サイボウズ担当者が語る「kintone」活用術（1）
～「kintone」はなぜ「FAST」システムなのか

　はじめまして。この度クラウドWatchにて弊社サービス「kintone」を全6回にわたってご紹介させていただきます、サイボウズ株式会社の前川と申します。最近ハマっている食べ物はドーナツです。よろしくお願いいたします。

チームで使う業務アプリが欲しい時にすぐ手に入る、「FAST」なシステム「kintone」

　さて、突然ですが「新しい業務システムを導入する」というと、皆様は導入までにどれくらいの期間が必要だと想像するでしょうか。

　システム要件の検討、仕様書の作成、ソフトやハードの購入、システム開発……と、導入までには長い道のりが待っています。用件の検討から開発完了を経て稼働を開始するまでに、半年や1年、場合によっては3年以上の長い時間をかけて導入するケースもあります。

　今回からご紹介する「kintone」のコンセプトは「チームの業務で使えるFASTシステム」。新しい業務システムを思い立って10分程度ですぐに導入できるんです。10分で業務システムが作れる……といっても、なかなか想像がつかないかもしれません。連載第1回目の今回は「kintone」がなぜ「FAST」なのかを中心にご紹介させていただきます。

キーワードは「すぐ手に入る、安心の品質で、安価な製品」

　皆様の身近にも「ファストフード」や「ファストファッション」は数多く存在していると思います。この「FAST」をコンセプトにした商品たちは、今や利用したことが無い人のほうが少ないほどに私たちの生活に密着しています。

　これらと同じコンセプトをITシステムでも実現できないかという発想から「kintone」は生まれました。

　チームの業務で使えるシステムというと、たとえば営業部の案件管理や交通費申請、サポート部門ではお客様のお問い合わせ履歴や顧客名簿、情報システム部門ではレンタル機器管理、法務部門では契約書管理など、その部署やチームの業務にあわせてさまざまなシステムが存在します。

　kintoneは、こうした業務に合わせたシステムアプリケーションを、すぐに手に入れることができます。アプリの作成方法は3通り。ひとつはサイボウズが提供する「kintone アプリストア」でほしいアプリを選ぶ方法。

サイボウズやパートナーが開発した豊富なアプリを用意

　この方法なら、必要なアプリを選んでクリックするだけで、ご利用中の「kintone」にアプリが追加されます。

　2つ目は、Excel・CSVファイルから作成する方法。たとえば現在Excelで管理しているレンタル機器の情報を、クリック操作だけで「kintone」に取り込んでアプリにすることができます。Excelだと、最新版のファイルが分らなくなってしまったり、二重に更新してしまうトラブルが発生しがちですが、「kintone」なら常に最新版のオリジナルなデータを共有することができるので、そういったトラブルを防ぐことができます。今まで培った情報資産を無駄にすることもありません。

Excelファイル（左）が、Webアプリケーション（右）に生まれ変わる

　最後は、アプリを1から自由に作る方法です。1からといっても、あらかじめ用意されたフォームパーツをドラッグ＆ドロップで動かして作るだけなので、プログラミングなどの専門知識は一切ありません。ちなみに私も、恥ずかしながらプログラミングや開発の知識は一切ありませんが、業務日報のアプリなど簡単なものであれば、3分程度ですぐに作れます。

アプリを1から作成

　「kintone」の特長は、それだけではありません。情報を溜めて共有する基本のデータベース機能のほかに、適切なプロセスでタスクを処理するプロセス管理機能や、データひとつひとつに対してコメントを付けたり、その中でディスカッションしたりすることができるコメント機能も搭載しています。

　ただデータを共有するだけならば、Excelなどでデータを作成してファイルサーバーにアップする方法があります。しかし「kintone」がそれらのシステムと違う点は『チームの業務に特化したシステム』ということです。

　データの共有だけでなく、チーム内でプロセスを管理する機能や、データにひもづいたコミュニケーションができる機能を搭載しているため、チームのパフォーマンスを最大限に引き出せます。

データにひもづいたコミュニケーションができる機能を搭載

ひとつのデータに対して、会話形式でディスカッションが可能

　そのほか、「kintone」にはグラフ作成機能や時間計算、アクセス権、全文検索など、便利な機能を多数搭載しています。

　また、サービスの開発・運用・サポートはすべてcybozu.comが提供しています。常時SSL、IPアドレス制限、BASIC認証を無料で利用でき、お客様ごとにサブドメインを発行し、独自のログインURLでのアクセスすることも可能です。バックアップも毎日作成していますので、日本メーカーならではのきめ細やかさで、お客様に安心してご利用いただける品質のサービスを提供しています。

　「kintone」は初期費用無料、アプリケーションの構築数は無制限。つまり、部門やチームの業務に合わせていくつでもアプリをダウンロード、もしくは作成できます。利用ディスク容量1GB、SSL通信、IPアドレス制限、BASIC認証が標準構成で搭載されて、価格は月額880円/ユーザーです。

　このように「すぐ手に入る、安心の品質で、安価な製品」というキーワードで、FASTシステム「kintone」は発売以来、多くのお客さまからのご支持を得ています。

　さて、第1回目となる今回は「kintone」の概要を中心にご説明させていただきました。第2回以降は、実際の活用事例や、現場での活用事例、kintoneのお悩み解決FAQ、人気アプリTOP 5など、より具体的なご説明をしてまいりたいと思います。

　それではまた第2回でお会いしましょう！　ありがとうございました。