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エンタープライズITに迫りくるエッジコンピューティングの足音―― VMwareが「Amazon RDS on VMware」「Project Dimension」などを発表

~VMworld 2018 初日キーノート

Project Magma:AIによるデータセンターの”セルフドライビング”

 2つ目のテクノロジープレビューとして発表された「Project Magna」は、マシンラーニングを活用してデータセンターの自動化と最適化を進める取り組みで、オファレル氏は「VMwareのSDDCには“Software Defined Data Center”のほかに“Self-Driving Data Center”の意味もある」と表現している。

 Project Magmaでは、データセンターやエッジから取得した膨大なデータをベースに学習を繰り返し、モデル化、テスト、ネットワークの再構築を自動で行い、データセンター全体のパフォーマンスの向上を図るとしている。

ESXi on 64-bit Arm:ついにVMwareがArmのサポートを開始

 VMworld 2018で発表されたアップデートの中で筆者がもっとも驚かされたのが、ついにVMwareがArmプロセッサのサポートをスタートした、というニュースだ。もっともこれもテックプレビューの扱いであり、しかも限られた組み込みOEMベンダーに対してのみの提供ではあるが、歴史的に大きなマイルストーンであることは疑いない。

会場からも驚きの声が上がった64ビットArmのサポート開始。限られたOEMベンダーに対してのみの提供とはいえ、VMwareユーザーにとっては時代の変化を感じさせる衝撃的なニュースとなった

 キーノートでは、Arm Cortex A72プロセッサを搭載したデバイスが、風力発電会社のエッジにおいて180日間にわたって稼働したデモが紹介されており、限定とはいえ、確実に“Armプロジェクト”がVMware内で進行中であることを感じさせる。

 5年前のVMworld 2013でゲルシンガーCEOにインタビューした際、「Armのサポートをする予定は当面ない。なぜならArmサーバーで保護すべきエンタープライズアプリケーション資産がほとんどないからだ」と、ゲルシンガーCEOがはっきりと言い切ったことを覚えている。

 だが5年後の現在、VMwareがArmのサポートに踏み切った理由は、Armで動くエンタープライズアプリケーションが増えたからではなく、エッジコンピューティングという大きなトレンドに起因する。

 一般提供までは、まだ相当の時間を要すると見られるが、VMwareの今後のビジネスを大きく左右するテクノロジーとして引き続き注目したい。