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弥生が新ブランド「弥生 Next」を発表、業務効率化だけでなく業績向上も支援

 弥生株式会社は11日、事業戦略発表会にて同社の新ブランドとなる「弥生 Next」を発表した。新ブランドは、「業務プロセスの効率化に加え、データを活用することで業績向上を目指したい企業に向けて提供する」と、同社 代表取締役 社長執行役員の前山貴弘氏は述べた。

 前山氏は、これまでの同社の取り組みについて、「当社では、従来数十万円もする会計ソフトを購入しやすい価格で提供し、会計の専門知識を持たない小規模企業や個人事業主を手厚くサポートすることで、デスクトップソフトでもクラウドソフトでもシェアトップとなった」とアピール。業績についても、2023年度は売上が過去最高の251億円となり、2023年9月末の登録ユーザー数は310万以上になったと説明した。

弥生 代表取締役 社長執行役員 前山貴弘氏
弥生の業績

 その上で、「会計ソフトを単に記録や申告のためだけに使っていいのか、考えるようになった。大企業ではデータ活用の専門家がデータを分析し課題を把握している一方で、中小企業にはそのような専門家がいない。そのようなデータ分析が会計ソフトでできるのではないかと考えた。AIやクラウドの力と、会計データや業務データを活用することで、自社の課題や強みを把握し、業績を向上させる取り組みにチャレンジすべきだという結論に至った」と、弥生 Nextを立ち上げた背景について語った。

 弥生 Nextでは、「社内外のバックオフィス業務をゼロにすること」「会社の状況がわかるようにすること」「経営の意思決定ができるパートナーとなること」を目指すという。顧客像としては、起業初期の企業や業務の自動化を図りたい企業を想定し、企業規模は小規模~中堅規模をターゲットとする。

弥生 Nextの顧客像

 弥生 Nextで展開するソリューションは、会計、給与、商取引の3分野。第1弾として、まずは給与ソリューションとなる「弥生給与 Next」および「やよいの給与明細 Next」を、10月20日にリリースする。

 弥生給与 Nextは、給与計算や年末調整業務がクラウド上でできるサービス。年末調整の控除申告情報がウェブ上で回収でき、紙のやり取りやデータ入力の手間を効率化する。従業員も、給与や賞与明細書、源泉徴収票をスマートフォンなどで確認できるという。

 一方、やよいの給与明細 Nextは、これまで「やよいの給与明細 オンライン」として提供してきたクラウド給与明細作成サービスをリブランディングしたものだ。給与明細書をウェブで配信し、給与明細のペーパーレス化と効率化を実現する。

弥生 Next第1弾は給与

 両サービスは、弥生のウェブサイトから新規契約した場合、初年度は無料で利用できる。次年度からは、セルフプランを3万1000円、ベーシックプランを5万4200円、トータルプランを7万5000円で提供する予定だ(価格はいずれも税別)。

初年度は無償で提供

 前山氏は、「弥生 Nextの給与分野では、勤怠管理や労務管理などの機能も今後順次発表していきたい。また、会計分野や商取引の分野は、2024年にソリューションを広げていく考えだ」としている。

弥生 Nextの今後

 弥生 Nextが新たに誕生したことで、同社の製品ラインアップはデスクトップ型、クラウド型とあわせて3種類となった。

 今回弥生では、デスクトップ型の弥生シリーズ最新版となる「弥生24シリーズ」を10月20日に発売することも同時に発表している。24シリーズでは、インボイス制度に対応した機能を備えているほか、製品名にすべて「+クラウド」と追記することになった。

 これについて前山氏は、「デスクトップ版の弥生シリーズでもクラウド機能を提供していたが、それを伝えきれていなかった。デスクトップ版でもクラウドの良さを体感できるソフトウェアであることを伝えたいため、+クラウドという名称を追記した」と述べている。

デスクトップ版に「+クラウド」を追記