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シスコ、ハイブリッドな働き方を推進するコラボレーション基盤「Webex Suite」

複数のコミュニケーションツールを集約し800以上の新機能を追加

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は7日、インクルーシブでハイブリッドな働き方を推進する新たなソリューション「Webex Suite」を発表した。同日には、「Webex Suite」をリリースする背景やソリューションの概要、新機能などについて記者説明会が行われた。

 「Webex Suite」は、電話(クラウド電話)、会議、メッセージ(ビジネスチャット)、投票、イベントなどの複数のオンラインコミュニケーションツールを一つのアプリケーションに集約し、シームレスに利用できるコラボレーションプラットフォーム。シスコが過去10カ月に発表した、ハイブリッドな働き方に求められる800以上のイノベーションが含まれているという。

 シスコ 代表執行役員社長の中川いち朗氏は、「Webex Suite」をリリースする狙いについて、「新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がリモートワークの導入を進めてきたが、コロナ後の未来は、オフィスとリモートを組み合わせて仕事をするハイブリッドな働き方が主流になっていくとみている。その中で当社は、『すべての人にインクルーシブな未来を実現する』をビジョンに掲げ、クラウドファーストの世界において、顧客が素早くDXを実現できるプラットフォームを提供することを大きな戦略としている。今回、この戦略の一つとして、ハイブリッドな働き方を推進する最新ソリューション『Webex Suite』を提供開始する」と述べた。

シスコ 代表執行役員社長の中川いち朗氏

 「これからの働き方は、オフィス勤務と在宅勤務、リモートワークが共存して、どこからでもどんな勤務形態でも、社員が生産性を落とさず、むしろ最高のパフォーマンスを発揮できるハイブリッドワークを実現することが重要になる。今後、企業にとって、こうした多様な働き方を社員に提供することは命題であり、それが大きな企業価値につながっていくと考えている」とし、「『Webex Suite』では、ハイブリッドワークの未来を見据えて、リモートでも対面と同等、もしくはそれ以上の体験を提供するべく、800以上の新機能を追加している」と強調した。

800以上の機能を追加

 次に、シスコ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当の石黒圭祐氏が、主な新機能についてピックアップして紹介した。あわせて、各機能のデモンストレーションも行われた。

シスコ 執行役員 コラボレーション・アーキテクチャ事業担当の石黒圭祐氏

 「従来の一方的なWeb会議ではなく、より双方向なコミュニケーションを実現する『Slido』機能を提供する。Q&Aや投票、ライブ投稿、クイズ機能などを通じて、参加者からリアルタイムに意見を収集することができ、投票結果もわかりやすく可視化することで、会議の双方向性とエンゲージメントを最大化する。また、ノイズ除去とスピーチエンハンスメント機能により、周囲の声や音などの背景ノイズを除去し、自分の声だけを拾う『My Voice Only』機能を搭載している。これにより、周囲を気にせずオンライン会議やコミュニケーションに集中することができる。さらに、共有資料とビデオを合成し、目の前にいるかのようなプレゼンを可能にする『イマーシブシェア』機能も実装している」とした。

「Slido」機能の概要
「イマーシブシェア」機能のデモ画面

 このほかの新機能としては、オンライン、ハイブリッドなどあらゆる形式のイベントを支援するイベントプラットフォーム「Socio」を提供する。シスコによるSocioの買収取引の完了次第、大規模なエンドツーエンドのイベント体験を実現する全機能が提供可能となるという。

 カメラに組み込まれているインテリジェンスが参加者人数を瞬時に判断し、画面のレイアウトや参加者のカメラ映像を最適化する「People Focus」を搭載。会議室から複数人でWebexに参加していても、複数人を1フレームにまとめて入れるのではなく、各参加者を認識し1人1フレームで映し出す。これにより、オフィス勤務、在宅勤務の場合でも対面と変わらない会議を体験することができる。

 セキュリティ機能では、機密情報を自動的に遮断、削除するWebex向けのリアルタイムのデータロス防止機能をMessagingで提供する。リアルタイムのデータロス防止機能によって、ユーザーによる機密情報の投稿を未然に防ぐことができる。さらに、エンドツーエンドのID確認による暗号化の拡張などの強化オプションを提供し、使いやすさとセキュリティを両立させることができる。

 パーソナルページからアクセスできる「Webex People Insights」では、利用者が個人的に設定した目標と、会議、ワークライフ インテグレーション、利用時間などを可視化し、管理、把握することができる。「ピープル ファースト」の考え方で設計されており、インサイトは、個人、チーム、組織の3つの観点から提供される。すべてにプライバシーとセキュリティが配慮され、この情報を利用できるのは利用者本人のみとなる。

 また、石黒氏は、強化・拡充ポイントにも触れ、「『Webex Suite』には、クラウド電話サービスの『Webex Calling』も含まれている。『Webex Calling』は、PBXやサーバーなどの設備を宅内に用意することなく電話機能を利用でき、オフィスの電話番号をモバイルで利用することも可能となる。現在、国内のユーザー数が増加し、急速にニーズが高まっており、スタッフの増員やリソースの追加などによりアップデートを行っている。さらに、『Webex Suite』のリリースに合わせ、各カテゴリのWebexデバイスも一新した。オールインワン卓上型からフリーアドレス型、USB型、オフィス設置型、パーソナル型までのポートフォリオをそろえ、コンパクトサイズの個人向け製品も拡充している」と説明した。

「Webex Calling」のデモ画面

 今後の展開について石黒氏は、「現在の『Webex』は、Web会議ソリューションとして認識されているが、将来的には、この認識をビジネスアプリケーションへと変化させ、ハイブリッドワーク時代における企業のビジネス成長を支援していく」との方針を示した。