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弥生、クラウド型会計システムの新サービス「弥生会計 Next」を正式提供
「弥生給与 Next」では勤怠管理・労務管理の両機能を利用可能に
2025年4月9日 06:00
弥生株式会社は8日、クラウド型会計システム「弥生会計 Next」の正式リリースと、2024年に提供を開始したクラウド型給与システム「弥生給与 Next」のアップデートを発表した。これらが含まれる「弥生 Nextシリーズ」は同社の新しい製品群で、“バックオフィス業務がゼロ”“データ利活用”“会社の意思決定ができるパートナーとなる”バックオフィスソリューションを目指しているという。
代表取締役 社長執行役員兼最高経営責任者の武藤健一郎氏は、「今日は我々にとってはスタートラインに立ったところ。今後、新しい機能を増やし、もっともっと中小企業のバックオフィスに必要な機能などを採用していくことが、我々の今後のミッションになる。新たなミッションである『中小企業を元気にすることで、日本の好循環を作る。』にぜひ、期待していただければ」と、新シリーズと新しい企業ミッションをアピールした。
弥生では新しいスローガンとして、「この社会に、挑戦の循環を。」と設定。さらに新しいミッションは「中小企業を元気にすることで、日本の好循環を作る。」であると説明した。
新しいミッションの好循環とは、中小企業が抱える人手不足、テクノロジー活用の格差によって生まれるデジタルデバイドなどの課題を解消し、時間的・金銭的余裕や付加価値相応、売上増加によって従業員の給与向上といった好循環サイクルを作ることを指している。
「バックオフィスの効率化などによって中小企業の課題を改善し、弥生が好循環サイクルを作ることで、日本を元気にしていくお手伝いをする」(武藤社長執行役員)。
日本の中小企業の課題を弥生が解決できる要因として、武藤社長執行役員は「業務ソフト分野で71.4%のシェア、登録ユーザー数350万以上、年間問い合わせ件数120万件以上、提携会計事務所数1万3000以上と、日本で一番、中小企業のバックオフィス業務を理解している会社が弥生だから」とアピールした。
その核になるのが、弥生 Nextシリーズだ。4月8日に正式リリースした「弥生会計 Next」は、専門知識がない人でも簡単に利用可能で、事業成長に不可欠な経営プラットフォームになることを目指している。
「これまでの弥生会計は、経理担当者の業務効率化という、会計業務の効率化にフォーカスしたプロダクトとなっていた。それに対し弥生会計 Nextは、会計業務効率化だけではなく、経営そのもの、事業そのものを成長させていく存在になることを目指し開発を進めた。『経理担当者だけでなく、経営者にとっても必要不可欠なプロダクトになりたい』という思いで開発したものとなっている」(弥生 次世代本部 次世代戦略部 部長の広沢義和氏)。
2024年10月からスタートした先行体験プログラムには1000件以上のフィードバックがあり、利用者の声を反映しながら、経理に関する知識がない、創業間もない企業が利用しても使い方を迷わない「使い始めからカンタン」を実現。4つのステップによる初期設定が可能なほか、新設法人でもスムーズに設定できる機能(かんたん開始仕訳)に関しては、特許を取得しているという。
また、日常の仕訳業務などを行う際の「取込・仕訳がカンタン」では、明細ボックスを利用することで、銀行口座、クレジットカード口座などの口座の連携から仕訳登録までをスムーズに完結できる。
決算や作業中に数値を確認する作業を行う際の「数字確認がカンタン」は、ドリルダウン、ドリルアップで残高試算表、総勘定元帳、仕訳帳をストレスなく遷移して作業することができる。
さらに会計業務に加え、経費精算、請求業務、証憑の保存と管理、金融機関/クレジットカード/電子マネーの利用明細と入出金データ、税理士・会計事務所との連携、API連携による外部サービスとの連携を実現し、業務と取引データをシームレスにつなげる。
経営者向けには、3カ月分のデータをもとに「キャッシュ予測・評価」を提示する資金予測β版を提供し、経営に役立つソリューションとなることを目指していく。
1カ月あたりの価格(税別)は、「エントリー」プランが2900円、「ベーシック」プランが4200円、「ベーシックプラス」プランが7000円。なお、現行の弥生会計のユーザーが移行する場合には、現状ではCSVによるデータ吸い上げとなるが、「今後、スムーズにデータ移行できるツール提供なども検討していく。ただし、デスクトップ版も根強いファンがいるので、無理な移行は進めない。クラウド版ユーザーについても、どうしてもNextに移行しなければならない状況とはしない」と説明している。
弥生給与 Nextでは勤怠管理や労務管理の機能を提供
すでにサービスを開始している「弥生給与 Next」では、4月8日から新たに勤怠管理機能を、4月下旬からは労務管理機能を提供する。
「昨年10月にリリースをしてから、主に給与計算と年末調整を中心としたサービスを提供してきた。この度、大幅にサービス領域を拡張し、勤怠管理、労務管理機能を提供する。『給与・勤怠・労務。まとめてサクッとデジタル化』をキャッチコピーにプロダクトを提供していく」(広沢部長)。
「弥生勤怠 Next」は、自社の就業規則にあわせて柔軟に対応でき、スムーズな管理を実現するクラウド型勤怠管理システム。パソコン、スマートフォン、ICカード、静脈認証などによる多様な打刻方法への対応や、シフト管理ツールを用いた容易な管理を実現できるとした。
一方の「弥生労務 Next」は、入退社や公的保険の手続きをWebで完結でき、複雑な労務業務を効率化するクラウド型労務管理システム。社会保険・雇用保険・労災保険関連など、110種類以上の届け出をオンラインで完結可能で、業務のデジタル化により担当者の負担を軽減するとしている。
料金プランは、年末調整を外部に委託している企業に向けた「エントリーライト」(給与)と「エントリー」(給与・勤怠)に加え、年末調整を自社で行う企業に向けた「ベーシックライト」(給与・勤怠)と「ベーシック」(給与・勤怠・労務)、「ベーシックプラス」(給与・勤怠・労務)を用意する。
1カ月あたりの価格(税別)は、エントリーライトが750円、エントリーが1700円、ベーシックライトが3000円、ベーシックが4600円、ベーシックプラスが7000円。