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エンタープライズITに迫りくるエッジコンピューティングの足音―― VMwareが「Amazon RDS on VMware」「Project Dimension」などを発表
~VMworld 2018 初日キーノート
2018年8月30日 12:04
Project Dimension:クラウドとエッジの新しい関係性
2018年の重要なITトレンドのひとつとして間違いなく挙げられるキーワードに「エッジコンピューティング」がある。IoTが普及するにしたがい、個々のデバイスやその周辺のサーバー、データセンターを“エッジ(Edge)”としてとらえ、エッジ内で扱えるデータ量やワークロードを増やすことで、クラウドにアップロードする負荷や時間を軽減する動きが活発化しており、エンタープライズの世界にもその流れが確実に到来している。端的に表現すれば「(工場や支社などの)エッジの中に小さなクラウドを作る」といったイメージだろうか。
今回、テクノロジープレビューとして発表された「Project Dimension」は、VMwareによるエッジコンピューティングへの取り組みで、「VMware Cloudのシンプリシティをエッジ(ブランチオフィスやデータセンター含む)にもダイレクトに提供する」ことをゴールに掲げている。
具体的には、vSphereやvSAN、NSX/NSX SD-WAN(買収したVelo Technologiesの技術)で構成された仮想化済みのハードウェアまたはハイパーコンバージドインフラ(HCI)アプライアンスをエッジに設置し、VMware Cloud Servicesのひとつであるモニタリング機能(Hybrid Cloud Control Plane)をSaaSとして提供する。
これにより、エッジの管理者はリソースの状態をリアルタイムに把握することが可能となり、デバイスの故障や緊急性の高いパッチのアラートなどに対応しやすくなる。
「Project Dimensionはエッジ内でできることを増やし、クラウドへの一極集中を回避することで、コストと時間の大幅な短縮を実現する。このシンプルなシステムにより、顧客は自社のビジネスとイノベーションに集中できる」とオファレル氏はコメントしている。
もっとも現時点ではProject Dimensionはテクノロジープレビューという名の“プロジェクト”に過ぎず、Dell TechnologiesとLenovoによるハードウェア協力のもと、VMwareおよびアーリーアダプタの顧客とともにPoCとして検証中だ。仮想化技術のトップベンダーであるVMwareがエッジコンピューティングの世界にどんな変化をもたらすのか、興味は尽きない。