ニュース

UiPath、自動化プラットフォーム最新版を発表 セマンティックオートメーションの第1歩

 UiPath株式会社は1日、自動化プラットフォームの最新版となる「UiPath 2021.10」を発表した。同日より提供開始する。

 UiPath マーケティング統括本部 プロダクト&イベントマーケティング部 部長の原田英典氏によると、UiPath 2021.10で注力した主なポイントは、「エンタープライズ規模の管理運用」「プラットフォームの拡大」「自動化業務の連携」「ユニバーサルプラットフォーム(クラウドとオンプレミスの融合)」の4点。これらのポイントを中心に、100以上の新機能や機能強化を実現したという。

UiPath マーケティング統括本部 プロダクト&イベントマーケティング部 部長 原田英典氏

 まず、エンタープライズ向けに運用性を向上させた。Self-Healing機能では、自動化プロセスが稼働する端末の正常性やリソース状況を監視、エンタープライズ環境での運用工数や環境起因のエラーを削減する。また、自動化環境の更新機能により、UiPath Studio、UiPath Robots、UiPath Assistantなどのツールをワンクリックで自動更新できるという。

UiPath 2021.10の強化点その1エンタープライズ向けの機能を強化

 ガバナンスとセキュリティの向上も実現した。セキュリティ企業のCrowdStrikeと連携し、RPA向けにエンドポイントセキュリティを提供するほか、シングルサインオンとして、Azure Active Directory(AD)およびEasy SSOとの連携を図る。

 プラットフォームの拡大に関しては、買収したCloud Elementとの統合をさらに進め、UiPath Integration Serviceとして200以上のクラウドサービスAPIコネクタを提供する。またサービストリガーにも対応し、クラウドサービス側で値が変わった際に自動的にロボットを実行する機能も追加した。さらに、Cross-Platform Robot機能も提供、UiPath RobotsがLinux上でも動くようになる。今後Mac OSにも対応する予定だという。

UiPath 2021.10の強化点その2――プラットフォームの拡大

 自動化業務の連携については、自動化業務サイクルを発見するUiPath Process Mining、UiPath Task Mining、UiPath Automation Hubといった製品が、すべてオンプレミスとクラウドの両方で実行できるようになった。また、自動化業務サイクルの連携強化に向け、UiPath Automation HubとUiPath Studioを連携。これにより、開発の際に自動化パイプラインと開発環境をひも付けられるようになり、進捗が柔軟に把握できるという。

UiPath 2021.10の強化点その3――自動化業務の発見

 ユニバーサルプラットフォームについては、「クラウドとオンプレミスが融合する新たな展開モデルだ」と原田氏。UiPath Automation Suiteにより、すべてのサーバー製品をクラウドとオンプレミスの双方で利用できるようになるほか、シングルインストール式のコンテナ化パッケージにより、UiPathの全サーバー製品をKubernetesでコンテナ化するとともに、組み込み済みのプラットフォーム管理ツールと統合して提供する。

UiPath 2021.10の強化点その4――ユニバーサルプラットフォーム

 また、Automation Cloudでは、Automation HubとTest Managerが新たにSOC2に対応。さらに、Automation Cloudのログを出力するなどしてクラウドストレージとの連携を強化している。

製品の方向性は「セマンティックオートメーション」

 UiPath 代表取締役CEOの長谷川康一氏は、今後の長期的な製品戦略として「セマンティックオートメーションを推進する」としており、UiPath 2021.10がその第1歩だと語る。

UiPath 代表取締役CEO 長谷川康一氏

 セマンティックオートメーションとは、オートメーションが自己学習することで、企業の業務や個人の仕事のビジネス上の文脈を理解し、自動化対象業務や自動化のためのワークフローを提案するというものだ。

 「ビジネスの経験のある人が、大まかな指示だけで文脈を理解し作業できるように、オートメーション自体が業界やその会社、さらには個人のビジネスの文脈を理解することで、人間と同じように作業ができるようになる。これにより、人間は最終判断や創造的な考え方に集中できるようになる。このように、セマンティックオートメーションは人間の可能性をより広げていくものであり、これがUiPathの長期製品戦略だ」と長谷川氏は述べた。

自動化がセマンティックオートメーションへと進化