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NEC、顔認証を利用したスマートビルディング向けの入退・決済ソリューション 一度の顔登録で複数サービスを利用可能

 日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、スマートビルディングに取り組む事業者を対象として、顔認証を活用した入退・決済ソリューションを11月中旬から順次販売開始すると発表した。同ソリューションでは、一度の顔登録でオフィスビルへの入退場や売店の決済など、複数のサービスを利用できる点が特徴という。あわせて、エッジでの顔認証を行える「NEC 顔認証エッジデバイス」を、11月下旬より提供開始するとのこと。

 今回NECが提供するのは、生体認証を共通のIDとして利用できる、スマートビルディングの環境に特化したソリューション。従来提供してきた生体認証とID連携を統合した機能をベースに、オフィス・複合商業施設・集合住宅など、利用企業のニーズや事業環境にあわせて簡単かつ短期間に導入可能な、さまざまな顔入退ソリューションや顔決済ソリューションを用意する。

 このうち顔入退ソリューションでは、顔認証によって、セキュリティを保ちながら、ビルやフロア入り口のエントランスゲートなどのスムーズな入退場を実現する。マスク着用のまま立ち止まらずにゲートを通過できるウォークスルー型をはじめ、多様な提供バリエーションを要望にあわせて提供できるとのこと。

 また、既存の入退管理システムとの連携機能を標準搭載し、NEC本社ビルのデジタル化プロジェクトをはじめ、同社がこれまでに蓄積した構築ノウハウを標準化したことで、信頼性の高いシステムを短期間に導入できるとしている。

 構成・価格例(税別)は、「入退管理システム連携 タブレット型」で、顔入退タッチポイントが20カ所、既存入退管理システムとの連携ありの場合、初期費用が1500万円から、月額費用が41万円から。「受付タブレット型」で、顔入退タッチポイント2台、入退管理システム連携なしの場合では、初期費用が300万円から、月額費用が32万円から。

顔入退ソリューションの提供形態

 2つ目の顔決済ソリューションは、ビル内の売店や食堂などで、現金やクレジットカードを取り出すことなく、顔認証によるスムーズな決済を実現するもの。顔認証とPINコードによる2要素認証にも対応し、対面レジやセルフPOS、食堂などの多くのシチュエーションにおいて、豊富なバリエーションを企業の要望にあわせて提供できるという。例えば、カフェテリアでは、トレーから手を放すことなく、会計台にトレーを置くだけで決済できる購買体験を実現するとのこと。

 さらに、既存の店舗システムやPOSと容易に接続できる機能も備えており、簡単かつ短期間での導入を行えるとした。なおこちらのソリューションについても、マスク着用時での顔認証を利用できる。

 構成・価格例(税別)として、「POS改造不要型」で、有人レジ5カ所/POS決済情報と連動なしの場合、初期費用が330万円から、月額費用が16万円からとなる。

顔決済ソリューションの提供形態

顔認証エッジデバイスも提供

 また今回は、NECが持つ高精度の顔認証技術やさまざまな事業経験で培ったノウハウをもとに、精度や利便性を向上させた顔認証向けのエッジデバイス「NEC 顔認証エッジデバイス」も提供開始する。

 このデバイスは、マスク対応の顔認証技術に加え、なりすまし対策機能や、人感センサーによるタッチレス起動など、ニューノーマル時代に求められるさまざまな機能を標準搭載しているという。

 価格(税別)は、ハードウェア端末、プラットフォーム連携エッジソフトウェアなどを含めて、35万円から。