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マイクロソフトはどんな未来を描いていくのか? クラウド・AI時代のパートナー戦略を見る

Japan Partner Conference 2018 基調講演レポート

最新技術を活用したデモを披露、改元についての取り組みも説明

 基調講演の最後に、日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏が登壇し、最新の技術を活用したデモや、今後の重要視されるトピックスについて説明した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏
5つの内容でデモや説明を行った

 最初は、リアルタイムAIの必要性について説明。ここでは、日本初公開となったリアルタイム処理ができるカメラを使ってデモ。3匹の本物の猫が登場し、画像から、それが猫であると認識していることを、カメラに搭載されたAIで分析する。

 さらに、HoloLensとの連携利用を行ったデモを通じて、今後はエッジでのリアルタイムAIが求められていることや、フロントワーカーの働き方にも貢献できることなどを説明した。

 ここで使ったカメラは、SoCのSnapdragon QCS603を搭載。Vision AI Developer Kitを利用して、リアルタイム処理を行っているという。

日本初公開としてリアルタイムで処理できるカメラを使ってデモを行った
カメラの概要。クアルコムのSnapdragon QCS603が搭載されている
猫を認識している様子
HoloLensを使ったデモも行った

 そのほか、FPGAの高い能力を活用した分析や、Azure Stackを利用して屋外の過酷な条件でもすぐに分析ができる環境が実現していること、会議室に入るだけで参加者を画像で認識し、誰が何を発言したのかをテキスト化。その中から会議での決定事項を自動的に判別して、情報を共有するといった次世代の会議の姿などを紹介した。

 一方で、Windows 7およびOffice2010の延長サポートを2020年に迎えること、Windows Server 2008およびSQL Server 2008の延長サポートもそれぞれ2020年、2019年に迎えることを示ししながら、「Windows Server 2008およびSQL Server 2008は、Azureへ移行する場合には、3年間の無償延長を提供する支援策を用意している」とした。

 「Windows 7が発売された2009年7月は、iPhoneは3GSの時代であり、携帯電話はFOMAであった。いまでも、iPhone 3GSやFOMAを使っている人はほとんどいない。Windows 7は、そうした時代に開発されたOSであることを理解してほしい」と述べた。

Windows 7およびOffice2010の延長サポート終了について
Windows Server 2008およびSQL Server 2008の延長サポート終了について

 最後に、元号改正に伴う日本マイクロソフトの取り組みに触れた。

 現在では西暦を利用しているシステムも多いが、公的な文書など、多くのシーンで元号が利用されている。

 元号改正では、2019年5月1日に予定されている「即位の礼」によって新たな元号が適用される。

 だが新たな元号が発表されるのは、同年4月1日と見られており、わずか1カ月の猶予しかない。マイクロソフトでは、その期間に、外字デザインを行い、フォントファイルの更新を行い、検証し、配布をすることになるという。

 その後、パートナー企業がシステムへの展開および検証を行い、運用を開始するスケジュールだ。なお、Windows 10の更新ブログラムでは、すでに「??」表記で、元号を変更できる仕組みを提供している。

 西脇氏は、「外字は勝手に追加できず、国際標準機関と話をする必要がある。西暦と和暦のフォーマット変換が正しくできるか、シフトJISコードやユニコードなどを正しく認識できるか、順序が正しく認識できるかといったことを検証しなくてはならない。この作業は、来年にやらなくてはならないことを認識してほしい」と語った。

元号改正に関するスケジュール
元号改正にあわせたマイクロソフトの作業スケジュール
改元によってマイクロソフトが必要となる作業
改元によって必要となる項目
AIが元号を予測してみた。導き出したのは「仁永」