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NEC、5Gの社会実装に向けた顧客・パートナーとの共創施設「NEC CONNECT 5G Lab」を開設

 日本電気株式会社(以下、NEC)は9日、5Gの社会実装に向けて、顧客・パートナーとユースケースを共創する「NEC CONNECT 5G Lab(以下、5G Lab)」を、神奈川県川崎市のNEC玉川事業場に開設したと発表した。

 合わせて、ネットワークを活用したオープンな共創の場のコンセプト「NEC CONNECT」を策定し、コンセプトの第一弾である5G Labや、今後開設予定の施設などを活用して、各業界のリーディング企業や最先端テクノロジーを有する企業・団体などとの共創に取り組んでいくとしている。

NEC CONNECT 5G Lab

 NECはこれまで、ローカル5Gの導入や運用を容易にするサービス型での提供、より安全な運用を実現するセキュリティサービスの提供、小規模ネットワーク向けに無線部・制御部を一体化した小型基地局の販売など、ローカル5Gの普及に向けた施策に取り組んできている。また、2020年3月に「NECローカル5Gラボ」を設立し、さまざまな業種の顧客と50件以上の実証を行ってきた。

 さらに、2030年の社会像「NEC 2030VISION」の実現に向けて、未来への構想をネットワーク含めたデジタルの力で社会実装する、オープンな共創の場を示す新コンセプト「NEC CONNECT」を策定。コンセプトに基づく第一弾として、NECローカル5Gラボをリニューアルし、5G Labを開設した。

 5G Labでは、ビジネスデザイナーが顧客・パートナーの潜在課題の掘り起こしを行い、課題解決の方向性を整理した上で、技術検証を支援する。さらに、課題解決に必要となるアジャイル開発によるプロトタイプの製作や、上位アプリの検討、コンサルティングメンバーを加えたビジネスモデル検証などを通じて、本格導入に向けたユースケースを共創していく。

 顧客・パートナーとのユースケース共創を支えるネットワーク環境として、ローカル5Gのさらなる充実(Sub6の屋外実証環境やミリ波を追加)に加えて、キャリア5G、Wi-Fi、LTE、sXGPといったさまざまな選択肢を用意する。また、ネットワークにつながるプラットフォームも、エッジコンピューティングやパブリッククラウドなど、用途やニーズに応じて使い分けることができる。

 顧客・パートナーは、これらの中から最適な実証環境を選択し、自社のアプリやデバイス、サービスと組み合わせることで、サーバーなどの機材を自社で用意せずに、容易に実証が行える。

 また、従来のNECローカル5Gラボは、顧客とNECによる1対1の技術検証を中心に実施していたが、5G Labは顧客・パートナーが集まる共創のハブとして位置付け、パートナーシップを強化していくとしている。

 NECは今後、NEC CONNECTのコンセプトのもと、5Gだけでなく、Beyond 5Gや、次世代コミュニケーション基盤構想の「IOWN」なども含めて、幅広い知恵と技術がオープンにつながるイノベーション創出の場として整備し、社会へ価値を提供していくとしている。