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Box Japan、「Box Relay」の新バージョンを国内で提供開始

ビジネスプロセスを自動化する機能を大幅拡充

 株式会社Box Japanは16日、従業員やパートナー、顧客など社内外の組織を横断するビジネスプロセスを簡素化・加速化する「Box Relay」の新バージョンを国内で提供開始したと発表した。同日に行われた記者説明会では、「Box Relay」の製品概要やバージョンアップのポイントについて紹介した。

 「Box Relay」は、法人向けクラウド・コンテンツ・マネジメントサービス「Box」のオプション製品となるもので、コンテンツを中心としたワークフローを簡単に作成するための機能を提供する。今回の新バージョンでは、パワフルになったワークフローエンジンやシンプルなユーザーエクスペリエンス、トリガーなどの機能を新たに追加し、コンテンツに関するプロセスの自動化がさらに容易に行えるようになった。

 「Box Relay」の概要説明に先立ち、Box Japan 執行役員 マーケティング部 部長の三原茂氏は、「Box」のビジネス状況について、「現在、『Box』の顧客企業は、グローバルで9万5000社に達しており、Fortune500の企業の70%に利用されている。日本市場においても、顧客企業が4800社を超え、日経225の45%、攻めのIT経営銘柄2019の62%が『Box』のユーザーとなっている」と、大手企業への導入が拡大していると強調。

Box Japan 執行役員 マーケティング部 部長の三原茂氏

 「『Box』は、単なるファイル置き場ではなく、法人向けに特化したクラウド・コンテンツ・マネジメントサービスであり、企業内のコンテンツを一元管理することが可能となる。さらに、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)へのステップアップを支援する各種製品をオプションとして提供している。その中で、『Box Relay』は、デジタルワークプレイスとデジタルビジネスをつなぎ、コラボティブビジネスプロセスを実現する製品と位置付けている」(三原氏)と述べた。

「Box」の製品概要
「Box」が実現するDXのステップ

 「Box Relay」新バージョンの機能強化ポイントについて、Box Japan 執行役員 Sales Engineering&GTM Enablement部 部長の西秀夫氏は、「これまで『Box』では、基本機能として簡易的な自動化機能を提供していたが、『管理者だけしか設定できない』、『トリガーやアクションが少ない』、『ほかのBoxオプションとの連携ができない』などの問題点が挙げられていた。そこで、『Box Relay』の新バージョンでは、この自動化機能を統合するとともに、さらなる機能拡充を行い、従来の問題点をすべて解決した。これにより、ユーザーは、IT部門のサポートがなくても、予算の承認プロセスや契約更新などのクリティカルなビジネスプロセスを容易に自動化することができる」と説明した。

Box Japan 執行役員 Sales Engineering&GTM Enablement部 部長の西秀夫氏

 主な新機能としては、パワフルワークフローエンジンでは、IFTTT(イフト:If This Then That)のトリガーと出力の広範なリストを搭載し、連続的かつ並行して発生するワークフローなど、複数の業務プロセスをサポートする。また、日付やドロップダウン、マルチセレクト、オープンテキストフィールドなどのメタデータ属性に基づいて、コンテンツのルーティングを行う条件付きロジックも搭載している。これによって、多種多様なイベントをトリガーとして、さまざまな結果を指定することが可能となった。

「Box Relay」ワークフローのトリガーと結果

 ワークフロービルダーでは、ビジネスユーザー向けに新たにデザインされたシンプルなUIを採用。プロセスのオーナーは、IT部門のサポートを受けることなく、コード不要でプロセスの構築や編集、実行をすることができる。

 また、顧客やベンダー、パートナーなど外部関係者へのタスクの割り当てが可能となり、シームレスな外部コラボレーションを実現。これにより、組織全体または組織間におけるコンテンツのフローで発生しがちなプロセスの中断を防止する。さらに、直感的なモバイル・エクスペリエンスにより、ユーザーは、モバイルデバイス上から保留中のタスクリストの確認やリアルタイムでのプッシュ通知を受け取ることが可能となった。

 視認性とアクセスコントロールの向上では、ワークフローの履歴確認にリアルタイムで可視化できるダッシュボードを採用し、進ちょくを追跡できるようになった。プロセスオーナーは、レポート要件を簡素化するための出力可能な監査履歴により、誰がワークフローを作成、更新、削除をしたかを確認することができる。また、管理者は、ワークフローの作成、編集、管理の割り当てに、特定のユーザーまたはあらゆるユーザーを選択することができる。

 このほか、SalesforceやPega、Nintexなど他社のワークフロープラットフォームのビジネスプロセスとの連携もさらに強化している。

 なお、「Box Relay」の新バージョンは、有料版と無料のLite版を用意しており、販売代理店を通じて提供する。