるようになる。さらに、今後は可視化を進めることで、サービス品質の向上や、顧客満足度の向上につなげることができる」と述べた。また、「今後は、西日本エリアをカバーすることも考えたい」とした。