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TOPPAN、店舗や営業拠点などリアルの価値を最大化する「リアル・トランスフォーメーション」化支援サービスを提供
2025年12月26日 09:00
TOPPAN株式会社は24日、リアル店舗や営業拠点のデータを統合・分析・活用する「RXデータ基盤」を開発し、この基盤を核として、企業のリアル接点中心のビジネス変革を支援する「リアル・トランスフォーメーション(RX)」化支援サービスを、店舗を運営する小売、メーカー、自動車、金融機関等に向けて2025年12月下旬に提供開始すると発表した。
TOPPANでは、今後拡大するAIコマースに向け、企業のリアル店舗や営業拠点などのリアルの価値を最大化し、競争優位の中心とする「リアル・トランスフォーメーション(RX)」を提唱している。
TOPPANが開発したRXデータ基盤は、店舗での顧客・従業員の行動データや商品データを統合・可視化・分析し、顧客・従業員・商品の三位一体でリアル接点中心のビジネス変革を推進する核となる。この基盤は、接客ログや位置情報などのデータ取得・分析により店頭のデータを可視化し、リアル拠点のデータドリブン化を後押しする。
TOPPANは、この基盤を活用した「リアル・トランスフォーメーション(RX)」化支援サービスを提供する。顧客が商品やサービスへの納得感や感動を伴って購入する瞬間(プラチナモーメント)をRXデータ基盤のデータ解析から導き出し、顧客・商品・従業員それぞれへのフィードバックをサイクル化する。これにより、デジタル接点の均質化が進み、リアル接点での差別化がより重要になると予測されるAIエージェント時代において、新たなLTVの向上や業務効率化を実現するとしている。
RXデータ基盤には、まずトレジャーデータ株式会社のカスタマーデータプラットフォーム(CDP)「Treasure Data CDP」を中心としたデータ基盤群を用い、サービスの提供を開始する。
支援サービスでは、RXデータ基盤を核に、「リアルデータの取得、各データ統合」「AIによるデータ分析・ナレッジ化」「体験設計・施策実行レイヤー(CX・AIコマースの高度化)」の3つのレイヤーで、AIコマース向けのリアル接点におけるデータ活用を支援する。
「リアルデータの取得、各データの統合」では、店舗・営業接点で発生する、顧客と従業員の会話データ、接客ログや、顧客の店内回遊、滞在、行動履歴、店内の位置情報(商品・従業員)、VMD情報、各種センサー情報、商品マスター、在庫・販売実績などの商品関連データ、商品口コミ・レビュー情報などの多様なデータを収集し、RXデータ基盤に統合する。これにより、リアル拠点の状態を定量的に把握し、課題の可視化と改善サイクルの高速化を可能にする。
また、行動データの可視化を、店舗の防犯・万引対策や従業員へのカスタマーハラスメント予防など、物理的/心理的セキュリティの強化にもつなげ、働きやすく安全な職場環境の整備も支援する。
「AIによるデータ分析・ナレッジ化」では、RXデータ基盤上に統合されたデータを用いて、AIを活用した分析とナレッジ化を行う。
商品力の高解像度化に向けては、顧客の口コミや従業員の評価など、感性的な外部情報を商品データベースに取り込み解像度を向上させる。AIによる多角的な分析で、個々の顧客に響く訴求ポイントの抽出やコピー生成、商品開発への具体的なフィードバックを実現する。
接客ノウハウのナレッジベース化、水平展開に向けては、各店舗で蓄積される接客ログと販売情報から、ハイパフォーマーの接客ノウハウを音声AIなどで抽出し、各店舗・各従業員へ展開する。これにより、接客品質の平準化・高度化と従業員の成長を支援し、顧客体験の底上げにつなげる。
これらの分析・ナレッジ化の結果は、顧客・従業員・商品のデータを統合し、「どの顧客が、どの商品を、どの従業員の接客を通じて、どのような体験価値を得たか」を一貫した指標で捉えることに生かされる。
「体験設計・施策実行レイヤー(CX・AIコマースの高度化)」では、分析・ナレッジ化されたインサイトを基に、リアルとデジタルを横断した体験設計・施策実行を支援する。
デジタル/リアルのハイブリッドCXに向けては、Treasure Data CDPと連携し、顧客の嗜好に合わせてAIで行動予測やターゲット抽出を行う。SNSやメールといったデジタルメディアだけでなく、DMやサンプル送付などのリアルメディアも組み合わせ、顧客ごとに最適なチャネルとタイミングで施策を自動実行する。
AIコマースへの対応では、RXデータ基盤の商品データを、AIが利用しやすい形式に構造化して保持し、顧客データと掛け合わせて活用することで、エージェントコマース時代のレコメンド高度化やコンテンツ生成を支援する。これにより、AIエージェント経由のコンバージョン向上と、リアル店舗での体験価値の一貫した最適化を両立する。
これらのフレームワーク・データ基盤構築の支援を通して、個別のサービス導入にとどまらず、企業全体のリアル接点を横断したRXの実現を支援する。
「リアル・トランスフォーメーション(RX)」化支援サービスの価格は、システム開発と導入支援で1500万円から(施策・内容に応じて個別見積もり)。TOPPANは、リアルな店舗の運営や契約型の営業サービスなど、顧客とのリアル接点を強化したいリテール・メーカー・自動車・金融機関・保険業界などの企業を中心に、2030年度までに関連受注を含め約50億円の売り上げを目指す。

