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ワークデイ、ソリューション拡充や中堅企業への訴求、パートナー連携を2022年度に実施へ
2022年3月17日 06:30
ワークデイ株式会社は16日、2022年度の日本法人の事業戦略を発表した。「ソリューションの拡充」、「従来の大企業に加え中堅企業への導入を増加させる顧客セグメントの拡大」、「共同プロジェクトや共同プロモーションなどパートナービジネスの成長」の3点を実施するという。
エグゼクティブ・プレジデント兼日本担当ゼネラルマネージャー日本法人社長の正井拓己氏は、「全世界での導入企業数は、昨年度の7900社から20%増の9500社以上となった。日本でのビジネスも好調で、2021年末時点で800社以上への導入を実現している。日本法人は組織を拡大し、セールス組織の拡充、サービスチームの展開、2022年夏オープンを予定した新オフィス設立などを実施し、さらなる導入企業増を目指していく」と述べ、好調な日本法人のビジネスをさらに拡大していくことと説明した。
ソリューション、顧客セグメント拡大、パートナービジネス拡充をさらに推進
Workdayは2022年2月から新年度がスタートし、日本法人も新年度を迎えた。
「日本法人の2021年度は、ソリューションについては財務・人事・プランニングを総合支援するプロバイダへの転換を進め、当社が持つ全製品を日本でリリースすることができた。マーケットについては、従来の大企業向けだけでなく、中堅企業向け製品を2021年11月にリリースし、ターゲット拡大を実現した。パートナーシップについても、新たな共同プロジェクトによって新しいお客さま獲得につながった」と正井氏は説明する。
2022年度は2021年度の実績を踏まえ、ソリューション、顧客セグメント拡大、パートナービジネス拡充をさらに進めていく。
ワークデイのソリューション「エンタープライズマネジメントクラウド」は、財務情報を扱うWorkdayファイナンシャルマネジメント、人財情報を扱うWorkdayヒューマンキャピタルマネジメント、それぞれの情報を共通基盤から権限、役割、ビジネスプロセスを管理するWorkdayアダプティブプランニングという3つの製品領域がある。特徴として、「統一されたプラットフォームから各領域を管理できるので、戦略決定のスピードアップが可能となる」と正井氏はアピールする。
人事部門、財務経理・経営企画、情報システム部門という社内の3部門向けソリューションが搭載されている。情報システム部門向けには、機械学習など最新技術を活用など担当者が抱える課題を解決する機能を提供。クラウド基盤として、スケーラビリティ、弾力性・柔軟性、パフォーマンス、高可用性、継続的な機能拡張などを実現する。
さらに、正井氏がほかのERPとの差別化としてアピールするのがローコード開発機能だ。「最近、大きな話題となっているローコード開発は、かねて標準機能として提供している。ほかのERPベンダーと比較し、当社の強みがこのローコード開発機能。ヘビーなカスタマイズが行われることが多いERPの課題を解決策になるのではないか。担当者がプログラミング知識なしで、必要な機能の開発を行うことができる。データベースの知識がなくとも、ダッシュボード設定などを行うことができる。カスタマイズが課題としてあがることが多いERPの課題解決となる機能としてアピールしていきたい」(正井氏)。
人事部門向けとしては、人財管理ソリューションWorkday HCMを中堅企業向けにも販売していく。「従業員数が数百人から数千人規模の中堅企業に向けても機能を追加し、対応していく。旧型の人事管理システムからの乗り換えだけでなく、ほかの人事向けERPからの乗り換えも積極的に進める。グローバル展開を進めるにあたり、当社製品を採用するお客さまが増えている」(正井氏)。
他社からの乗り換えなどを推進するために、事例として、採用管理、研修管理、人財の最適配置、さらにこれらの機能に共通する基盤としてスキル管理基盤機能などを活用することのメリットもアピールしていく計画だ。
先進的な機能として、ワークフォースプランニング、外部データの取り込み・分析、拡張アプリ開発についても、利用することのメリットを紹介する。また、2022年下半期には社員からのフィードバックをリアルタイムに収集・分析することができるインテリジェンスプラットフォーム「Workday Peakon Employee Voice」を国内でリリースする予定としている。
財務関連については、単一の基盤上で計画・実行・分析を行い、組織全体でのコラボレーションや意思決定を迅速化する。財務と非財務情報を連携し、計画・見通し・実績を一元管理するWorkdayアダプティブプランニングはグローバルで5900社、人財と財務情報を連携するWorkdayファイナンシャルマネジメントは1300社に導入実績を持つ。
「財務・経営計画領域については、パートナーの皆さまとの連携が不可欠となる。財務の知識を持ったパートナー企業と連携していく」(正井氏)という。パートナーとしては、アクセンチュア、デロイトトーマツ、IBMなどが名を連ねる。2021年度にはKIOXIA、野村総合研究所、クックパッドなどの企業が新たな導入企業として発表された。
顧客セグメントについては、中堅企業への導入事例を発表していくことで、ワークデイ=大企業向けソリューションという印象を変えていくことを目指す。3月16日に発表した株式会社トプコンへの導入もその一つ。トプコンは売上の70%が日本以外の国とグローバル展開をする企業で、日本以外の国でも利用できることを評価し、ワークデイ製品の導入を決定したという。
「最近の導入事例を見ると、クラウドネイティブ企業、トプコンのようにグローバル展開を行う製造業のお客さまの導入が出てきている」とし、実績をもとに、利用することのメリットを訴えていく。
パートナー戦略としては、主要パートナーとして大企業に強みを持つアクセンチュア、HCM領域の共同営業活動を行うことを予定するデロイトトーマツ、大企業だけでなく中堅企業向けビジネス展開を予定するIBMの3社を主要パートナーとして、パートナーエコシステムを構築し、パートナー経由での販売を増やしていく計画だ。