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大東港運、通関申告業務をはじめとした業務自動化にUiPathを導入

 UiPath株式会社は7日、大東港運株式会社が、RPAプラットフォーム「UiPath」を導入し、導入から2年で計120以上の自動化ワークフローを開発し、年間2万5000時間の余剰時間を創出したと発表した。

 大東港運は、港湾運送事業、通関業を中心に、輸出入貨物の取り扱いに関する事業を展開し、港湾内の一時集積所から保税倉庫間の物流、検疫、通関にかかわる業務を一貫して担っている。一方、近年、港湾運送業界では、深刻な人手不足と、人口減少に起因した業界全体の取扱高の縮小に関する懸念もあり、このような環境変化に対応する意味でも、限られた人員で最大の生産性を上げていくことが、重要な経営課題となっているという。

 こうした背景から、大東港運では、2018年にデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環として、RPA製品のトライアルに着手。複数製品を比較検討した結果、UiPathの導入を決定した。選定にあたっては、洗練されたユーザーインターフェイスに加えて、他社と比較して多くの技術情報が公開されており、ユーザーコミュニティの活動も活発なことから、自動化開発を最もスムーズに進められるのがUiPathであるとの判断に至ったという。

 また、大東港運では、基幹システムであるOBIC7をリモートデスクトップサービス経由で利用しているが、そうした環境でもロボットが画面内の要素を問題なく認識できるという親和性の高さも、採用の重要な決め手となったとしている。

 2018年11月のUiPath導入決定後、大東港運では最初の業務自動化プロジェクトとして、主幹業務である通関申告業務の自動化に着手した。

 検疫や通関など、行政とのやり取りが必要となる業務においては、各種申請や申告に関わる膨大な書類が必要となり、1つの海上コンテナの輸出入に必要な書類の厚さが1センチを超えることも珍しくないという。また、大東港運が年間に扱うコンテナは、10万本におよび、書類の多くは、顧客から届く受注書や伝票などをシステムに転記入力するという単純作業の繰り返しがほとんどであることから、これらの作業の自動化に取り組んだという。

 大東港運では、この通関申告業務のワークフローを皮切りに、導入後2年の間に、計120以上の自動化ワークフローを開発し、年間2万5000時間に上る余剰時間を創出したと説明。これは、従業員12.5人月分のリソースに相当するが、従業員数400名規模の企業としては、突出した成果となるとしている。

 また、UiPathの活用は、ペーパーレス化の推進にも貢献していると説明。以前から、通関関連の書類はPDF化して文書管理システムにアップしていたが、1つのPC画面でPDFファイルの参照と別のアプリケーション画面での入力を行う作業が煩雑なため、PDF文書を印刷して社内回覧するという形になっていたという。これに対して、PDF化した通関関連書類を特定のフォルダに格納すると、RPAがそれを文書管理システムに自動登録する仕組みを整え、PDF内の情報の転記とフォルダへの保存をRPAに任せたところ、社内回覧の紙は一切なくなったとしている。

 今後、大東港運では、さらなるデジタル技術の活用を検討しており、その1つとして、AI-OCRの活用により通関情報をデジタル化し、その情報をRPAと連携させることで、さらなる業務効率化を期待しているという。また、UiPathでは、今後も引き続き大東港運の業務効率化支援に取り組むとともに、各種製品も提供することで、同社のDX推進に貢献していくとしている。