大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ

Boxは単なるファイル置き場ではない――、日本で躍進する“Boxの今”を追う

日本市場を重要視するBox

 BoxWorks 2019の会期中には、日本からの参加者だけを対象にした説明の場が設けられ、約2時間30分に渡る特別の説明が行われた。他社の場合には、こうした日本からの参加者向けセミナーの場合、日本法人の担当者が説明をすることが多いが、BoxWorksでは、米Boxのジートゥ・パテルCPOが出席したほか、米本社から5人のプロダクトマネージャーが出席。日本からの参加者は、本社の開発者やプロダクトマネージャーなどに対して、課題を指摘したり、要望を述べたりといったことが行われた。パテルCPOも、当初の予定時間を超えて参加するという力の入れ具合だった。

 これは、米本社が日本の市場を重視していることの裏付けともいえる出来事だった。

 パテルCPOは、「日本は重要な市場であり、日本からの要望に積極的に応えていきたい」とコメント。実際、参加者から数多くの質問や要望が寄せられた。

 Box Japanの古市社長は、「昨年は、質問にも少し遠慮がちのところがあったが、今年はかなり積極的だった。パートナーやユーザーから、Boxに対する期待が高まっていることを感じる」と手応えを示してみせる。

 シリコンバレーをはじめとして、米国に本社を置く企業が現地で開催するイベントは、本社幹部のコメントなどから、その企業の勢いを感じることができるのが一般的だが、今回のイベントは、それだけでなく、参加した日本のパートナーや顧客からも、Boxの勢いを感じることができるものとなった。