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ソフトバンク、北海道苫小牧市と福岡県糸島市に海底ケーブル陸揚げ拠点を新設へ
2025年8月19日 06:00
ソフトバンク株式会社は、国際海底ケーブルの陸揚げ拠点新設に関する事業が、総務省の推進するデジタルインフラ強靱化事業に採択されたと発表した。補助金を受け、アジアと米国を結ぶ国際海底ケーブル「E2A」の陸揚げ拠点を北海道苫小牧市と福岡県糸島市に設ける計画。採択に合わせて、関係各所との協議・調整を順次開始するとしている。
生成AIなどの利用増に伴い、データ通信量が爆発的に増加。通信インフラの重要性はますます高まっている。こうした傾向を受け、日本政府はインフラ強靱化と地方分散を推進。総務省においては「国際海底ケーブルの多ルート化によるデジタルインフラ強靭化事業」を立案すると共に、その一環として「水底線路陸揚局整備事業および水底線路整備事業(国際海底ケーブル分岐支線・分岐装置)」への参加事業者を公募していた。これにソフトバンクの計画が採択されたかたち。
ソフトバンクの国際海底ケーブル陸揚げ拠点としては、千葉県南房総市で「ソフトバンク丸山国際中継所」がこれまでも稼働していたが、これに苫小牧市、糸島市の2カ所を加える。両拠点は東京・大阪に集中するインフラを補完する役割が期待されており、また海底ケーブルの地理的ルートの観点からも有利という。
なお「E2A」は2028年下期の運用開始が予定されている海底ケーブル。北米とアジアを結び、総延長距離は約1万2500kmを見込む。2025年3月、ソフトバンクが参加するコンソーシアムにおいて、建設に向けた合意が取り交わされている。