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デル・テクノロジーズ、大手町本社に法人向けPCなどの常設展示拠点「Tech Rally Residency Tokyo」を開設

 デル・テクノロジーズ株式会社は18日、東京・大手町の同社本社内に、法人向けクライアントソリューションの常設展示およびデモを行う「Tech Rally Residency Tokyo」を新たに開設した。

 顧客やパートナーを対象に公開するもので、来場者はペルソナを想定しながら製品を体感できるほか、必要に応じて、スペシャリストを交えたエグゼクティブブリーフィングなどを実施できる。

 インテルの協賛を得て、全世界で展開している製品マーケティングプログラムのひとつに位置づけられ、英国ロンドンを皮切りに展開。アジアへの設置は、今回の東京が初めてとなる。

アジアで初めて設置されたTech Rally Residency Tokyo

 デル・テクノロジーズ クライアント ソリューションズ グループ セールス アジアパシフィック・日本・中国担当バイスプレジデントのジャシンタ・クワァー氏は、「デルは、日本をティア1の市場に位置づけており、東京・大手町の本社内に、Innovation Labに続いて、新たにTech Rally Residencyを開設することになった。最新のテクノロジーや製品に触れられる場所になる」と述べた。

デル・テクノロジーズ クライアント ソリューションズ グループ セールス アジアパシフィック・日本・中国担当バイスプレジデントのジャシンタ・クワァー氏

 デルの最新PCやモニター、周辺機器を体験できるほか、複数の製品を連携させた体験も可能だ。少人数のセッションを通じて、主要製品の詳細やロードマップなどを示し、IT資産の管理に伴うコストやリスクの削減などに貢献する提案を行う。

 同社のソリューションスイートを通じて、ゼロタッチデプロイメントによる生産性と効率性の向上を実現するほか、セキュアで柔軟、かつ統合されたソリューションにより、デバイス管理を効率化。AIベースのセルフサービス技術により、問題を解決できるという。

 利用するには、同社の営業部門に問い合わせる必要があり、一般ユーザーが直接利用を申し込むことはできない。

Dell、Dell Pro、Dell Pro Maxの3タイプ12機種を展示
デルの最新モデルを活用した体験が可能だ
デスクトップPCの展示コーナー
デタッチャブルPCの展示
最新モニターをはじめとした周辺機器を展示している
曲面モニターなども展示している
サステナビリティに関する展示も行っている

 Tech Rally Residency Tokyoでは、インテルvPro プラットフォームのリモート運用管理のデモを用意し、vPro fleetサービスを利用したクラウド経由でのリモートの電源オン/オフやBIOSの各種設定の変更を実演できるようになっている。

 また、IT管理者向けのWebツールである「Dell Tech Direct Console」により、クラウド経由で端末の健全性確認や資産管理などを行えるほか、Dell Peripheral Managerでは、Dellブランドの周辺機器をPC上の画面から容易に設定管理できる。

 Absolute Secure EndpointによるリモートPCの管理デモでは、インターネット経由でリモートから、PCのロック、ワイプ、アプリケーション検証を行い、盗難・紛失対策に活用できるところを確認可能。AI PCを利用したAIアプリケーションのデモでは、AI PCのローカル上で、各種LLMを利用したチャットボット、画像生成などの体験が可能だ。

無償で利用できるリモート運用管理「Dell Tech Direct Console」のデモの様子
Absolute Secure EndpointによるリモートPCの管理の様子
AI PCでのNPUの使用率などを可視化する

 ワークステーションの展示エリアでは、2025年10月に発売した「Dell Pro Max with GB10」の展示も行っている。デスクサイドに設置できるAI開発に特化した製品であり、NVIDIA Grace Blackwell Superchipにより、1000 TFLOPSのFP4計算能力を実現。128GB LPDDR5Xを搭載しており、ローカルで最大2000億パラメーターの大規模モデルの実験や微調整、推論が可能だという。クラウドに依存せず、ローカルでAIワークロードを実行することで、コストを削減し、低遅延、セキュアなAI開発環境を実現する。

 同社では、「AIスーパーコンピュータと呼んでおり、まったく新しいジャンルの製品になる。Windowsでもなく、x86でもない。NVIDIA DGX OSおよびNVIDIA AIソフトウェアスタックが動作することになる。AI開発に特化しており、開発者1人につき1台の環境で利用することを想定している」と述べた。

 また、ワークステーションの展示エリアでは、「Dell Pro Max Micro」および「Dell Pro Max Tower T2」によるCAEアプリケーションのデモや、解析結果のリアルタイムビジュアライゼーションにより、設計デザイン業務の生産性を大きく向上できるハイエンドGPU搭載ワークステーションの紹介、「Dell Pro Max 16 Plus」と旧機種によるCADアプリケーションの動作比較、堅牢タブレット「Dell Pro Rugged」の展示による製造・物流分野での利用提案などを行っている。

ワークスターションの展示エリアの様子
Dell Pro Max with GB10
Dell Pro Max with GB10を使用したVSS(Video Search and Summarization)による画像解析のデモ
モバイルワークステーションの性能比較。「Dell Pro Max 16 Plus」(左)と、2世代前の「Precision 7670」(右)。CADの動作
タワー型ワークステーションのエントリーモデルを3機種展示している
堅牢タブレットと周辺機器の展示

 一方、デルの法人向けクライアントソリューションビジネスの特徴についても説明した。

 クワァー氏は、「デルは、独自のオペレーティングモデルを持っているのが特徴である」と前置きし、「業界で最も幅広いエンドトゥエンドソリューションや、業界最大級のGo to Marketエンジンを持ち、世界最大のグローバルサービスと世界最高のサプライチェーンを有している。これらが競合他社との差別化になっている」と述べた。

 特に、サプライチェーンの強みについて触れ、全世界に20以上の生産拠点、300社以上のダイレクトサプライヤーの工場、500以上のサブサプライヤーの工場とも連携。1日に17万9000台以上のPCを受注して、毎秒2台のPCを生産するほか、年間5300万台のPCを生産しており、データセンター向けのISG(インフラストラクチャソリューションズ グループ)製品では年間220万台を出荷しているという。また、モニターや周辺機器では年間3600万台の出荷実績を持つ。

 クワァー氏は、「デルでは、モダンワークプレイス向けソリューションのラインアップを充実させており、法人向けPCにおいては、インテル、AMD、NVIDIA、クアルコムのシリコンを搭載しており、選択肢を用意。さらに、AIの能力を高めることができる製品も用意している。最もセキュアで、サステナブルで、管理性に優れた信頼できるソリューションを提供できる」と胸を張った。