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トランスコスモスとAI inside、非定型帳票のデータ処理の効率化に向けた2つのソリューションを提供

 トランスコスモス株式会社とAI inside株式会社は17日、トランスコスモスが持つ業務に特化した専門的な知見と、AI insideのAI技術を組み合わせ、非定型帳票のデータ処理の効率化に向けた2つのソリューションを提供すると発表した。

 非定型帳票とは、手書き文字、表形式、複数ページにわたる文書など、多様なフォーマットで提供される文書を指し、手書き伝票、契約書、診療記録、発注書、作業報告書など、さまざまな種類が含まれている。

 両社は今回、多様な非定型帳票を効率的に処理する2つのソリューションを共同で開発し、医療、金融、製造、流通、小売、公共機関など、幅広い業界に対して提供するとした。

 このうち1つ目のソリューションはモデル学習を支援するもので、AI insideのマルチモーダルなAI統合基盤「AnyData」を活用し、AIが帳票ごとに個別学習することで、定型・非定型・手書き・複雑なレイアウトなど、多様な帳票に対応可能。また、トランスコスモスのアノテーションを加えることで、データの精度向上が図れるとした。

 2つ目は、全文OCRによって帳票内のすべての文字情報を読み取り、生成AIで項目情報を抽出するソリューション。日本語ドキュメント処理に特化したSLM(小規模言語モデル)の「PolySphere」によって、必要な項目を高精度に抽出・データ化できるとのことで、従来は人手に依存していた複雑な帳票処理の自動化により、業務の精度と効率の向上が見込めるとのこと。なお、より高い品質で提供するために、トランスコスモスの補正ツールを活用して最適化を図るとしている。

 今回の両社の取り組みでは、この2つのソリューションを、帳票の特性や難易度に合わせて使い分け、非定型書類のデータ化を支援する。またデータ化とあわせて、既存プロセスの見直しや効率化を行い、業務プロセス全体の最適化を実現するとした。

 なお、エッジコンピューター「AI inside Cube」によるオンプレミス運用により、外部サーバーに依存しない高度なセキュリティ環境を確保できることから、機密情報を扱う業務でも、安全かつ効率的なデータ処理を実現できるとのこと。