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ワークデイ、「エンタープライズマネジメントクラウド」構想を発表 財務ソリューションの国内展開も

 ワークデイ株式会社は7日、財務、人事、プランニングなどを統合し、ITとデータで企業経営をマネジメントする「エンタープライズマネジメントクラウド」という構想を発表、同分野のプロバイダーとして新たにクラウド事業を展開すると宣言した。また、この構想の柱となる財務管理ソリューション「Workdayファイナンシャルマネジメント」を国内で提供開始することも同時に発表した。

 同社が新たにエンタープライズマネジメントクラウドという構想を打ち出した背景について、ワークデイ エグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャー 日本法人社長の正井拓己氏は、「コロナ後のニューノーマル時代では、企業の経営環境がより不確実になる。新たな経営環境で成功するには、より新陳代謝の活発な企業に変革しなくてはならない。ただ、環境は急速に変化しており、企業戦略実行とのギャップが広がっている。このギャップを埋めるには、断片的なデータに依存している過去のERPモデルからの脱却が必要だ」と述べている。

ワークデイ エグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャー 日本法人社長 正井拓己氏

 エンタープライズマネジメントクラウドにより、ワークデイは「最新の自動化機能を実装した堅牢でスケーラブルな基盤を提供し、業務横断的なデータモデルによってデータの全体像を把握できるようにする。今後の事業経営に必要な財務、人財管理、計画、分析などの機能をひとつのプラットフォームに統合して提供することで、企業の迅速な意思決定と、変化の激しい環境下での対応力を強化できるよう支援する」(正井氏)という。

 すでにワークデイでは、人財管理ソリューションの「Workdayヒューマンキャピタルマネジメント(Workday HCM)」と、プランニングソリューションの「Workday Adaptive Planning」を日本市場で展開している。正井氏によると、世界におけるWorkday HCMの導入企業は3550社で、Workday Adaptive Planningの導入企業は5600社。今回国内で提供開始するファイナンシャルマネジメントも、世界1100社の導入実績があるほか、日本でも先行してクックパッド株式会社がWorkday HCMとともにWorkdayファイナンシャルマネジメントを導入しているという。

Workdayを導入する企業

 Workdayファイナンシャルマネジメントには、会計・財務や収益管理、財務レポート、連結処理などの一般的な会計機能が備わっているほか、Workday HCMやその他のシステムに蓄積されたデータと組み合わせることで、財務情報と人財情報を統合的に管理できるようになる。各国の会計基準をサポートしているため、消費税や源泉徴収税などに対応する日本市場向けの機能も実装している。

 正井氏は、「人財・財務両方の業務アプリから共通の従業員マスタと組織マスタを利用するため、経営環境の変化に伴う組織や事業の再編にも迅速に対応できる。また、財務・会計処理が従業員データにひもづくことで、財務と人財の両視点で全体像を把握し、事業運営に生かすことが可能だ」と説明する。

Workdayファイナンシャルマネジメントについて

 正井氏はWorkdayファイナンシャルマネジメントの実績も紹介、「グローバルに最適化されたファイナンスオペレーションが可能なため、導入によって20のシステムをひとつに統合した事例がある。また、インテリジェントデータ基盤にはBI機能が内蔵されていることから、専用BIを撤廃しデータの重複を排除したことで約1.1億円のコスト削減を実現した事例も存在する」としている。

Workdayファイナンシャルマネジメントの特徴と導入効果

 日本市場でターゲットとするのは、「財務基盤のグローバル展開を計画する企業や、デジタルネイティブな成長企業、人財変革を進める企業」と正井氏。パートナーには、既存のWorkdayサービスパートナーであるアクセンチュア株式会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、日本IBM株式会社、PwCコンサルティング合同会社が名を連ねている。

 Workdayファイナンシャルマネジメントの強みについて正井氏は、「これは従来のERPの延長ではない。ビジネスプロセスフレームワークや人財情報との統合機能が特徴で、こうした機能によって経営陣が的確に意思決定できるようになるプラットフォームだ」と述べた。

Workdayプラットフォーム上で財務と人財の連携が可能に
日本市場でのターゲット