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ワークデイ、従業員エンゲージメント向上を支援するプラットフォームを提供開始
2023年6月29日 06:15
ワークデイ株式会社は23日、従業員エンゲージメントのためのプラットフォーム「Workday Peakon Employee Voice」の国内での提供を開始した。価格は個別相談。すでに海外ではリリースされていたが、日本では4年ぶりに開催した自社イベント「Workday Elevate Tokyo 2023」の中でリリースを発表した。
「アフターコロナの現在、新しい働き方、多様な働き方が実施されている。その結果、従来にも増して従業員のエンゲージメントが必要となっている。新製品は従業員の意向を聞き取っていくことで、大退職時代に備えるツールとなっている」(ワークデイ エグゼクティブ・プレジデント兼日本担当ゼネラルマネージャー 日本法人社長の正井拓己氏)。
日本では人財マネジメントプラットフォーム「Workday Human Capital Management(HCM)」とのセットでの導入を想定し、既存のHCMユーザー、人事システムの更改を考える企業をターゲットとしていく。
ワークデイでは6月23日に自社イベントのWorkday Elevate Tokyo 2023を開催。500人弱が来場し、DXを実践する企業による基調講演や新製品活用などをアピールした。
「今回のイベントのテーマはPower to Adapt、未来を切り拓くための適応力。DXを実践する企業は、フロントエンドのプロセスはいち早く変わってきているが、一方でわれわれが提供している企業の基幹システムの更改はまだ進んでいない。われわれはクラウドベースの新しい基幹システムを提案し、企業の新しいデジタルバックボーン作りを支援していくことをアピールした」(正井氏)。
日本ではワークデイ=人材管理ソリューションと認識されているが、「人材管理だけでなく、財務、経営計画と製品ポートフォリオを拡大しており、企業の基幹を支えるクラウドソリューションをトータルで提供し、統合基幹システムデータとして活用してもらうことができる」(正井氏)とし、エンタープライズマネジメントのためのソリューションを統合的に提供していることを強みとしてアピールする。
現在175カ国でソリューションを提供し、導入企業は1万社を超え、クラウドを利用しているエンドユーザーは6000万人を突破した。「基幹システムのクラウドソリューションとしては、世界でも最大規模」(正井氏)とアピールする。日本でも日立グループ、日産自動車、ソニーなどが導入企業として名を連ねている。
新たに提供を開始した「Workday Peakon Employee Voice」は、もともと、2021年に買収した製品。海外では2021年時点からワークデイ製品として販売していたが、日本での提供は、「UIなどが日本のユーザーにとって使いやすいものとなった現段階で、リリースすることになった」という。
Workday Peakon Employee Voiceでは、世界160カ国、60言語にまたがる従業員から得た5億件以上のアンケート回答、7000万件以上のコメントを集約。従業員のエンゲージメント状況に関する世界最大級のデータセットを有している。利用企業は、このプラットフォームを活用し、従業員の感情や知覚に関するリアルタイムかつコンテキストに基づく洞察を取得する。また獲得した洞察を活用し、従業員エンゲージメントの向上につながる分析やアクションを経営層や管理者に提案し、社員のエンゲージメントの安定や向上を支援するとした。
「従業員の意見をサーベイするツールはほかにもあるが、エンゲージメントサーベイに注力していることが当社製品の特徴。従業員の満足度を調査することが目的ではなく、エンゲージメントがどこから来ているのか、業種別調査、競合との差はどこあるのかといったことを分析できる。日本では、従業員の声を集める頻度が年に1回程度で、コンサルタントが入るのは数年に1回、といったスパンで実施されることが多かった。当社の製品では、調査頻度を高くすることで、リアルタイムの社員の声を把握できる」(正井氏)。
製品の特徴は、従業員の声をリアルタイムに可視化し、組織が迅速で適切なアクションを実行するために必要な分析結果や提案を提供できること。
意欲とエンゲージメントの高い社員は、ほかの社員よりも高い生産性やパフォーマンスを発揮する傾向にあるため、企業にとっては、従業員のエンゲージメントを獲得することが重要なビジネス課題となっている。つまり、企業にとって従業員の声は、ビジネスの成長に直結する最も重要なデータの1つとなる。
また、従業員をサポートし意欲を高めるため、従業員の声に耳を傾け、従業員の要望、ニーズ、意向をよりよく理解しようと努めることで、従業員自身の成長や学習の意欲に対応することが可能となる。製品では、こうしたことをサポートするとした。
なお製品では、アンケート調査に加え、従業員が自身の意見を書き込むこともできるので、社内のさまざまな声を集められる点も強みとのことだ。