ニュース

群馬大学やNECなど4者、ローカル5Gを活用した自動運転バスの公道実証を実施

公道を走行中の実証車両
管制室(CRANTS内)

 一般社団法人 ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(以下、TOPIC)、国立大学法人群馬大学、日本モビリティ株式会社、日本電気株式会社(以下、NEC)の4者は14日、群馬県前橋市において、ローカル5Gを活用した複数台の遠隔監視を含む自動運転バスの公道実証を、2月21日~27日に実施すると発表した。

 この実証では、ローカル5G設備を中央前橋駅に設置し、周辺をローカル5Gエリア化したうえで、群馬県前橋駅から中央前橋駅までの区間、約1kmの公道にて自動運転の評価・検証を行う。

公道実証ルート

 さらに、AIベースの映像配信技術と映像分析に基づくアラート通知技術により、1名のオペレーターが複数台の自動運転バスを効率的な監視できるようにする遠隔監視システムの検証も行うとのこと。

 この映像配信技術には、AIを活用して監視用映像の送信画質を最適化するNEC独自の「学習型メディア送信制御技術」が応用されており、通信帯域の変動が発生しても安定して映像を配信するために、通信帯域を予測して、予測した通信帯域を送信データ量が下回るように映像を圧縮してくれる。

 一方のアラート通知技術は、映像中の「人」「車」「信号」等を検出し、注意や介入が必要な状況を検知して、オペレーターにアラートで通知するもので、危険の見落としを防ぎ、一人で複数台の自動運転バスを効率的に監視できるように支援するとした。

技術イメージ

 また、自動運転バスの社会実装をより意識し、複数台運行のための仕組みの検証として、群馬大学研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センター(以下、CRANTS)が、同センター内の試験路にて、自動運転バスの遠隔操作を行う。

 加えて今回は、ほかの地域でも問題なくローカル5Gを活用した自動運転を実施できるよう、隣接する周波数帯やローカル放送など地域独自で使用する周波数帯、キャリア5Gなどと干渉しない仕組みとして必要なモデルを作成するために、電波伝搬モデルの精緻(せいち)化も実施する。

 なお、こうした実証は、限定したエリアでのレベル4自動運転(完全自律型自動運転)の社会実装を想定しており、日本中央バス株式会社の通常運行のバスとして、利用者を乗せて行う。公道走行時には、CRANTSの遠隔管制室からの遠隔監視により完全自動運転を行うが、ドライバーも乗車しており、緊急時にはドライバーの判断で手動運転に切り替えることで、安全性を担保するとしている。