サイボウズ担当者が語る「kintone」活用術

サイボウズ担当者が語る「kintone」活用術(3)
~自社事例【営業・マーケティング部門編】

 こんにちは。サイボウズ株式会社「kintone」プロモーション担当の前川です。好きなジュースはカルピスソーダです。今回もどうぞよろしくお願いいたします。

 連載第1回では「kintone」の基本機能を、第2回では導入事例をご紹介させていただきました。今回からは「kintone」実践編ということで、サイボウズ社内で実際に運用している「kintone」のアプリを第3回、第4回の前後編に分けてご紹介したいと思います。
 前編となる今回は、営業・マーケティング系部門で使われているアプリのご紹介いたします。

営業系部門での活用例:「コンタクト履歴」で活動履歴や連絡を一元管理

 サイボウズでは、クラウドサービスに関してお問い合わせをいただいたお客さまや、試用にお申込みいただいたお客さまのデータを「kintone」で一元管理しています。

コンタクト履歴画面

 新たな案件が発生した場合に、このコンタクト履歴アプリに詳細を登録していきます。アプリに案件を登録していくことで、誰がどの案件を担当していて、現在どういうステータスになっているのか、また、過去にどういう活動をしてきたかを共有することができます。

とある空調設備関係のお客さまに関するデータ。担当者や最新コンタクト日などが記録されている

 このアプリは営業部門のメンバーだけでなく、お客さまからサービス導入に関するお問い合わせを受けるインフォメーションセンターのメンバーや、私たちマーケティング部門のメンバーも閲覧することができます。お客さまとのやり取りに関して必要な情報は、営業メンバーに聞く前にまずこのアプリで確認するようにしています。

赤枠部分はアクセス権がかかっている項目なので、アクセス許可を得ているメンバーのみが閲覧できる

 こうして細かく活動履歴を残しておくことで、次に連絡する担当が変わった場合や引き継ぎが発生する場合もスムーズに情報を受け渡しすることができます。また、項目ごとにアクセス権も設定できるため、全ての部署に公にする情報と、部内だけで共有したい情報を1つのアプリの中に共存させることが可能です。

内容を修正するたびに変更履歴が細かく残すことができる

 「kintone」には自動で変更履歴を残す機能が搭載されています。いつ、誰が、どの箇所を変更したのか履歴として残ります。また、変更前に遡って情報を戻すこともできるため、間違えて上書きしてしまった場合なども安心です。

1つの案件について、コメント欄でさまざまなやり取りが行われる

 また「kintone」の特長として挙げられる機能の中に「コメント機能」があります。上記の画面キャプチャのように、この案件は別の営業担当が対応中である旨をコメント欄に記載しておくことで、連絡のバッティングを防止したり、メモとして情報を書き残したりしておけます。

 データにひもづいたコミュニケーションができるので、情報の管理から共有、連絡まで全て「kintone」の中で完結できるのです。

 ちなみにこのアプリは、営業メンバーによって作成されました。「kintone」はプログラミングを一切使わずにアプリが作れるので、サイボウズでは業務内容に合わせて各自でアプリを作成し、運用しています。

マーケティング系部門での活用例:「ホームページ更新依頼」アプリで依頼漏れ、対応漏れを防ぐ

 次は、わたしたちが所属するマーケティング系の部門で運用している「ホームページ更新依頼」アプリをご紹介いたします。

アプリの一覧画面

 サイボウズのWebサイトは、全て社内のホームページチームのメンバーによって更新作業が行われています。例えばホームページ上に新しい情報を載せたい場合や、古い情報を削除したい場合など、追加・修正・変更などの作業は日々発生しています。

 製品サイトの内容を管理しているのがマーケティング部門なので、基本的にはプロモーション担当メンバーからの依頼が多いですが、修正が必要な項目がある場合は営業メンバーや開発メンバーから依頼が登録されることもあります。

依頼の詳細画面。ページ全体のレイアウトも含めて変更する場合は、修正イメージの資料を添付する事も多い

 依頼者は、依頼内容を簡潔にまとめたタイトル、該当ページのURL、詳細な作業内容、希望の更新日(締切)をアプリに入力して登録します。

 新規の依頼が登録されると、ホームページチームのメンバーに通知が飛ぶようになっており、内容を確認して、作業担当者を適宜割り当てます。その後は作業を進めつつ、進捗報告や質問事項などは右側のコメント欄でやり取りをしていきます。

一覧を設定して、自分が担当のものだけを一発で絞り込むこともできる

 「kintone」はさまざまな条件で一覧を作成することができます。例えば自分が依頼した案件を過去のものも含めて絞り込んで表示したり、自分が作業担当の案件を絞り込んで表示したりすることができます。

 これは実際にあった話なのですが、私も以前(恥ずかしながら)『てっきり登録した気になっていた』案件がありました。しかし数日経ってもレスポンスが無かったので、改めてこのアプリを確認したところ、どうやら思い違いだったようで登録がされていなかった、という事がありました。

 しかしこうしてアプリできちんと依頼を管理する事によって、言った・言わないなどの事態を防ぐことができますし、進ちょくが知りたい場合はこのアプリ内で確認をすることができます。

 サイボウズ社内では、ホームページ更新依頼アプリのほかにも、契約書作成依頼アプリ(法務部門)、情報システム部への作業依頼アプリ(情報システム部門)、総務への依頼アプリ(総務部門)など、さまざまな部門に依頼を登録するアプリがあります。お客様とのやり取りだけでなく、社内のやり取りもデータベース化しておくと、後から履歴を追うのも簡単なので非常に便利です。

 次回後編では、開発部門、人事部門で使われているアプリをご紹介いたします。サイボウズならではの使い方をご紹介できればと思いますので、ぜひご覧くださいませ。

 それでは第4回でお会いしましょう! ありがとうございました。

前川 麻美

サイボウズ株式会社 ソーシャルコミュニケーション部
kintone プロモーション担当