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PBC、JBSと日本マイクロソフトの3社、「Dynamics 365 Business Central」の導入に特化したコンソーシアムを設立
2019年6月6日 06:00
株式会社パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)、日本マイクロソフト株式会社は5日、マイクロソフトのクラウドビジネスアプリケーション「Microsoft Dynamics 365 Business Central」の導入に特化したパートナーコンソーシアム「Cloud ERP Partners for SMB」(CEPS)を設立すると発表した。
CEPSは、グローバル展開する中小企業に向けたERPの導入が得意なPBCと、マイクロソフトクラウドソリューションの導入実績が豊富なJBSが主幹事となって設立した。日本マイクロソフトは事務局を務める。すでに現時点でこの3社を含めた15社が参加を表明しており、今後体制の拡大を目指す。
Dynamics 365 Business Centralは、財務、セールス、サービス、生産などの管理機能が統合された中小企業向けのクラウドアプリケーション。中小企業向けERPの「Microsoft Dynamics NAV」がベースとなっており、コンパクトな設計でスモールスタートが可能。要件次第では最短3カ月での導入も可能だという。
米Microsoft コーポレートバイスプレジデント 沼本健氏によると、すでにDynamics NAVとDynamics 365 Business Centralは世界196の国や地域で22万社以上に導入されているというが、「日本での認知度はあまり高くない」と明かす。国内でDynamics 365 Business Centralが導入できるパートナーも限られていることから、CEPSを設立し、パートナーの増加とスペシャリストの育成を目指したいとしている。
日本マイクロソフト Dynamicsビジネス本部 本部長の大谷健氏は、「日本の中小企業におけるDynamics 365 Business Centralの潜在的需要は非常に高い」と語る。今後、事例やデモを中心にデジタルコンテンツキャンペーンを展開するほか、中小企業向けセミナーを開催するなどして、「3年間で1000社の顧客に導入していきたい」としている。
事業の拡大に向け、パートナーの人材育成にも注力する。日本語でのデジタルラーニングコンテンツも用意、トレーニングパートナーと協業して実践的な訓練やワークショップを行うことで、「今後3年間に1000人のコンサルタントを育成する」(大谷氏)という。
すでにパートナーとしてDynamics 365 Business Centralを提供しているPBCの取締役 業務管理本部長、荻田篤史氏は、「現在プロジェクトが約10件進行中で、40社とは商談中。問い合わせが多く、すぐにでも導入したいという顧客が多い。すでにわれわれだけでは対応しきれず待ってもらっている状況だ」と話す。「増え続ける要望に対応するためにも、エリアや業種を拡大し、スペシャリストを育成する必要がある」として、CEPSの活動に期待を寄せている。
JBSでは、マイクロソフトの正規プログラムにより、基礎コース2日間、開発者コース5日間の合計7日間でスペシャリストを育成するトレーニングを提供するという。
JBS 執行役員 ビジネスソリューション本部担当の櫻田浩氏は、中小企業の多くがデジタル変革の必要性に迫られているものの、「変革に必要なソリューションが十分に届けられていない」と話す。パートナーが少ないことも要因のひとつだが、中小企業で変革に向けた投資が限られていることも背景にあるといえるだろう。そこで櫻田氏は、「Dynamics 365 Business Centralのようなサブスクリプションサービスで、テンプレート型のERPを選択すれば、従来のようにハードウェアやソフトウェア、ミドルウェアを導入し、保守・メンテナンスなどを行う場合と比較して、10年間で総所有コストが90%削減できる」と説明、同ソリューションを幅広く提供していきたい考えを示した。