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マイクロソフトはどんな未来を描いていくのか? クラウド・AI時代のパートナー戦略を見る
Japan Partner Conference 2018 基調講演レポート
2018年9月4日 06:00
パートナー1社あたりのビジネス規模を拡大したい
これを受けて、日本マイクロソフト 執行役員常務 パートナー事業本部長の高橋美波氏は、2019年度のパートナービジネス戦略について説明した。
最初に、2018年度を振り返り、新規に公開されたクラウドベースのビジネスアプリケーションが865件になったこと、デジタルマーケティングやAIといった新たな領域でリリースされたソリューションが123個になったこと、CSPの売り上げが前年比392%になったことを紹介。また、新規に公開されたAzureベースのビジネスアプリケーションのうち、パートナーとの協業によって受注した案件が391件に達したことや、Azureの契約金額が前年比350%に到達したこと、CSPのパートナー数は2200社に達したことにも触れた。
そして、「CSPの数を増やすだけでなく、1社あたりのビジネスの規模を拡大したい。パートナーとの協業によって受注する案件は、今年は1000件を目指したい。パートナーと一緒に、顧客にソリューションを届けるといった活動を強化する」とも述べた。
2019年度のパートナー戦略については、業種/業態に応じたAIソリューションを紹介する「みんなのAI事例100選」を公開。また、日本にある44万3000台のWindows Server 2008およびSQL Server 2008のクラウド移行と、512万台のWindows 7搭載PCおよび1250万台のOffice 2010を新環境へと移行することを促進するという。
さらに、Microsoft 365およびE5による付加価値の向上を通じた商談単価の引き上げ、SAPマイグレーションとして、2025年までに対象になる1500社をターゲットとした施策を展開。Surfaceの販売のうち、20%をMicrosoft 365などと一緒に販売するas a Serviceへと移行するほか、中小企業やガバメントクラウドにおける売り上げを前年比30%増とする計画を打ち出した。また、働き方改革では、ホワイトカラーだけではなく、フロントラインワーカーに対する提案を進める姿勢を示した。
「特に、AIはさまざまな業種/業態での利用が増加し、2020年度には9000億円を超える市場規模になると見られている。製造、金融、情報通信でのAI利用の規模が大きく、AIの民主化を促進しながら、パートナーとともにさまざまなAIソリューションを提案したい」としたほか、ソーシャルAIチャットボットプラットフォーム「Rinna Character Platform」の提供を開始したことに触れ、「感情型のチャットボットをエンタープライズカスタマーに提供し、さまざまなソリューションをエンドユーザーに届けたい」とした。
さらに視覚障碍者がメニューや文書、周りの様子を音声で知らせるSeeing AIをビデオで紹介した。